Round.15 アメリカ
24.Sep.2000 :インディアナポリス・モーター・スピードウェー


◇予選グリッド

 ポールを獲ったのは前戦ポールtoウィンを飾り、調子を上げているフェラーリ・シューマッハー兄。次いでマクラーレン・クルサードとハッキネンがつけます。4位はフェラーリ・バリチェロが付け、2列目までを2強が占めます。5位にはジョーダン・トゥルーリが入ります。予選で良い位置に着けても、決勝でトラブルに巻き込まれるレースが続いているので、ここはきっちり結果を残したい所でしょう。6位は好調のウィリアムズ・バトン、7位ジョーダン・フレンツェン、8位BARホンダ・ビルヌーブ、9位ザウバー・ディニス、10位ウィリアムズ・シューマッハー弟となります。


◇決勝

 レースはセミウエットの状態で始まります。ジャガー・ハーバートのみがドライタイヤをチョイス、残る車はソフトレインをチョイスします。スタートは、ローリングスタートの可能性もありましたが、レース前に雨が止んだため、通常のスタンディングスタートとなります。このスタートで、大きなミスを犯したのはマクラーレン・クルサード。レッドシグナルが消える直前、車を動かしてしまいます。結局フェラーリ・シューマッハー兄を抑えて、暫定トップでオープニングラップを終了しましたが、9周目フライングでペナルティーストップとなり優勝戦線から脱落します。
 7周目あたりから、路面の状態がドライに近くなり、タイヤ交換をするチームが増え始めます。早めの交換に出たチームはプロストやマクラーレン、一方フェラーリ、ミナルディーあたりは、ぎりぎりまでタイヤ交換を送らせます。その間、ドライタイヤでレースを開始したハーバートが順調に順位を上げ、シューマッハー兄がピットインした19周目、ついに入賞圏内に入り込みます。この時点での順位は、1位シューマッハー兄、2位マクラーレン・ハッキネン、3位ウィリアムズ・シューマッハー弟、4位ジョーダン・フレンツェン、5位アロウズ・フェルスタッペン、6位ハーバート、7位BARホンダ・ビルヌーブ、8位フェラーリ・バリチェロ、9位ザウバー・ディニス、10位ジャガー・アーバインとなります。
 レコードラインが完全に乾いた20周前後から、2位ハッキネンの猛追が始まります。それまで30秒近くあったタイム差を、毎周0.5〜1秒づつ縮めるスーパーラップを重ねます。しかし26周目、このペースにメルセデスエンジンが悲鳴を上げます。ハッキネンのエンジンがブロー、右リアから火を吹きます。何とかピットレーンまで車を持ってきますが、結局ピットに入る直前でストップ、ここでハッキネンはリタイヤとなります。
 これで楽になったシューマッハー兄、50周目のピット作業も難なくこなし、余裕の走りで周回を重ねます。またシューマッハー弟がニューマチックバルブトラブルにより戦列を離れたため、3位に上がっていたバリチェロは、52周目のピット作業でフレンツェンをパス、フェラーリの1-2体勢がなります。終盤の注目は3位表彰台を賭けたフレンツェンとビルヌーブのバトルでした。ストレートエンドにて、何回かオーバーテイクを仕掛けようとするビルヌーブ。一度は完全にブレーキを遅らせ、強引にパスを試みますが、減速できずにオーバーラン、結局順位を変えることができませんでした。
 初開催となったインディアナポリス。このコースを制したのはシューマッハー兄となりました。2位はバリチェロ、3位フレンツェン、4位ビルヌーブ、5位クルサード、6位BARホンダ・ゾンタのリザルトとなりました。


◇感想

 シューマッハー兄が勝ち、これでハッキネンに8ポイントの差をつけて、ドライバーズポイント1位に返り咲きました。次戦は鈴鹿。ここでシューマッハーが優勝したならタイトル決定です。そうならないためには、ハッキネンは優勝するしかありません。もちろんシューマッハーより前でゴールできれば、最終戦マレーシアまでタイトル争いを持ち越すことができますが、相手のノーポイントが前提になるためかなり苦しくなります。そう考えると、今回ノーポイントに終わったハッキネンにとって、痛すぎるマシントラブルだったと思えます。


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