Round.5 スペイングランプリ
07.May.2000 : サーキット・デ・カタロニア
◇予選グリッド
全長1キロを超えるホームストレート、中高速コーナーのインフィールド、バンピーな路面・・・。カタロニアサーキットは、車の総合力が求められる難コースとして有名です。この難コースでの予選を制したのは、今期初ポールとなるフェラーリ・シューマッハー兄。ラスト周回での猛追が実り、2位にはマクラーレン・ハッキネンがつけます。3位にはフェラーリ・バリチェロがつけ、フェラーリの好調な仕上がりを強調していました。マクラーレン・クルサードは、飛行機事故の影響など感じさせない走りで、4位に来ます。以下5位ウィリアムズ・シューマッハー弟、6位BARホンダ・ビルヌーブ、7位ジョーダン・トゥルーリ、8位ジョーダン・フレンツェン、9位アロウズ・デ・ラ・ロサ、10位ジャガー・アーバインの順となります。
なお、母国グランプリのデ・ラ・ロサでしたが、燃料規定違反から予選タイムが失効、最後尾スタートとなってしまいます。
◇決勝
スタートでは、ウィリアムズ・シューマッハー弟が好スタートを決め、5位から3位にジャンプアップ、2位のマクラーレン・ハッキネンと並びかけますが、ここはかろうじてハッキネンがシューマッハー弟を押さえ込むことに成功します。結果、1位フェラーリ・シューマッハー兄、2位ハッキネン、3位シューマッハー弟、4位マクラーレン・クルサード、5位BARホンダ・ビルヌーブ、以下ジョーダン・フレンツェン、同じくトゥルーリ、ウィリアムズ・バトン、ザウバー・サロのトップ10でオープニングラップを終えます。その後方では、早くもリタイヤがでます。まず1周目ザウバー・ディニスがコースオフ、そのままリタイヤとなり、2周目にはアロウズ・デ・ラ・ロサとプロスト・アレジが接触、リタイヤしてしまいます。デ・ラ・ロサは母国グランプリでしたが、僅か1周でレースを終わることとなってしまいました。
レースは典型的な2ストップ戦略で動きます。まずは18周目、ベネトン・ブルツを筆頭に、1回目のピット作業が行われます。上位陣では23周目にシューマッハー弟、24周目にシューマッハー兄とクルサード、25周目にバリチェロ、そして26周目にハッキネンとピット作業をします。ですがクルサードはクラッチミートで若干トラブル、3秒ほどよけいな制止時間をかけてしまいます。またシューマッハー兄は、ピットアウトにて給油マンを引っかけるトラブル。これによりフェラーリ給油マンは足を骨折してしまいます。 1回目のピット作業後の順位は、1位シューマッハー兄、2位ハッキネン、3位シューマッハー弟、4位バリチェロ、5位クルサード、6位フレンツェンとなります。
そのままの順位で周回を続けた38周目、若干早めですがブルツが再び先陣を切ってピットストップ、ここから2回目のピット作業が始まります。そして40周目、同時にピットインした1位シューマッハ兄と2位ハッキネンでしたが、給油管が給油口にはまらないトラブルで17秒以上の制止を強いられたシューマッハー兄は、ハッキネンにトップの座を奪われてしまいます。しかもその後、フロントタイヤのパンクに見回れ、47周目にはクルサードにまで先行を許します。そして50周目、4位シューマッハー弟が兄に襲いかかります。直線からコーナーへとサイド・バイ・サイドで飛び込んだ2台でしたが、両者譲らず次のコーナー、また次のコーナーと、並列走行が続きます。その間をついて、インから5位バリチェロが鮮やかに2台をパス、3位に順位を上げます。その直後、シューマッハー兄は対や交換のため再度ピットへと向かいます。
しかしここから後を追うには、マクラーレンの2台は離れ過ぎていました。すでにイージーのボードが出されていたハッキネンはミスなく走りきり、今期初優勝を果たすことになりました。2位にはクルサード、3位バリチェロ、4位シューマッハー弟、5位シューマッハー兄、6位フレンツェンの順でレースを終えます。
◇感想
ハッキネンが今期初勝利。これでようやく舞台に上がったハッキネンですが、シューマッハー兄とのポイント差は14ポイント。連勝できるかできないかでポイント差が大きく変わるため、次回ヨーロッパグランプリは、前半戦の天王山となることでしょう。レースを面白くするため、ここは一つハッキネンに踏ん張ってもらいたいのですが・・・昨年は雨のレース、制したのはスチュワート・ハーバートでした。ですから荒れないとも言い切れないのですよね、ニュルブルクリンクは(笑)。