Round.17 マレーシア
22.Oct.2000 :セパンサーキット


◇予選グリッド

 ポールポジションは、3戦連続となるフェラーリ・シューマッハー兄。2位にはマクラーレン・ハッキネンがぴたりと付け、3位はマクラーレン・クルサード、4位はフェラーリ・バリチェロと、今期を象徴する最前列・2列目となります。
 5位は今期限りでベネトンを去るブルツ。最後に今期ベストグリッドをチームにもたらしました。6位BARホンダ・ビルヌーブ、7位ジャガー・アーバイン、8位ウィリアムズ・シューマッハー弟、9位ジョーダン・トゥルーリ、10位ジョーダン・フレンツェンというトップ10になります。

◇決勝

 スタート。いつも通りのダッシュを見せたマクラーレン・ハッキネンが、ブロックするフェラーリ・シューマッハー兄の寄せをかわしてトップで1コーナーへ飛び込みます。さらに外側から猛然とダッシュしたマクラーレン・クルサードが、半歩シューマッハー兄をかわし、ハッキネンに続き1コーナーから出てきます。しかし中盤でクラッシュが発生、プロスト・ハイドフェルドとアロウズ・デ・ラ・ロサが絡んでしまいます。このため3周目までセフティーカーが導入されます。
 レース再開の3周目、1位のハッキネンが突如スローダウン、シューマッハー兄、フェラーリ・バリチェロに抜かれ、4位にドロップしてしまいます。その後ペースを戻すことができますが、追い打ちをかけるかの如く、スタートのフライング判定が下ります。このため5周目に10秒のペナルティーストップとなり、最下位まで転落してしまいます。
 この時点での順位は1位クルサード、2位シューマッハー兄、3位バリチェロ、4位ベネトン・ブルツ、5位BARホンダ・ビルヌーブ、6位ジャガー・アーバイン、7位BARホンダ・ゾンタ、8位ジャガー・ハーバート、9位ザウバー・サロ、10位ウィリアムズ・バトンとなります。
 このオーダーが崩れたのは18周目、トップのクルサードが1回目のピット作業を行い、6位でレースに復帰します。次いで20周目アーバイン、21周目ブルツ、23周目ビルヌーブ、24周目シューマッハー兄、25周目バリチェロとピット作業を行います。この結果25周目終了時点での順位は、1位シューマッハー兄、2位クルサード、3位バリチェロ、4位ハーバート、5位アロウズ・フェルスタッペン、6位ブルツとなります。なおこの時点でハッキネンは8位にまで順位を回復しています。なおハーバート、フェルスタッペン、ハッキネンはピット作業未であり、それぞれ29周目、30周目、36周目に1回目の、そして最後のピット作業を行います。
 31周目、このレース一番のオーバーテイクシーンが見れます。5位ビルヌーブに6位ハッキネンが仕掛け、T14でハッキネンがインをつきます。がビルヌーブも譲らずサイドバイサイドでコーナーを立ち上がり、バックストレートを駆け抜けます。T15(最終コーナー)へのブレーキング勝負ではビルヌーブが先手を取りますが、オーバースピードでラインを膨らませてしまいます。その隙をついてハッキネンがビルヌーブをパス、見事5位へ順位を上げます。
 36周目、ハッキネンが1回目ピット作業を行うのと同時に、2ストップ勢のピット作業も始まります。同周にブルツ、39周目にクルサードとビルヌーブ、40周目にシューマッハー兄、42周目にバリチェロと、それぞれピット作業を行います。この結果1位はシューマッハー兄、2位クルサード、3位バリチェロ、4位ハッキネン、5位ビルヌーブ、6位アーバインのオーダーとなります。
 50周目あたりから、クルサードのペースが上がり、1位シューマッハー兄との差が縮まってきます。最後の数周は、0.5秒から1秒差で周回しますが、シューマッハー兄は隙を見せることなくフィニッシュ、今期8勝目を上げドライバーズタイトルに加え、フェラーリのコンストラクターズタイトルも獲得します。


◇感想

 フェラーリ念願のダブルタイトル。今世紀最後のF1GPは、赤一色に染まり終わりました。悔しいですが、これが現実。トッド監督、バリチェロ、そしてシューマッハー、おめでとう。でもシューマッハーよ、レース後の会見まで赤いカツラをかぶるのはやめて欲しかった(笑)。
 今期でF1を去るジョニー・ハーバート、50周目の単独クラッシュで最後のレースを終えてしまいましたが、12年間お疲れさまでした。クラッシュの怪我が心配ですが・・・。


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