「戦争」


戦争

花たちが庭の上から消えるころ 私は空の上で戦う
芝や花の地面が硬くなり ひ弱なトリが飢えと死に襲われるころ
戦死者の名簿は厚くなる
人々の眼が涙に濡れて赤くなり 私の殺した敵の数が増えるころ
いまは亡き友への思いは募る

A・N・C・ウィアー(英空軍中尉 1940年11月、撃墜され死亡)



 英本土航空決戦(The Battle of Britain)をイメージして描いた絵です。
 画面下の飛行機は、一応スピットファイアMk.Uのつもりなのですが、後ろからのアングルと、夕日を浴びたハイコントラストのために、なんだか判りませんね(笑)。それでも雰囲気は出ていると思います。空も何とか見れるレベルでしょう?
 絵に引用している詩は、リチャード・ハウ、デニス・リチャーズ共著、河合裕訳「バトル・オブ・ブリテン」(新潮文庫刊)の中で紹介されている「戦争」という詩です。この作者A・N・C・ウィアーも、英本土航空決戦を戦い抜き、そして散っていった一人だそうです。
 密かにこの詩を読んだときから、この詩を題材にした絵を描きたいと思っていました。

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