Round.6 オーストリアグランプリ
13.Mar.2001 : A-1リンク
◇予選グリッド
ポールを獲得したのはフェラーリ・シューマッハー兄、次いでウィリアムズ・モントヤが自己最高となる2位に、3位は同じくシューマッハー弟がつけます。4位にはフェラーリ・バリチェロ、5位にはホンダ勢最高位となるジョーダン・トゥルーリ、6位には好調を持続させているザウバー・ハイドフェルドが入ります。一方オーバーステアとマシンバランスに苦戦したマクラーレン勢は、7位クルサード、8位ハッキネンと、ワーストの4列目からのスタートとなります。
◇決勝
スタートでは、前回スペインに引き続き、ランチコントロール絡みと思われるトラブルで、マクラーレン・ハッキネン、ジョーダン・トゥルーリとフレンツェン、ザウバー・ハイドフェルドがスタートを切ることができません。この4台の隙間を縫うように、各車スタートしていきます。しかし故障車の移動に手間取り、結局1周目からセフティーカーが導入されます。
レースが再スタートしたのは4周目、この時点のオーダーは、好スタートを切ったウィリアムズ・モントヤを先頭に、同シューマッハー弟、フェラーリ・シューマッハー、同バリチェロ、マクラーレン・クルサード、ジャガー・アーバイン、アロウズ・フェルスタッペン、ザウバー・ライコネン、BARホンダ・パニス、同ビルヌーブとなります。なおスタートできなかったトゥルーリ、ハイドフェルドは、1周近く遅れて再スタートを切りましたが、フレンツェンはそのままリタイヤとなります。またハッキネンは4周遅れでスタートしますが、わずか1周周回しただけで、そのままガレージ直行・リタイヤとなります。
6周目、フェルスタッペンがクルサードを抜き4位に上がる健闘を見せ、7周目、パニスがアーバインを抜き8位へ順位を上げます。10周目、アーバインをビルヌーブがオーバーテイクしようとして接触。アーバインはそのまま周回を続けますが、ハーフスピンしたビルヌーブは大きく順位を下げてしまいます。また同周、2位を走行中のシューマッハー弟がコースオフ、周回には戻れたものの速度が上がらず、ピットでリタイヤとなります。
このころからトップを走っていたモントヤのペースが大きく落ち始めます。タイヤタレと思われるペースダウンに、後続が一気に差を詰め、6位までが数珠繋ぎとなります。そして15周目、レムスの飛び込みでブレーキを遅らせすぎたモントヤは、シューマッハー兄を押し出す格好でコースオフ7位まで順位を落とします。この時点でのオーダーは、バリチェロ、フェルスタッペン、クルサード、ライコネン、パニス、シューマッハー兄、モントヤ、アーバイン、ビルヌーブになります。。
さてモントヤの割を食って6位にまでドロップしたシューマッハー兄ですが、ここからファステストを刻みながら順位を上げていきます。25周目にはパニスを抜き4位、28周にはライコネンを抜き3位となります。なおフェルスタッペンは給油のため順位を下げています。
38周目、モントヤがパニスを抜いて5位に上がりますが、その直後スローダウン、そのままガードレール脇にマシンを止めてリタイヤとなります。
46周目から、上位陣のピット作業が始まります。まずは46周シューマッハー兄とライコネンがピット作業を行います。ライコネンは左リアタイヤがはまらないトラブルにより時間をロスしてしまいますが、不幸中の幸いで、順位には変動がありませんでした。そして47周目にはバリチェロが、48周にはビルヌーブ、51周にはクルサードが、それぞれピット作業を済ませます。このピット作業の結果、クルサードとバリチェロの順位が交代し、クルサード、バリチェロ、シューマッハー兄、ライコネン、パニス、フェルスタッペン、アーバイン、ビルヌーブ、プロスト・アレジ、ハイドフェルドのオーダーとなります。
1〜3位まではタイム差で2秒弱しかなく、ワントラブルで順位が変動してしまうという状態が続きます。ですが互いにスリップストリームに飛び込むだけのタイムを削ることもできずに周回が進みます。結局ファイナルラップ、ゴール直前でバリチェロがシューマッハー兄に2位を譲った以外の順位変動はなく、レースが終了します。
1位クルサード、2位シューマッハー兄、3位バリチェロ、4位ライコネン、5位パニス、6位フェルスタッペン、以下アーバイン、ビルヌーブ、ハイドフェルド、アレジ、プロスト・ブルティー、完走11台のレースでした。
◇感想
クルサードが予選7位から優勝。悪いなりにまとめてくるマクラーレンの底力という感じです。ピット作業での逆転も見事でした。一方のハッキネン、勝てないどころがレースをさせてもらえません。ハッキネンが優勝に絡まない限り、フェラーリとのコンストラクターズポイントの差は開くばかりです。ハッキネンのモチベーションが低下していないとを祈りましょう。
さて、疑問なのはフェラーリ。チームオーダーにより、バリチェロから2位を奪いました。果たしてこれが、ポイント3位の選手に、しかも序盤を終えた6戦目に行う指示なのでしょうか?シューマッハー兄をチャンピオンにするためとはいえ、これではバリチェロのロイヤリティーは霧散することでしょう。バリチェロとチームの間がギクシャクして来なければ良いのですが。