Round.9 フランス
02.Jul.2000 :サーキット・デ・マニクール


◇予選グリッド

 ポールは3戦連続となるフェラーリ・シューマッハー兄。2位にはマクラーレン・クルサードがつけます。3位はフェラーリ・バリチェロ、4位マクラーレン・ハッキネンとなり、1〜4位が前戦カナダと同じ顔ぶれ、同じ順位をなります。その2強に次ぐ位置・5位につけたのはウィリアムズ・シューマッハー弟。6位には、ブラジル以来のトップ6入りであるジャガー・アーバインがつけます。以下7位BARホンダ・ビルヌーブ、8位ジョーダン・フレンツェン、9位ジョーダン・トゥルーリ、10位ウィリアムズ・バトンとなります。


◇決勝

 スタートではややマクラーレン・クルサードが遅れ、1位フェラーリ・シューマッハー兄、2位同バリチェロ、3位マクラーレン・クルサード、4位同ハッキネンの順で第1コーナーを駆け抜けます。また相変わらずの好スタートで、BARホンダ・ビルヌーブが7位より5位に順位を上げました。またザウバー・サロも12位から9位とジャンプアップに成功しています。逆にスタートに失敗したのがウィリアムズ・シューマッハー弟とジャガー・アーバインで、シューマッハー弟は5位から7位へ、アーバインに至っては6位から10位へ順位を下げます。
 オープニングラップが終了し、1位シューマッハー兄、2位バリチェロ、3位クルサード、4位ハッキネン、5位ビルヌーブ、6位ジョーダン・フレンツェン、7位シューマッハー弟、8位ジョーダン・トゥルーリ、9位サロ、10アーバインの順となります。
 ここからは1位シューマッハー兄が逃げ、2位バリチェロが以下を押さえる展開となります。しかしこのレースでのクルサードは気合いが入っていました。10周目あたりからバリチェロの後ろへつけ、隙あらばとプレッシャーをかけ続けます。そして22周目、アデレードヘアピンの飛び込みで、一度インに振ってフェイントをかけ、次にアウトからのオーバーテイクを見せます。そしてコーナーからの加速でバリチェロを振り切り、2位に順位をあげます。
 27周目、クルサードとバリチェロは同時にピットイン、ピット作業で再逆転を狙ったフェラーリでしたが、そのままの順位で給油を終えます。そしてバックマーカーに捕まり始めたシューマッハー兄を追いかけます。34周目にはゴルフストレートでクルサードが仕掛け、アデレードまでサイド・バイ・サイドのバトルとなりますが、巧みにインをふさいだシューマッハー兄に軍配があがります。しかし40周目、ついにアデレードでクルサードがシューマッハー兄を抜き、1位に順位を上げます。
 2回目のピットストップが完了した58周時点で、1位クルサード、2位シューマッハー兄、3位 ハッキネン、4位バリチェロ、5位ビルヌーブ、6位シューマッハー弟、7位トゥルーリ、8位フレンツェン、9位バトン、10位ベネトン・フィジケラの順となります。
 このままの順位でチェッカーか?と思わせた59周目、ハッキネンを抑えていたシューマッハー兄 に異変が起きます。アデレードで挙動を乱し、ハッキネンに先行されるのです。その後スローダウンしたシューマッハー兄は、そのままレースを終えます。
 結局このトラブルの後、大きな順位変動はなく、1位クルサード、2位ハッキネン、3位バリチェロ、4位ビルヌーブ、5位シューマッハー弟、6位トゥルーリの順でチェッカーとなります。


◇感想

 シューマッハー兄のチャンピオンシップに”待った”をかけたのは、おおかたの予想を裏切りクルサードとなりました。しかし今回のレースの内容は、それを納得させるに足る内容だったと思います。特に2強の戦いにおいては、順位はピット戦略により決まることが多い傾向にあります。しかし今レースでは、コース上でオーバーテイクを繰り返し、順位を上げていくという、モーターレースならでわの、そして観客が最もわかりやすい形での順位交代となりました。それ故に、クルサード強しの印象が深く残ったレースとなりました(今回のレビューが、クルサード中心で書いているのは、そのためです)。
 久々にF1を見た気分にさせてくれた、クルサードの走りでした。


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