早押し戦隊　クイズレンジャー

第９話　「ユー　ガット　メール　２」

メールは、３人の少年からだった。とりあえず届いた順に読むことにした。

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　　To：ivory@■■■.mail.ne.jp
　 From:170238a@■■■.tenshoji.ac.jp
Subject:忍です
　Date:■■■/01/02/19:52
　　Cc:

恭四郎さんこんばんは〜忍です。早速メールしました。
僕らの学校は、１人に１台パソコンが与えられているので、 いつでもインターネットができます。
・・・と言っても僕は機械オンチなので(^_^;）
メールの設定なんかは全部、奥さんにやってもらったんですけど。
（中略）
またメールしますね。ではまた〜(^-^)ノ゛
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恭四郎はメールの主に、今日会ったばかりだが、非常に彼らしいメールだなと思った。
次に来ていたメールを開封する。

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　　To：ivory@■■■.mail.ne.jp
　 From:170201a@■■■.tenshoji.ac.jp
Subject:英世です
　Date:■■■/01/02/20:32
　　Cc:

恭四郎さん今晩は。英世です。忍君に誘われたので、僕もメールを書きました。 ほとんど忍君と同じ話をしてしまうかもしれませんが、許して下さいね。
（後略）
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白い髪の少年は、あまりメールを書き慣れていないのだろうと、 恭四郎はふんだ。
改行がおかしいからだ。
文中にも、友人に誘われたので書いたと有るし、普段自分から 出すことはないのであろう。
やはり「彼」らしい文面だな、と恭四郎は思った。
最後に、太陽からのメールを開封した。

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　　To：ivory@■■■.mail.ne.jp
　 From:o_k@■■■free-mail.■■■.jp
Subject:奥です
　Date:■■■/01/02/23:11
　　Cc:

恭四郎さんどうも、奥です。
全員でメールすることにしたんで、出します。

そこまで読んでから恭四郎は、何か違和感を感じた。
FROM欄に関してではない。
学校でメールアドレスを与えられていても、どこか無料のアドレスを入手して、 外部にメールを出している太陽少年は、インターネット慣れしているのだな と思っただけだ。
しかしこの、モヤモヤした感じは何だろうと思った。
そして恭四郎はすぐに気づいた。
「HTMLメールか。」

HTMLメールは、メールソフトの対応非対応や、重さの観点から、 親しい相手以外に出すのは、マナー違反だという声もある。
メールソフトの初期設定がHTML形式になっているのならまだしも、 相手は、ネット慣れしていそうな少年だ。
何故、HTML形式で出してきたのだろうと、恭四郎は疑問に思った。
そればかりが気になって、メールの内容など頭に入らない感じがしたが、 とりあえず恭四郎はそのメールを、全部読んだ。

・・・で、その、通称イケメン先生と言われている
教師の名前が、如月っつーんですけど、下の名前が
「サツキ」なんですよね。

２月なんだか５月なんだか。

楽しくメールでコミュニケーション！！■■■メール
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思わず恭四郎は、パソコンデスクに突っ伏した。
あの中で、一番のカタブツに見えた太陽少年は、
自分の話のオチの強調のために、わざわざHTMLメールを作成してきたらしい。

やっぱり今ドキの若者の感性にはついていけないな、 と３０代の青年は思った。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＋＋続く＋＋


「創　　作」