「CF-105」

 MATZを運営なさっている真魚さんより、対空絵画室10万ヒット記念に頂きました。

 真魚さんとこでおなじみの弓道さんこと霞織さんと、アブロ・カナダの幻の傑作機CF-105「アロー」の弓矢デュオを頂きました。背景の青に溶け込む淡い塗りが、春霞っぽくて綺麗ですね。どうもありがとうございました。


アブロ・カナダ CF-105「アロー」

 CF-105は、カナダが独自に開発した大型迎撃戦闘機です。無尾翼デルタの機体にJ75-P-5ターボジェットエンジン2基を収め、31トンにも及ぶ巨体でありながらマッハ2.3での飛行が可能でした。また速度性能を高めるため、全ての武装は胴体中央のウェポンベイに搭載することとし、AIM-7「スパロー」であれば4発、AIM-4「ファルコン」であれば8発を装備可能でした。なお当時のトレンドに従い、固定武装は装備しておりませんでした。
 イギリスがようやくマッハ2級戦闘機であるE.E.ライトニングを初飛行させた年に、後のマクドネル・ダグラス(現ボーイング)F-15「イーグル」を上回る、巨大な高性能機を開発したことから、当時のカナダの航空産業の先進性をうかがい知ることができます。しかし旧宗主国がそうであったように、ミサイル万能・戦闘機不要論の台頭と財政圧迫から、原型機が初飛行した1958年3月からわずか1年後の1959年2月、開発の中止が決定されてしまいます。
 これ以降、カナダ自国開発の戦闘機は、二度と空を舞うことはなかったのです。

参考文献
文林堂刊 野原茂著 世界の傑作機別冊「世界のジェット戦闘機 P-80からF-22まで」


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