Round.5 スペイングランプリ
29.Apr.2001 : サーキット・デ・カタロニア


◇予選グリッド

 予選一位につけたのは、今期4回目のポールとなるフェラーリ・シューマッハー兄。2位はマクラーレン・ハッキネン、3位は同クルサードがつけます。以下4位フェラーリ・バリチェロ、5位前回優勝のウィリアムズ・シューマッハー弟、6位ジョーダン・トゥルーリ、7位BARホンダ・ビルヌーブ、8位ジョーダン・フレンツェン、9位ザウバー・ライコネン、10位同じくハイドフェルドとなります。
 なお、今レースからジャガーのドライバーにデ・ラ・ロサが繰り上がり、ジャガーのブルティーは、プロストに移籍する事となりました。それに伴い、前レースまでプロストをドライブしていたマッツァカーネは、シートを失ってしまいました。


◇決勝

 フォーメーションラップにおいて、マクラーレン・クルサードがエンジンストール。そのため最後尾スタートとなってしまいます。
 スタートにおいて、ジョーダン・フレンツェンがストップするハプニングがありましたが、後続は巻き込まれることなく次々と第一コーナーに向かっていきます。フェラーリ・シューマッハー兄、マクラーレン・ハッキネン共に無難なスタートを切り、順位はそのままで第一コーナーを回ります。3位フェラーリ・バリチェロは若干スタートに失敗し、好スタートを切ったウィリアムズ・シューマッハー弟に並ばれますが、どうにか順位をキープする事ができました。6位にはウィリアムズ・モントヤがジャンプアップします。1周目を終わって順位は、シューマッハー兄、ハッキネン、バリチェロ、シューマッハー弟、ジョーダン・トゥルーリ、モントヤ、BARホンダ・ビルヌーブ、ザウバー・ハイドフェルド、ジャガー・アーバイン、ザウバー・ライコネンとなります。なお最下位スタートのクルサードはアロウズ・アロンソと接触、フロントウィングを失いピットに戻ってきます。これで再び大きく出遅れることとなります。
 序盤は何事もなく周回が重ねられていきます。順位も大きな入れ替わりはありません。20周も過ぎピット作業が始まる頃、シューマッハー弟が単独スピン、コースに復帰できずリタイヤとなります。22周目、5位争いをしていたトゥルーリとモントヤが同時ピットイン、これによりモントヤがトゥルーリの前に出ることができ、9位で周回に戻ります(トゥルーリはプロスト・アレジの次の11位)。24周、トップのシューマッハー兄がピットイン、2位で周回に戻ります。この間、ハッキネンは懸命にプッシュしますが、27周目、彼がピット作業を終えた後、3秒差でシューマッハー兄に先行を許してしまいます。一通りピット作業が完了した33周目、順位はシューマッハー兄、ハッキネン、バリチェロ、モントヤ、ビルヌーブ、トゥルーリ、ハイドフェルド、アーバイン、BARホンダ・パニス、クルサードとなります。
 40周あたりから、2回目のピット作業が始まります。41周目トゥルーリ、42周目ビルヌーブ、モントヤ、43周目シューマッハー兄、44周目バリチェロとピット作業を終えます。ここでハッキネンは再びプッシュし、50周目のピット作業において、ついにシューマッハー兄の前に出ることに成功します。なお、この直前バリチェロは右リアのトラブルで、リタイヤしています。
 2回目のピット作業が終了した55周目、順位はハッキネン、シューマッハー兄、モントヤ、ビルヌーブ、トゥルーリ、ハイドフェルド、クルサード、パニス・ライコネンとなります。が、この辺りから2位シューマッハー兄に異変が生じます。ハッキネンに比べ、ラップタイムが1秒以上遅いという事から、ギアボックス(あるいは油圧系)にトラブルが生じたものと推測されます。この時点でハッキネンの今期初優勝は固いと思われ、事実そのように周回は消化されていきます。しかし、最終の65周目、悲劇は起きます。突然ハッキネンがスローダウン、リアから多大な白煙を巻き上げ、ストップしてしまいます。これで一度は優勝をあきらめたシューマッハー兄がトップに戻り、この劇的なレースは終幕を迎えたのです。
 順位は、1位シューマッハー兄、2位モントヤ、3位ビルヌーブ、4位トゥルーリ、5位クルサード、6位ハイドフェルドとななります。クルサードは最下位スタートから、貴重な2ポイントを得ることができました。


◇感想

 最後の最後で力尽きたメルセデスエンジン。レース後のインタビューで、ハッキネンは意外とさばさばしていましたが、実に惜しいレースでした。2位のモントヤ。完走できれば十分表彰台をねらえるという、自らのポテンシャルの高さを改めて披露する結果となりました。そして3位ビルヌーブ。ホンダ復帰後初表彰台は、やはりこの人がもたらしてくれました。本来ビルヌーブは、トップ争いをするだけの実力があるだけに、3位に留まらず、より上位を狙っていってもらいたいです。
 しかし、あまりにハッキネンが惜しすぎる・・・。


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