「SPAD.13」

 制服戦闘機 第一次世界大戦編 その3
 蛇の目を飾って戦った連合軍戦闘機のおおとり(注1)は、フランスが送り出した高性能機、スパッド13。
 フランスってことで、16世紀の騎士装束風で仕上げてみました(かなりいい加減ですが)。ユリの紋章(フランス・ブルボン王朝の紋章)をどこかに入れたかったけど、胸が隠れるポーズにしちゃったので断念。楯でも持たせればよかったのですけど(笑)。
 実際、スパッドうんぬんよりも、単に鎧が描きたかっただけの絵です。

(注1)第一次大戦では、ロシアも蛇の目なんだけど、面倒なので終了。


SPAD.13

 イギリスのソッピース・キャメルやR.A.F.SE5とならび、大戦後期の連合軍戦闘機を代表する戦闘機、それがフランスのSPAD.13です。
 SPAD.13は、SPAD.7の改良機であり、イスパノスイザ8Aaエンジン(150馬力)を、イスパノスイザ8Beエンジン(235馬力)に換装したことが大きな違いです。この連合軍随一のパワフルなエンジンは、SPAD.13に最大222km/hの速度性能と、4000mまで13分余りの上昇力を与え、この二つの特性により数多くのエースを生み出すとともに、フランスをはじめ、イギリス、ベルギー、イタリア、アメリカでも使用されることとなります。生産数は、アメリカ・カーチス社でのライセンスを含めて、8472機もの膨大な数となります。もちろんこれは、連合軍機のなかで最大の生産数(注2)であり、まさに連合軍の空の主役となったのです。
 なお戦後日本にも輸入され、丙式一型戦闘機として使用されました。

(注2)各国戦闘機の生産数は以下の通り
    フランス SPAD.13:8472機 SPAD.7:5600機
    イギリス キャメル:5490機 SE5:5025機
    ドイツ アルバトロスV:2512機


参考文献
CHARTWELL BOOKS,INC刊 Enzo Angelucci著 「The Illustrated Ecyclopedia of Military Aircraft」
グリーンアロー出版社刊 野原茂著 【図解】世界の軍用機史11「世界のレシプロ軍用機集 1909〜1945」
酣燈社刊 別冊航空情報 「名機100 増補改訂版」
マール社刊 オーギュスト・ラシネ著 マール社編・訳 「服装史−中世編I−」


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