「Pe-2前期型」
前作・前々作と、全く季節感に反した絵になってしまったので、反省の一発。ソ連の誇る戦術爆撃機Pe-2前期型とコートの娘。バックには樹氷の木々をあしらってみました。前面のキラキラは、雪が氷の結晶となって、風に飛ばされている様です、一応。ダイヤモンドダストって言った方が綺麗なのですが、ダイヤモンドダストが見れるほどの気温(零下20℃)では、耳を出すのはちょっと無謀なんですよ。
ペトリヤコフPe-2は、元々高々度戦闘機として開発された機体(VI-100)で、排気タービンや予圧キャビン等の技術が十分でなかったこと、また高々度戦闘機の配備は時期少々との意見により、急遽爆撃機として開発方針が変更された経緯を持ちます。爆撃機としての開発では、予圧キャビン・排気タービン等の複雑な機構は不要とされ、構造が簡略化されることとなりました。この試作機はPB-100と呼ばれ、全金属製の機体に低翼の主翼、主翼下のスノコ状ダイブブレーキ、上反角を持った水平尾翼に双尾翼という独特のフォルムを持つこととなりました。PB-100は元来戦闘機として開発された機体だけに、速度性能、運動性共に良好で、1940年6月にPe-2として正式採用されました。
Pe-2前期型はエンジンにVK-195RA(1100馬力)×2を持ち、最大速度540km/hという高性能を示しました。爆装は最大1000kg、防御用機銃として7.62mm機銃3丁を装備していました。
一方Pe-2後期型は、エンジンをVK-105PF(1260馬力)×2に換装したことが大きな特徴で、それ以外にはキャビン後部が切りつめられ、機首下面の風防がなくなる等の変更がなされています。
Pe-2シリーズには偵察型のPe-2R、練習機型のPe-2UT、戦闘機型のPe-3等があり、この多様性からソ連版モスキート(イギリス)等と呼ばれました。
この絵は、ふかふかさんの運営なさっている「Fukarville Crossroad」との相互リンク記念にお送りした絵です。