「Fw190D-9」

 題名は飛行機の名前としておりますが、主役はお座りわんこのエミリさんです。初公開、尻尾つき画像(笑)
 付け合わせはドーラさん(Fw190D-9の愛称というか、Dの意味。ちなみにAからアントン、ベルタ、カエサル、ドーラ、エーミール、フリードリヒ、グスタフ・・・・となります。英語の場合、アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタ、エコー、フォックスロット、ゴルフ・・・となりますね。ですからJu87Dも、Bf109Dもドーラです、ほんとは)。米英軍から”長っ鼻”と呼ばれ恐れられた、高性能機です。その二つ名が頭にこびりついておかげで、三面図を見ながら描くと、どうも機首が短く思えてしまい、自分の中のドーラさんのイメージから隔離してしまう・・・そんなんで、思い切って機首を長〜く描いています。ですからあまり本気にして見ないようにお願い致します(爆)
 ドーラさんのカラーは、1945年3月頃の、第3戦闘航空団第W飛行隊のカラーを参考にして描いております。若干カラーバランスが緑に寄っていますが。ついでに、参考写真からは見えなかった主翼上面のパターンは、Fw190Aの標準迷彩パターンで誤魔化しています(笑)。

 なお、このイラストは、対空絵画室8万ヒット記念として、「イラスト館 たま、」を運営なさっております、たま、さんにお送りしたものです。


フォッケウルフ FW190D-9

 Fw190D-9は、BMW801空冷エンジンを搭載した戦闘機、Fw190Aシリーズから派生した戦闘機です。Fw190Aシリーズは、頑丈で整備性に優れ、しかも高性能と、Bf109F/Gシリーズとならび、ドイツ空軍の主力となった戦闘機でした。しかしながら、BMW801エンジンは高々度性能に乏しく、B-17G、P-51C/D、スピットファイアMk9等の爆撃機、戦闘機との戦闘において、十分な能力を発揮し切れませんでした。そこで高々度性能の向上を目指し、エンジンを液冷エンジンに換装する一連の試作が実行され、その中からユンカースJumo213を搭載した試作機が高性能を示し、Fw190D-9として制式採用されました。
 Fw190D-9は、A型に匹敵する重火力(20mm機関砲2門、13mm機銃2丁)と、685km/h(高度6500m)の速度性能で、ドイツの空の守りと期待されました。しかしながらその部隊配備は1944年10月以降と遅れ、また生産数が700機程度と少なかったこと、熟練搭乗員を全く欠いていたこと、すでにMe262といった、ジェットエンジンの新鋭機が登場していたことなどから、目立った活躍を見せることなく終戦を迎えることとなります。
 それでも第二次世界大戦におけるレシプロ戦闘機の傑作機の一つであることには変わりなく、登場時期が遅きに失したことが悔やまれる飛行機であります。
 ちなみに本機の改良機が、テスト飛行中に2機のP-51D戦闘機と遭遇、この2機に勝る加速と速度性能で難を逃れたという伝説の機体、Ta152Hです。このとき操縦桿を握っていたのは、Fw190〜Ta152シリーズの開発主任技師であったクルト・タンク技師でした。


参考文献
グリーンアロー出版社 野原茂著 [図解]世界の軍用機史7「ドイツ空軍軍用機集1928-45」
デルタ出版社 ミリタリーエアクラフト00年9月号別冊「世界の戦闘機[2]」
大日本絵画 J.ウィール著 阿部孝一郎訳 世界の戦闘機エース9「ロシア戦線のフォッケウルフFw190エース」
イカロス出版 松崎豊一著 イカロスMOOK「1939-1945 第二次大戦 世界の戦闘機」
光栄 望月隆一編「航空機名鑑 1939〜45」


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