Round.16 日本
08.Oct.2000 :鈴鹿サーキット・国際レーシングコース


◇予選グリッド

 ポールポジションは、前戦アメリカに続きフェラーリ・シューマッハー兄がとります。2位にはマクラーレン・ハッキネンがつけ、否応なしにタイトル争奪戦の様相を呈しています。3位マクラーレン・クルサード、4位フェラーリ・バリチェロと、バックアップ体勢にもぬかりはありません。以下5位ウィリアムズ・バトン、6位同・シューマッハー弟、7位ジャガー・アーバイン、8位ジョーダン・フレンツェン、9位BARホンダ・ビルヌーブ、10位ジャガー・ハーバートの順で決勝を迎えることとなります。


◇決勝

 レースは小雨がぱらつく、しかしコンディションはドライという状況で始まります。スタート直前に、マクラーレン・ハッキネンのマシン後方から白煙がうっすらと上がるアクシデントがありましたが、そのままスタートとなります。フェラーリ・シューマッハー兄とハッキネンが好スタートを決めますが、加速で勝るハッキネンがシューマッハー兄のブロックをかわし、1番手で第一コーナーへ駆け込みます。また後方でもトラブル発生などなく、無事にオープニングラップを終了します。この時の順位は、1位ハッキネン、2位シューマッハー兄、3位マクラーレン・クルサード、4位ウィリアムズ・シューマッハー弟、5位ジャガー・アーバイン、6位フェラーリ・バリチェロとなります。
 この後、ハッキネンとシューマッハー兄の一騎打ちが続きます。1秒から2秒の差で周回を重ねるハッキネンとシューマッハー兄。1分40秒台で周回を重ねるこの2人のペースに、3位以下は誰も付いていくことができません。14周目、ザウバー・ディニスのピットインを皮切りに、1回目の給油・タイヤ交換が始まります。上位では16周目バトン、17周目ジャガー・アーバイン、20周目シューマッハー弟とピット作業を行いますが、この時点で1位2位の二人には動きは見られません。21周目プロスト・アレジが単独スピン、コース上にマシンを止めてしまいます。これによりセフティーカーがスタンバイしますが、マシンの除去を素早く行うことができ、結局セフティーカーの導入はありませんでした。
 結局23周目にハッキネンが、24周目にシューマッハー兄がピット作業を行います。が、ここで順位は変わらず、再び1位ハッキネン、2位シューマッハー兄の順で周回が続きます。ピット作業が一段落した25周目、順位は1位ハッキネン、2位シューマッハー兄、3位クルサード、4位バリチェロ、5位シューマッハー弟、6位バトンとなります。
 次にレースが動いたのは30周目あたりでした。雨粒が次第に大きくなり、ハッキネンの周回ペースが落ちます。そこをすかさずシューマッハー兄が詰めて、その差を2秒から1秒にします。その後数周にわたり1秒をちょっと切るあたりでの攻防が続きます。39周目、ハッキネンが2回目のピット作業を行います。ここで暫定トップに立ったシューマッハーは、ペースを上げピット作業での逆転を狙います。41周目にピットインしたシューマッハーを、ピットクルーは6秒のタイムで送り出したこともあり、ついにハッキネンの前で周回に戻る事に成功します。以後13周にわたりトップを守ったシューマッハー兄が優勝し、ここに自身5年ぶり3度目の、フェラーリに至ってはジョディー・シェクター以来21年ぶりのドライバーズタイトルを決定しました。
 2位以下ハッキネン、クルサード、バリチェロ、バトン、BARホンダ・ビルヌーブのトップ6となります。


◇感想

 小雨がぱらつき、マシンが横滑りを起こす中、見事なマシンコントロールと集中力で、ハッキネンを下しトップを奪ったシューマッハー兄。今回のレースでは、シューマッハーの巧さが光りましたね。ドライであれば速いハッキネンでしたが、元来の慎重な性格のせいでしょうか、ウエットでは攻めきれない傾向がありますよね。その隙をついて見事に逆転優勝を飾ったシューマッハーに、そして21年ぶりに念願のドライバーズタイトルを得たマラネロの戦士達に、惜しみない拍手を送りましょう。
 最終戦マレーシア。ここでコンストラクターズのタイトルが決まります。まだF1は熱い!!


[ Back ]