Round.10 オーストリア
16.Jul.2000 :A-1リンク


◇予選グリッド

 ポールを獲ったのは、7戦ぶりになるマクラーレン・ハッキネン。今年のチャンピオン争いから1歩後退している、昨年のチャンピオンの意地でしょうか。2位は好調を維持しているマクラーレン・クルサード、3位はフェラーリ・バリチェロでした。4位にようやくフェラーリ・シューマッハー兄、マシンセッティングが決まらず、不本意と言っても良いポジションでしょう。
 以下、5位ジョーダン・トゥルーリ、6位BARホンダ・ゾンタ、7位同ビルヌーブ、8位ベネトン・フィジケラ、9位ザウバー・サロ、10位アロウズ・フェルスタッペンの上位となります。
 なおジャガー・アーバインですが、盲腸炎のため欠場、代役としてテストドライバーのルチアーノ・ブルティーが出走することとなります。


◇決勝

 レースは大波乱の幕開けとなります。マクラーレンの2台が好スタートを決め、順調に加速していったのに対し、フェラーリはバリチェロの加速が鈍く、シューマッハー兄が行き場を失いかけます。そして第1コーナー、並んでコーナーインしようとしたバリチェロとシューマッハー兄に、ジョーダン・トゥルーリ、BARホンダ・ゾンタが追突してしまうのです。バリチェロはエスケープゾーンへ逃げ、何とか周回に戻れますが、シューマッハー兄はたまらずスピン、そこへトゥルーリが突っ込んできます。
 結局黄旗、セフティーカーによる周回となりますが、シューマッハー兄、トゥルーリらは、ここでレースを終えてしまいます。
 3周目、セフティーカーの先導が外れ、レース再開となります。ここまでの順位は、1位マクラーレン・ハッキネン、2位同クルサード、3位ザウバー・サロ、4位アロウズ・デ・ラ・ロサ、5位アロウズ・フェルスタッペン、6位ジャガー・ハーバートとなり、予選順位が見事にシャッフルされる結果となります。
 順調に逃げるマクラーレンの2台に対し、8位までドロップしたバリチェロは、前を行く車をパスして行かなければならないハンデを負ってしまいます。それでも周回を重ねる毎に一台一台とパスしていき、8周目にはサロをパスし4位まで浮上します。しかしマクラーレンの2台は30秒以上も前方を走っている状況では、これ以上の追撃は難しいところです。
 31周目、3位を走行中のデ・ラ・ロサがエンジンから白煙を引き、33周を終えた時点でピットへ入りリタイヤとなります。その結果バリチェロが3位へと上がりますが、結局ここまででした。ハッキネンは36周目にピットストップを行い、このためクルサードに1位を譲ったものの、クルサードがピット作業を行う42周目に1位へ復帰、またクルサードも余裕をもって2位で周回に復帰し、ここに大勢が決定しました。  結局序盤の混乱に巻き込まれなかったハッキネン・クルサードが今期3回目の1-2フィニッシュを決めます。以下3位バリチェロ、4位BARホンダ・ビルヌーブ、5位ウィリアムズ・バトン、6位ザウバー・サロのトップ6でレースを終えます。


◇感想

 風はマクラーレン。そんな感じのレースでした。1周目の事故といい、ここ2戦シューマッハー兄には運がありません。これでドライバーズポイントはシューマッハー兄56ポイント、クルサード50ポイント、ハッキネン48ポイントと急接近。またまたタイトルの行方が混沌としてきました。昨年同様ポイントトップを独走する選手を、そう簡単には勝たせてくれない流れができているのでしょうか。そう言えば昨年も、ここA-1リンクでアーバインが優勝し、ハッキネン独走に待ったをかけたのですよね。


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