「Word Trainers」
世界の初等練習機、そんな感じで描いてみました。上から、デ・ハビランド・タイガーモス(英)、ビュッカーBu131”ユングマン”(独)、立川九五式1型練習機(日)です。
ロシア(ソ連)機がないのに、何故か付け合わせはセレ。まぁ深く追求しないで下さい(笑)。帽子を被ったボーイッシュな感じで行きたかっただけです。
タイガーモスは、イギリス初等練習機の傑作として、各型合計7000機近くが製造されました。その使用国は、イギリスはもとより、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといった、ほぼ全てのコモンウェルスに渡ります。まさにRoyal Air Forceの空の第一歩がこの機体だったのです。
一方のユングマンは、国内にはすでにゴータGo145やフォッケウルフFw44(いずれも総生産数1万機以上)が君臨していたため、その半分にも満たない生産しかされませんでした。しかしこの飛行機は、民間用スポーツ機/曲芸機としてあまりに有名で、またスイス、スペインなどでもライセンス生産が行われたことから、ドイツの初等練習機=ユングマンというイメージがあることも事実です。また日本でも、陸軍が四式初等練習機、海軍が二式基礎練習機"紅葉"として、ライセンス生産が行われました。
最後の九五式1型練習機は、海軍の九三式中間練習機と並び、”赤トンボ”の愛称で親しまれた機体です。採用当初は中等練習機としてでしたが、大戦後半の実用機の性能向上に伴い、初等練習機として使用されるようにもなりました。生産数は2600機余りでしたが、大戦を通じて陸軍パイロットを養成し続けた隠れた名機と言えましょう。
なお九五式練習機には1型(キ9)、2型(キ6)、3型(キ17)とあり、2型は機上作業練習機(中島)、3型は初等練習機(立川)となっております。
このイラストは、「えりゅらぼ」を運営なさっているElysionさんに、弊HP45000キリ番記念としてお送りしたものです。
参考文献
グリーンアロー出版社 野原茂著 [図解]世界の軍用機史6「日本陸軍軍用機集」
グリーンアロー出版社 野原茂著 [図解]世界の軍用機史7「ドイツ空軍軍用機集1928-45」
グリーンアロー出版社 野原茂著 [図解]世界の軍用機史10「イギリス軍用機集1931-1945」
原書房 松崎豊一編著 「第二次世界大戦軍用機ハンドブック 日本篇」
原書房 松崎豊一編著 「第二次世界大戦軍用機ハンドブック ドイツ篇」
原書房 松崎豊一編著 「第二次世界大戦軍用機ハンドブック ヨーロッパ諸国篇」