「上陸支援」
昨日の嵐の余韻が残る海は、大きくうねっていた。
夜明けを待って、母艦「トラッカー」を飛び立ったパッカー少尉は、艦隊直援のため南フランス・ノルマンジー海岸を目指していた。彼の目前には、海を埋め尽くさんばかりの大艦隊が見える。連合軍のノルマンジー上陸作戦、暗号名「オーバーロード」が始まったのである。
一部フィクション
約2ヶ月ぶりの飛行機絵です。しかも女の子なし(笑)。
リハビリがてら、イギリスの飛行機を描こうと思っていたところ、なにやら援英米機が素晴らしく格好良く見えて・・・。そんなことで、F4Fワイルドキャットの英軍版、マートレットを描いた次第です(笑)。
しかしですよ、黄青赤のラウンデルに白と紺のインベイジョン・ストライブだけで、同じ飛行機かと思わせるほど格好良くなりますね。いやぁ、美しい(爆)
ノルマンジー上陸作戦をうたうのであれば、僚機とか描くべきでしたねぇ・・・。
グラマン「マートレット」
イギリスは、世界に先駆けて航空母艦という艦種を誕生させた国ですが、第二次世界大戦においては、満足な性能を持つ空母艦載機に恵まれない国でもありました。そのため空軍機を改良し艦上機としたり、同盟国より艦載機を購入するなどして、母艦兵力を整えました。グラマン・マートレットは後者の代表で、護衛空母艦載機として、船団護衛等で活躍しました。
絵のマートレットVは、GMイースタン工場で製造されたF4F-4(正式にはFM-1として区別される)のイギリス海軍版です。
F4Fシリーズは、運動性では日本海軍の零戦に及ばなかったとされますが、操縦性、整備性、生存性に優れる、優秀な艦載機でした。特にその過剰とまで形容された操縦性安定性は、着陸時における過度の緊張からパイロットを解放したとも言われています。
マートレットの活躍場所は、主に地中海と北方航路でした。よって味方から誤射される危険が少なく、インベイジョン・ストライブをまとった機体は少数でした。絵の機体は、護衛空母「トラッカー」の艦載機(第846飛行隊)で、ノルマンジー上陸作戦の支援任務に就いていました。よってストライブ模様をまとっているのです。
参考文献
デルタ出版 ミリタリエアクラフト00年12月号別冊「第2次大戦イギリス軍用機 増補改訂版」
大日本絵画 世界の戦闘機エース「第二次世界大戦のワイルドキャットのエース」