Round.4 イギリスグランプリ
23.Apr.2000 : シルバーストーンサーキット


◇予選グリッド

 ウエットコンディションから始まったイギリスGPの予選、ポールポジションを射止めたのは伏兵フェラーリ・バリチェロ。自身3回目となるポールの獲得でした。2位には無限ホンダの新スペックエンジン投入効果かジョーダン・フレンツェンが、3位にようやくマクラーレン・ハッキネン、4位に同クルサードがつけます。5位に沈んだのはフェラーリ・シューマッハー兄。ルーキーのウィリアムズ・バトンは、地元グランプリで6位スタートと好位置につけます。7位は僚友シューマッハー弟、8位アロウズ・フェルスタッペン、9位ジャガー・アーバイン、10位BARホンダ・ビルヌーブのトップ10でした。


◇決勝

 大きな混乱なく始まった決勝、フェラーリ・バリチェロ、ジョーダン・フレンツェンは無難なスタートを切ります。一方のマクラーレン勢は、ややスピードが乗りません。それでも予選順位をなんとかキープする事に成功します。ですがマクラーレンのミスに祟られたのがフェラーリ・シューマッハー。マクラーレン2台にいく手を阻まれ芝上にタイヤを落としてしまい、8位まで順位を落としてしまいます。逆に好スタートを決めたのがBARホンダ・ビルヌーブ。10位から6位へのジャンプアップに成功します。フォーメーションラップを制したのはバリチェロ、次いでフレンツェンが続きます。地元ウィリアムズ・バトンはマクラーレン2台に続く5位につけ、入賞への期待が高まります。
 2周目、早くもレースが動きます。まずマクラーレン・クルサードが僚友ハッキネンを抜き3位に、またウィリアムズ・シューマッハー弟が、ビルヌーブをハンガーストレートで綺麗に抜いて6位にあがります。
 その後1〜6位は4〜5秒差で周回を重ねまずが、7位ビルヌーブが遅れ始めます。そのあおりを受けて、8位シューマッハーのペースもあがりません。13周目には1位バリチェロとの差が17秒にも広がってしまい、開幕4連勝に赤信号がともります。
 15周目、ベネトン・ブルツが初めてのピットインを行い、2ストップ作戦をとるチームの動きがあわただしくなってきます。24周目には2位のフレンツェンがピットへ。こうして前が開いたクルサードはすかさずバリチェロとの差を縮めます。そして31周目、ついにバリチェロをかわしてトップに立ちます。またこの頃になると、1ストップ作戦のチームもピット作業に入ります。まずはハッキネンが、次いでクルサード、ビルヌーブとピット作業を行います。クルサードピット作業により、暫定首位に戻ったバリチェロでしたが、35周目油圧トラブルから単独スピン、そのままガレージへ直行しレースを終えてしまいます。
 38周目にようやく1回目のピット作業を終えたシューマッハーが周回に戻った時、暫定順位は1位フレンツェン、2位クルサード、3位シューマッハー弟、4位バトン、5位ハッキネン、6位シューマッハー兄となっていました。そのフレンツェンは43周目に2回目のピット作業を行い、4位で周回に復帰します。次いでバトン、シューマッハー弟もピット作業を行い、順位を落とします。結局各チームのピット作業が完了した時点での順位は、1位クルサード、2位ハッキネン、3位シューマッハー兄、4位フレンツェン、5位シューマッハー弟、6位バトンでした。が、ラスト4周を残すのみの56周目、4位フレンツェンと7位ビルヌーブが相次いでリタイヤし、6位にジョーダン・トゥルーリがあがります。
 ラスト3周はこのオーダーですすみ、クルサードが今期初勝利を納めました。開幕4連勝はなりませんでしたが、シューマッハー兄も表彰台を獲得します。


◇感想

 ハッキネンの4連続ポールを阻止したのはフェラーリ。シューマッハー兄の連続優勝を阻止したのはマクラーレン。しかしドライバーは、どちらもセカンドドライバーと称されていたバリチェロとクルサード。この2人がファーストドライバーに匹敵する速さを見せたことは、今後のレース展開上なかなか有意義なことだと思います。少なくともシューマッハー兄の独走で、チャンピオンシップが終わるとはなさそうです。


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