Round.3 ブラジルグランプリ
01.Apr.2001 : ホセ・カルロス・パーチェ サーキット


◇予選グリッド

 予選トップは、既に指定席となりつつあるフェラーリ・シューマッハー兄。ですが以下の順位には大きな変動がありました。躍進著しいウィリアムズが2-4位となったのです(2位シューマッハー弟、4位はモントヤ)。一方のマクラーレンは3位ハッキネン、5位クルサードと出遅れ気味の結果となりました。以下6位フェラーリ・バリチェロ、7位ジョーダン・トゥルーリ、8位同じくフレンツェン、9位ザウバー・ハイドフェルド、10位同じくライコネンとなります。好調なザウバーに対し、悲しいほど奮わないのがベネトン。18位フィジケラ、20位バトンと、もう目を覆うばかりです。


◇決勝

 波乱のスタート、そう言って差し障りない始まりでした。レッドシグナルが消える瞬間、事もあろうに3位マクラーレン・ハッキネンが両手を大きく振り、スタートできないジェスチャーをしたのです。このままハッキネンは0周リタイヤとなりましたが、割を食ったのが後方の車。ハッキネンを避けるため大きく隊列は崩れ、順位はバラバラとなってしまいます。またハッキネン車を除去するのに手間取り、セフティーカーが入ります。ここまでの順位は、1位フェラーリ・シューマッハー兄、2位ウィリアムス・モントヤ、3位マクラーレン・クルサード、4位ジョーダン・トゥルーリ、5位ウィリアムズ・シューマッハー弟、6位ジョーダン・フレンツェン、7位フェラーリ・バリチェロ、8位BARホンダ・ビルヌーブ、9位ザウバー・ハイドフェルド、10位同じくライコネンとなります。
 セフティーカーが抜けレース再開となったとき、2位モントヤがシューマッハー兄のインをつき、接触しながらも強引に抜き去ります。なお後方では、バリチェロがシューマッハー弟に追突、バリチェロは左フロントタイヤを失いスピンオフ、リタイヤとなります。あてられたシューマッハー弟は何とかピットまで帰りつき、4周遅れでレースに復帰しました。
 さて、モントヤに前に出られたシューマッハー兄でしたが、ウィリアムズのトップスピードが速いため、間を詰めることはできても抜くことはできません。そして25周目、シューマッハー兄は給油のためにピットインします。モントヤが栓になり十分なマージンを稼ぐ前に1回目の給油となってしまい、このことが後のレース結果に大きく関与するのです。
 36周目、トップで周回を重ねていたモントヤに、悲劇が訪れます。周回遅れのアロウズ・フェルスタッペンを抜いた直後、そのフェルスタッペンに追突されたのです。まるでシューマッハー弟にバリチェロが追突したことの再現でした。これにより両者リタイヤ。モントヤ初優勝の夢はこれで消えました。
 この結果労せずしてトップに出たのはクルサード。40周目の給油も難なくこなし、シューマッハー兄の前で周回に復帰する事ができます。これで順位は、1位クルサード、2位シューマッハー兄、3位トゥルーリ、4位フレンツェン、5位BARホンダ・パニス、6位ベネトン・フィジケラ(!)、7位ハイドフェルド、8位ライコネンとなります。
 ですがレースはこのまま終わりません。47周目、突如雨がコースを濡らし始めます。即動いたのはシューマッハー兄、ここでインターミディエイトに交換すると共に、2回目の給油も済ませてしまいます。逆にクルサードは大きくラップタイムを落としながら1周余計に周回し、48周目にタイヤ交換をした際にはシューマッハー兄に先行を許すこととなってしまいます。雨の見事な逆転。シューマッハー兄がこのまま逃げ切るか?と思わせた直後、事もあろうにシューマッハー兄が単独スピン、クルサードとの差がほとんどなくなってしまいます。そして50周目の1コーナー飛び込み、ミナルディー・マルケスを挟んでインを突いたクルサード、アウトに振ったシューマッハー兄、まるで昨年のスパの再現。コーナーを抜けたとき、トップにはクルサードが躍り出たのです。1位クルサード、2位シューマッハー兄、3位フレンツェン、4位ハイドフェルド、5位トゥルーリ、6位パニス、7位プロスト・アレジ、8位フィジケラ。この順でレースを終えるかに見えましたが、終盤、3位フレンツェンがスローダウン、またフィジケラがアレジをパスするなどなかなか順位が定まりません。そして71周のレースは、1位クルサード、2位シューマッハー兄、3位ハイドフェルド、4位パニス、5位トゥルーリ、6位フィジケラの順位で幕を閉じました。


◇感想

 久しぶりに面白いレースだったので、レビューも長めになってしまいました(笑)
 さて、今回のレース、主役は何と言ってもモントヤでしょう。接触しながらもシューマッハー兄を抜いていった姿には賛否両論あるでしょうが、その後36周にアクシデントでレースを去るまで33周にわたりラップリーダーを勤めたのは立派です。なにせ抑えた相手は帝王シューマッハーなのですから。
 それとハイドフェルド。自身初の表彰台、そしてザウバーに98年第13戦イギリスGP以来の表彰台(このときは3位にアレジが入りました)をゲットしました。若い2人により、今後のレースが面白くなる予感がします。
 ゴメン、クルサード。君の話はまた今度だ(爆)


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