Round.7 モナコグランプリ
27.May.2001 : モンテカルロ市街地コース
◇予選グリッド
ここ数戦、フェラーリの後塵を拝すことが多かったマクラーレンですが、ここではクルサードが大逆転の末、ポールを奪いました。2位はフェラーリ・シューマッハー兄、3位マクラーレン・ハッキネン、4位フェラーリ・バリチェロと、フロント・セカンドローをフェラーリ・マクラーレンが独占します。
5位は順当にウィリアムズ・シューマッハー弟、6位は久しぶりのシングルグリッドでベテランの意地を見せたジャガー・アーバイン、7位はモナコ初挑戦のウィリアムズ・モントヤがつけます。8位・9位はジョーダン・トゥルーリ、BARホンダ・ビルヌーブとホンダユーザーが並びます。10位にはベネトン・フィジケラ。今のベネトンのポテンシャルを考えると、望外の順位だと思えます。
10位以下で目を引いたのは11位プロスト・アレジ。アレジも今期最高位を得ており、自身にとってもプロストにとっても久しい入賞を目指します。
◇決勝
オープニングラップのスタートで、またまたマクラーレンにトラブルが発生します。大逆転でポールをとったクルサードが動けず、結局最後位スタートとなってしまうのです。
ポールポジションが空位のまま、スタートが切られます。ジャガー・アーバインがやや出遅れ、順位を一つ落としたものの、それ以外の上位に変動はなく、フェラーリ・シューマッハー兄、マクラーレン・ハッキネン、フェラーリ・バリチェロ、ウィリアムズ・シューマッハー弟、同モントヤ、アーバイン、ジョーダン・トゥルーリ、BARホンダ・ビルヌーブ、ベネトン・フィジケラ、プロスト・アレジの順で、オープニングラップを終了します。
今年のモナコは、マシントラブル・クラッシュが多発するレースでもありました。
まずザウバー・ハイドフェルドがガードレールにヒット、0周リタイヤとなります。3周目にはモントヤがオーバースピードで突入したコーナーで挙動を乱し、クラッシュ。13周目には、BARホンダ・パニスがタイヤの不調を訴えピットイン。タイヤ交換の後レースに復帰しますが、数周走行の後リタイヤします。
そして14周目、2位走行のハッキネンがスローダウン。バリチェロに道を譲り、自らピットへ向かいます。ピットはそのまま何もせずにハッキネンを送り出しますが、結局リタイヤとなります。同じ頃、ザウバー・ライコネンもスローダウン、ピットまでたどり着いたところでレースを終えます。
26周目には、5位走行中のトゥルーリのマシンから激しく炎が上がります。そしてコース脇にマシンを止め、急いで脱出。 30周を終えた時点の順位は、シューマッハー兄、バリチェロ、シューマッハー弟、アーバイン、ビルヌーブ、フィジケラ、アレジ、ジョーダン・フレンツェン、アロウズ・フェルスタッペン、ベネトン・バトンとなります。
さて、最後位スタートのクルサードでしたが、スタート直後からアロウズ・ベルナルディーに押さえ続けられます。何度かオーバーテイクを試みるものの、あまりに抜けないモンテカルロのコースだけに、難なくブロックされてしまいます。45周目、ベルナルディーがピットインし、ようやく前方がクリアになったとき、トップとの差は絶望的となっていました。しかしピット作業を極端に遅らせる作戦で、入賞めざし走り続けます。そして78周レースの66周目、ようやくピットに入ったとき、その順位は6位まで上がっていたのです。
この時点での順位は、シューマッハー兄、バリチェロ、アーバイン、ビルヌーブ、アレジ、クルサード、バトン、アロウズ・フェルスタッペン、ベルナルディー、ザウバー・ライコネン。コース上には10台のマシンしか残っていませんでした。
残り数周でアレジがパンクに見舞われ、急遽ピットイン。これでクルサードと順位が入れ替わります。
そして優勝シューマッハー兄、2位バリチェロ、3位アーバイン、4位ビルヌーブ、5位クルサード、6位アレジの順でレース終了となります。
◇感想
久しぶりにベテラン勢がポイントをゲットしました。アーバインは久しぶりの(ジャガーにとっては初めての)表彰台となります。またアレジも1999年日本GP以来24戦ぶりの、そしてプロストにっとては1999年ヨーロッパGP以来26戦ぶりのポイントを得ます。
一方のマクラーレン。トラブルでハッキネンがリタイヤ、クルサードもわずかなポイントで終わってしまいました。クルサードは、ポイントが取れただけマシな状態ですが、オープニングラップのトラブルがなければ、十分優勝が狙えたでしょうに、惜しいレースをつぶしました。これでチャンピオンシップのポイント差は12点。まだまだ挽回は可能でしょうが、マクラーレンのトラブルの多さから見ると、かなり危うい状況ではないでしょうか。
それでもクルサードは、開幕7戦連続入賞。ここが今年の彼の強さです。