Round.3 サンマリノグランプリ
09.Apr.2000 : アウトドローモ・エンツォ・ディノ・フェラーリサーキット


◇予選グリッド

 マクラーレン・ハッキネンが3戦連続となるポールポジションを獲得しました。2位には、今シーズン初のフロントローとなるフェラーリ・シューマッハー兄がつけます。ですがその差はわずか0.09秒。決勝でハッキネン断然有利とは言い切れない差でした。
 3位マクラーレン・クルサード、4位フェラーリ・バリチェロと、結局マクラーレンとフェラーリで3戦連続1、1列を独占してしまいます。5位はウィリアムズ・シューマッハー弟。BMWに復帰後初のシングルグリッドをプレゼントします。以下6位ジョーダ・フレンツェン、7位ジャガー・アーバイン、8位ジョーダン・トゥルーリ、9位BARホンダ・ビルヌーブ、10位ザウバー・ディニスとなります。


◇決勝

 フォーメーションラップで、プロスト・ハイドフェルドがスタートできず、ピットスタートとなった以外、決勝は大きな混乱なく始まりました。オープニングラップは、1位マクラーレン・ハッキネン、2位フェラーリ・シューマッハ兄、3位同じくバリチェロ、4位マクラーレン・クルサード、5位には好スタートを決め、9位からジャンプアップしたBARホンダ・ビルヌーブ、6位ジョーダン・フレンツェンというオーダーでした。
 レースは序盤から、ハッキネンとシューマッハー兄の一騎打ちの様相で進んでいきます。ハッキネンとシューマッハー兄は、互いにファステストラップを出し合い、数秒差で周回を重ねます。一方3位バリチェロ以下は、バリチェロのペースがあがらないこともあり、1周につき1秒以上のペースでおいていかれます。そして給油作業一番目となるプロスト・アレジがピットインした20周目には、既に30秒以上の差が生まれていたのです。
 27周目、トップを走るハッキネンとシューマッハー兄が、同一タイミングでピット作業を行います。シューマッハー兄の静止時間9.9秒に対し、僅か7.6秒でピットを後にしたハッキネンがトップを守り、周回に復帰します。
 1回目のピット作業がだいたい終了した36周目、オーダーは1位ハッキネン、2位シューマッハー兄、3位バリチェロ、4位クルサード、5位ビルヌーブ、6位シューマッハー弟となります。
 しばらくこの隊列で周回が進み、40周目を超えた辺り、2回目のピットストップが始まります。今回のレースでは、この2回目のピットストップで、多くのドラマが見られました。まずは45周目、トップハッキネンがピット作業を行います。その直後、7位を争っていたジョーダン・トゥルーリとジャガー・アーバインが同時にピットイン、僅差で作業を早く終えたトゥルーリがアーバインを抑えてレースに復帰します。また3位を争っていたバリチェロとクルサードも同時にピットイン、ピットアウトの際、やや強引にバリチェロの前に割って入ったクルサードが3位を奪います。そして圧巻がシューマッハー兄。ハッキネンのピットインの後、渾身のアタックを繰り返し、またピットも6.2秒の短時間でコースに復帰させ、ついにハッキネンの前に出ることに成功します。
 その後、ハッキネンも懸命の追走を行いますが、結局1秒強追いつかず、レース終了となります。
 結果は1位シューマッハー兄、2位ハッキネン、3位クルサード、4位バリチェロ、5位ビルヌーブ、6位ザウバー・サロとなりました。


◇感想

 シューマッハー兄の3連勝。これには見ている方もびっくりでした。まさかこれほどにスピードがあるとは・・・。ですがようやくマクラーレンも2台そろっての完走。信頼性は確実にアップしているようです。ちょっと問題が深いのがジョーダンでしょうか。4周目に早々とリタイヤしたフレンツェン、完走目前の60周目にリタイヤしたトゥルーリと、どうもギアボックスや油圧系のトラブルが絶えないようです。ジャガーはアーバインの手によって、初めての完走を果たしていますが、ポイント圏外の7位では・・・。やはり昨シーズンを”荒らした”この2チームが暴れてくれないと、レースが単調になってしまいますね。


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