「MiG-31D」

 MiG-31戦闘機は、MiG-25戦闘機の改良型ともいえる飛行機です。
 中低高度作戦能力の強化、レーダーやデータリンク機能等アビオニクスの刷新といった改良をうけ、MiG-25に代表される第3世代戦闘機と、MiG-29やSu-27等の第4世代戦闘機との世代ギャップを埋める、いわば3.5世代戦闘機として運用されました。
 そのサブタイプであるMiG-31Dは、純粋な迎撃戦闘機として開発された飛行機ではありません。
 1980年代、レーガン大統領による強いアメリカ政策、このなかで、ソ連の大陸間弾道ミサイルを、人工衛星による衛星軌道からの攻撃により破壊するという、SDI構想(戦略防衛構想、スターウォーズ計画はこの構想を揶揄した通称)がありました。この計画が完成すると、ソ連は核ミサイルによる抑止力を失うことになります。そこで攻撃衛星を撃破する特殊機、MiG-31Dの開発が始まったのです。
 高空での安定性向上のため、翼端に大型のフィンが取り付けられたのが大きな特徴で、胴体中央の埋め込み式パイロンを廃し、武装は翼下の対衛星ミサイル2発(両翼各1発)のみとなっています。
 試作途中でアメリカがSDI構想を中止させたため、結局この飛行機は制式採用されることはありませんでした。冷戦を象徴する飛行機の一つと言えるでしょう。

 このイラストは、2006年の年賀状として、リンクしている皆様にお送りしたものです。
 フォックスハウンド=キツネ狩り用の猟犬ということで、干支の犬とかけてます。ちと安易過ぎたかしら(笑)
 ハイコントラストの着色に初挑戦だったのですが、ディテールがつぶれてしまってトホホな以外は、なかなかの自信作となりました。高空の巻層雲と、中空の高層雲の対比がお気に入りです。

 ちなにみ私、ストラトス・フォー・アドバンスは見てません(爆)


参考文献

イカロス出版「戦闘機年鑑2003-2004」
イカロス出版「戦闘機年鑑2005-2006」

[ Back ]