Round.1 オーストラリアグランプリ
04.Mar.2001 : アルバートパーク サーキット
◇予選グリッド
21世紀F1開幕戦。ポールを制したのは昨年の覇者、フェラーリ・シューマッハー兄でした。そして2位には僚友バリチェロ。鮮やかにフロントローをフェラーリが占めました。3位はマクラーレン・ハッキネン、4位はワークスホンダエンジンを得たジョーダン・フレンツェンがつけます。5位はミシュラン勢で最高位となるウィリアムズ・シューマッハー弟、6位はマクラーレン・クルサード、以下7位ジョーダン・トゥルーリ、8位BARホンダ・ビルヌーブ、9位同パニス、10位ザウバー・ハイドフェルドの順になります。注目のルーキー勢では、昨シーズンのカートチャンピオン、ウィリアムズ・モントヤは11位、ザウバー・ライコネンが13位と、その実力の片鱗を示します。一方のベテラン勢は、ジャガー・アーバインが12位、プロスト・アレジは14位と、中盤を占めるに留まりました。惨状はベネトン。バトン、フィジケラと16位、17位が精一杯でした。
◇決勝
大きな混乱もなく、無事にスタートを切った各車、途中ジャガー・アーバイン、ウィリアムズ・モントヤがコースオフするハプニングもありましたが、無事にオープニングラップを終わります。この段階で、1位フェラーリ・シューマッハー兄、2位マクラーレン・ハッキネン、3位ジョーダン・フレンツェン、4位ウィリアムズ・シューマッハー弟、5位フェラーリ・バリチェロ、6位ジョーダン・トゥルーリ、7位マクラーレン・クルサード、8位BARホンダ・ビルヌーブ、9位ザウバー・ハイドフェルド、10位BARホンダ・パニスのオーダーとなります。
2周目、シューマッハー弟がスローダウン、4位から7位へドロップしてしまいます。その結果4位に上がったバリチェロは、さらに上位を狙うべく、3位フレンツェンを抜きにかかります。コーナー入り口で強引にINをついたバリチェロでしたが、ドアを閉めたフレンツェンと接触、フレンツェンをはじき出してしまいます。たまらずスピンオフしたフレンツェンは、何とかレースには復帰できたものの、大きく順位を落としてしまいます。
5周目、今度はシューマッハー弟に、BARホンダ・ビルヌーブが追突、シューマッハー弟はリアウイングを失いスピン、一方のビルヌーブは大きく宙を舞い、激しく地面にたたきつけられます。この事故により、15週までの10週にわたり、セーフティーカーが導入されます。
セーフティーカーが退いた15周目、順位は1位シューマッハー兄、2位ハッキネン、3位バリチェロ、4位クルサード、5位トゥルーリ、6位パニスとなります。
1位シューマッハー兄、2位ハッキネンのオーダーで周回が進みますが、シューマッハー兄はファステストラップを更新しながら、徐々にハッキネンを引き離しにかかります。そして、その差が5秒以上開いた26周目、ハッキネンがまさかのクラッシュで戦列を離れます。これでフェラーリの1-2体勢となりましたが、それも長くは続きませんでした。一人残ったマクラーレン勢、クルサードが気を吐き、34周目バリチェロをかわし2位に上がります。37周、39周とシューマッハー、バリチェロの順でピット作業を終えますが、クルサードは41周まで給油を遅らせ、タイムを稼ぎます。その甲斐あってか2位をキープして周回に復帰します。この時点で1位シューマッハー兄、2位クルサード、3位バリチェロ、4位パニス、5位ハイドフェルド、6位フレンツェンのオーダーとなり、結局最後までこのオーダーは変わらず、開幕戦を終了します。
なおレース後、黄旗区間の追い越しで、パニスが+25秒のペナルティーを受け、7位に降格してしまいます。その結果、4位ハイドフェルド、5位フレンツェン、6位ザウバー・ライコネンのオーダーになります。
◇感想
フェラーリが強かった予選と本戦でした。とにかくシューマッハー兄は速い。そんな開幕戦でした。他のチームを見ると、去年のチャンピオンエンジン、フェラーリ049を積んだザウバーの健闘が目立ちます。パニス降格というラッキーもありましたが4位6位のダブル入賞。ハイドフェルドもようやくマシンに恵まれた感があり、彼の実力開花と行って欲しいものです。あとペーター・ザウバーが惚れたキミ・ライコネン。はじめてのF1、はじめてのコース、それで完走、しかもポイントゲットとは恐れ入ります。マシンの出来に加え、2人の有望なドライバーを擁したザウバー、昨年のアロウズのようにレースをかき回してくれる予感がします。
最後に、シューマッハー弟とビルヌーブの接触事故に巻き込まれて、コースマーシャルの方が命を落としました。心よりご冥福をお祈りいたします。