「鋼鉄の撃墜王」
私にしては珍しく版権物。
新谷かおる先生の代表作「エリア88」より、「鋼鉄の撃墜王」の異名をとるフーバー・キッペンベルクと、その乗機、IAIクフィルです。
決してメジャーとは言えないこのイスラエル製の戦闘機を、日本全国に知らしめたことは、新谷かおる先生の偉業と言えるでしょう(笑)。しかし、軍事的にマイナーな機体のため、十分な資料が手に入りにくいのも事実。手持ちの資料では写真はあっても三面図はなく、ミラージュVの図面と漫画を元にパネルラインを引きました(汗)。加えてエリア88ではC2だった型番が、C7になっています。しかし、説明によると外見の違いはほとんどないそうですので、大目に見くれたら幸いです(笑)。
それ以前に、フーバーの髪の色って、これで良いのでしょうか(爆)。これも資料がなくて・・・。あと、フライトジャケットは、漫画のままですとあまりにあっさりしすぎているため、適当にポケットを追加しています。ですから、あまり信用しないように(笑)。ハートマークのヘルメットは、エピソード「ベンディッツレポート」で、フーバーがかぶっていた物です、たぶん。
なおこの絵は、弊HPにて25000番目の来訪者となりました、和来名春さんにお送りしたものです。
IAIクフィル
第3次中東戦争後、イスラエルはフランス・ダッソー社に、ミラージュVよりも構造が簡単で稼働率の高い機体を要求しました。それに応えて製造された戦闘機がミラージュ5でしたが、フランス政府は、中東政策見直しにより、ミラージュ5のイスラエル輸出を禁止してしまいます。そのためライセンス権を持っていたミラージュVを元に、IAIが独自に改修を実施した機体が本機です。エンジンはオリジナルのSNECMAアター9より、ジェネラルエレクトリックJ79(ファントムUのエンジン)に換装されており、主に推力増加からミラージュVよりも高性能な機体となりました。外見上の大きな違いは、インテイクに設けられた固定式のカナード翼と、垂直尾翼付け根のアフターバーナー冷却用のエアスクープ、そしてやや長くなった機首でしょう。
最大速度はマッハ2.3、固定武装としてDEFA552 30mm機関砲×2門を持ち、9箇所のハードポイントには、最大6085kgの武装が搭載可能です(C7)。
参考文献
イカロス出版「戦闘機年鑑2001-2002」
酣燈社 別冊航空情報増補改訂版「名機100」
徳間文庫「最新軍用機図鑑」
スコラ漫画文庫 新谷かおる「エリア88」各巻