Round.7 モナコ
04.Jun.2000 :モンテカルロ市街地コース
◇予選グリッド
ポールをとったには、今期2度目のフェラーリ・シューマッハー兄。2位には伏兵ジョーダン・トゥルーリがつけます。トゥルーリはGP参戦してから初のフロントロースタートとなります。3位はマクラーレン・クルサード、4位にはジョーダン・フレンツェンがつけます。ジョーダン勢は好調で、トゥルーリの2位がフラグでないことを示す結果となりました。5位にはようやくマクラーレン・ハッキネンが入り、6位にフェラーリ・バリチェロが続きます。以下7位プロスト・アレジ、8位ベネトン・フィジケラ、9位ウィリアムズ・シューマッハー弟、10位ジャガー・アーバインとなりました。
◇決勝
モナコの決勝は、2回にわたるスタート延期から始まりました。まず1回目はフォーメーションラップ終了後、ベネトン・ブルツのマシンにトラブルが発生、黄旗再スタートとなります。2回目はスタート直後に赤旗中断。これは計測装置(テレメトリーシステム)の故障とのこと。3回目のスタートで、ようやくレースが始まります。ウィリアムズ・シューマッハー弟が好スタートを決め、9位から6位へジャンプアップします。逆にフェラーリ。バリチェロは6位から8位に順位を下げます。その他上位陣には順位の変動がなく、1位フェラーリ・シューマッハー兄、2位ジョーダン・トゥルーリ、3位マクラーレン・クルサード、4位ジョーダン・フレンツェン、5位マクラーレン・ハッキネン、6位シューマッハー弟、7位プロスト・アレジ、8位バリチェロ、9位ベネトン・フィジケラ、10位ジャガー・ハーバートの順で、コントロールタワーに戻ってきます。
序盤・中盤は、1位シューマッハー兄の独り舞台でした。1周につき、2位トゥルーリとの差を1秒弱づつ引き離し、十分なピットストップマージンを稼ぎます。逆に苦しいのはマクラーレン。クルサードがトゥルーリに、ハッキネンがフレンツェンに押さえ込まれる形となり、抜きにくいコース特性と相まって、厳しい周回を重ねます。そうしているうち、37周目ハッキネンが突如スローダウン、ピットへと向かいます。ピットで早めの給油と調整を済ませたハッキネンは、前方がクリアになったこともあり、40周目ファステストラップを叩き出します。なお36周目、2位走行中のトゥルーリがスローダウン、リタイヤとなってしまいます。また38周目にはシューマッハー弟が1コーナーでクラッシュ、自らマシンを降りるも足から出血が見られ、最後には担架で運ばれる事態となります。この時点での順位は、1位シューマッハー兄、2位クルサード、3位フレンツェン、4位バリチェロ、5位フィジケラ、6位ジャガー・アーバイン、7位ザウバー・サロ、8位BARホンダ・ビルヌーブ、9位ハッキネン、10位BARホンダ・ゾンタとなります。
周回も50周を越えると、ようやく上位陣のピット作業が始まります。50周目シューマッハー兄がピット作業をおえ、トップで周回に復帰します。54周にはフレンツェンとバリチェロが同時ピットイン、若干早く作業を終えたバリチェロでしたが、フレンツェンも譲らず、結局順位は変わりませんでした。56周目、トップを独走していたシューマッハー兄が、リアサスペンションの破損からまさかのスローダウン、かろうじてピットにたどり着くことはできましたが、そこで無念のリタイヤとなります。これをみて57周目、トップに躍り出たクルサードがピットイン、そつなく作業をこなし周回に復帰します。これで安定したかに見えた順位でしたが、ラスト7周の71周目、2位走行中のフレンツェンが1コーナーでオーバーラン、ガードレールにタイヤをぶつけレースを終えます。
78周のサバイバルレース、制したのは、モナコ初優勝のクルサードでした。以下2位にはバリチェロ、3位フィジケラ、4位ジャガー初ポイントとなるアーバイン、5位サロ、6位ようやくポイントに手が届いたハッキネンとの結果になりました。
◇感想
2000年レースは、ポールシッダーが勝てないという、摩訶不思議な展開になっています。シューマッハーも、今期初となるリタイヤを喫し、ハッキネンは1ポイント獲得するのが精一杯。ここでチャンピオンシップに名乗りを上げたのがクルサード。今年の展開は、シューマッハーをマクラーレンの2人が追う展開となりそうです。クルサードとハッキネンの点の取り合いが、今後のチャンピオンシップをどのように演出していくのか、ようやく面白くなってきました。