最高の前戯
10秒ほどそうしていたのですが…。
ジュリアスは子供ではないので、ただ口をくっつけているのだけをキスとは
言いません。なので、なんとなく。反射的に。
そうっと、舌を差し入れてみちゃいました。
「…っ!?」
急になんだか柔らかいものが口の中に入ってきたので、メルはビックリして体を
強張らせてしまいました。
「…むぅぅ…」
メル的謎の物体は、口の中をゆっくりと不思議にうごめいています。
口の中に残っているココアの味をていねいにおそうじしているみたいなヘンな
感覚で、メルはぎゅっと眉間にしわを寄せました。
「…にゅ…」
メルの口はすっかりジュリアスに塞がれてしまって息ができません。
苦しかったので、メルは思わずジュリアスの手をぎゅっと握りました。
するとようやく、ジュリアスがメルから顔を離しました。
「ふにゃ〜〜…」
クッタリしたメルの唇を、ジュリアスが今度は指でそおっとなぞります。
「ウニャン」
口を触られたのになぜだか腰がぞわぞわして、メルは小さく声をあげました。
ジュリアスがくすっと小さく笑ったので、ヘンな声が出てしまったメルはとっても
恥ずかしくなりました。
ジュリアスはメルの反応がよっぽど面白かったのか、しばらく指でメルをあちこち
なぞりはじめました。
つ〜〜っと指を動かす度に、メルが
「ニャッ」
と可愛い声をあげるので、それがすっかり楽しくなったジュリアスはメルの体を
引き寄せてチュウウウ〜〜とキスをしてみました。
しばらくのチュウの後…
「あ…」
開放されたメルの口からそんな呟きがもれたのです。
見れば、メルがいつのまにか元の火龍族な体に戻っているではありませんか!
「ジュリアス様?」
そう問いかけて、そこでようやくメルは自分が元に戻った事に気が付いたのです。
「うわあ〜〜! メル、元に戻ったんだね! やっぱりジュリアス様がメルの王子様
だったんだー!」
さっきまで散々弄ばれた事も忘れ、大喜びでメルはジュリアスの首にしがみ
つきました。
「ありがとう、ジュリアス様♪ メル、お礼にジュリアス様をイカせてあげるねv」
「は!?」
どこへ…?と聞くのは野暮というものでしょう。
やる気まんまんなメルは、素早くジュリアスの足の間に入り込み、太ももの上に
あごを乗っけてウキウキしています。
「…ま、待て!メル、そなた何のつもりだ!」
「メルね、お礼がしたいの」
上目遣いで、ちょっとはにかんだような笑顔。
それが、ジュリアスがその晩最後に見たメルの顔でした。
メルはジュリアスの長〜〜いひらひらの服の裾から中にもぐりこみ、あっさりと
ジュリアスさまにご対面し、ご挨拶の握手をしました。
(…パンツは…?)
「メル…っっ!!」
頭上ではジュリアスが控えめに叫んでいます。
反応があるのが嬉しかったので、今度は親愛の意味をこめてキスをしました。
「…くっ…」
服をぎゅうっと握りしめ、ジュリアスは耐えています。
「ジュリアス様、だ〜いすき♪」
そんな気持ちをこめて、メルは何回もジュリアスさまにキスをしていきました。
そうしているうちにジュリアスさまはメルに命を吹き込まれて、だんだん
成長していきました。
「はぁ…っ」
とか
「…んっ!」
とか、そんな押し殺した声がメルの耳に聞こえてきます。
「…ジュリアス様も、さっきのメルみたいに「ニャン」とか言ってください」
小さな声で呟いて、メルはジュリアスさまを食べてしまいました。
「メル!」
これはさすがに驚いて(すでにじゅうぶん驚いてますが)、ジュリアスは思わず
大きな声で叫んでしまいました。
「ふぁい??」
呼ばれたのでメルが返事をすると、びくっ!とジュリアスが反応しました。
注:よいこは口に物を入れたまま喋ってはいけません。
返事がないのでメルの作業は続行です。
メルはさっきジュリアスが自分の口にした動きを思い出しながら、いっしょうけんめい
お礼の作業に没頭していました。
ジュリアスはうっかりすると甘い声が出てしまいそうになるのをいっしょうけんめい
ガマンしながら、でもメルを邪険に扱う事ができなくて、困り果てながらとりあえず
「…はぁ…っ」
と息を吐いていました。
さあ、メルは無事にジュリアスをイカせる事ができるのでしょうか?
続きはあなたの心の中で…
強制的にFin
あはははは、いつ読んでもやっぱり面白いです(^^)
たーみぃサン、再展示の許可をありがとうございました。
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