Round.9 ヨーロッパグランプリ
24.Jun.2001 :


◇予選グリッド

 予選トップは、フェラーリ・シューマッハー兄、その次にはウィリアムズ・シューマッハー弟がつけ、今期3度目の兄弟フロントロー対決となります。3位はウィリアムズ・モントヤ、4位はフェラーリ・バリチェロとなります。3列目には、マクラーレン勢、5位クルサード、6位ハッキネンと並びます。以下、7位ジョーダン・トゥルーリ、8位同じくフレンツェン、9位ザウバー・ライコネン、10位同じくハイドフェルドとなります。
 BARホンダ勢は精彩を欠き、ビルヌーブは11位、パニスは今期ワーストの13位となります。


◇決勝

 スタートではバリチェロが大きく順位を落とした以外、目立った順位変動はありません。また1コーナーでのトラブルもなく、22台のマシンがそろってコントロールラインに戻ってきます。この時点での順位は、1位フェラーリ・シューマッハー兄、2位ウィリアムズ・シューマッハー弟、3位同モントヤ、4位マクラーレン・クルサード、5位同ハッキネン、6位ジョーダン・トゥルーリ、7位フェラーリ・バリチェロ、8位ザウバー・ハイドフェルド、9位同ライコネン、10位ジョーダン・フレンツェンとなります。
 序盤はシューマッハー兄とウィリアムズ勢のマッチレースの様相となります。トップを走るシューマッハー兄についていけるのは弟だけ。ややモントヤが離されますが、それでも4位以下とはラップで1秒以上もの差があります。タイヤのタレで、一時4秒を越えるタイム差が生じた1位兄と2位弟でしたが、15周を越えたあたりから急激に差が縮まり、20周を迎える頃には0.5秒前後の差となります。
 28周目、レースが動きます。トップ2台が同時ピットイン。ここでフェラーリはショートストップで(加えて、フロントウィングの角度を調整)、ウィリアムズはたっぷり給油をしてコースに送り出します。シューマッハー兄はトップで周回に戻りましたが、シューマッハー弟はクルサードの後、3位での復帰となってしまいます。しかし、この日のウィリアムズは違います。わずか2周後、シューマッハー弟は、あっさりとクルサードを抜いて2位へ。これでトップの兄を追いかける準備が整いました。ここでの順位は1位シューマッハー兄、2位シューマッハー弟、3位クルサード、4位モントヤ、5位ハッキネン、6位トゥルーリ、7位バリチェロ、8位ハイドフェルドとなります。
 39周目、クルサードがようやく1回目のピットに入りますが、その直後、事もあろうに2位シューマッハー弟に対し、10秒のペナルティーストップが課せられます。ピットアウトに際し、ピット車線を示す白線を横切ってレースに復帰したことが原因でした。これでシューマッハー弟は、モントヤと順位が入れ替わり3位となります。
 43周目、上位では最後まで給油を遅らせたバリチェロがピットインします。50周目、今度はシューマッハー兄とモントヤが、同時に2回目のピット作業を行います。しかし順位は変わらず。52周目、シューマッハー弟が2回目のピット作業を行い、4位で周回に戻ります。
 この時点で、1位シューマッハー兄、2位モントヤ、3位クルサード、4位シューマッハー弟、5位バリチェロ、6位ハッキネン、7位ジャガー・アーバイン、8位同じくデ・ラ・ロサ、9位BARホンダ・ビルヌーブ、10位ライコネンとなります。
 その後順位の変動はなく、シューマッハー兄の優勝で幕を閉じました。


◇感想

 ウィリアムズ強し。こういう印象のレースでした。序盤、明らかにシューマッハー弟のペースは、兄を上回っていました。ペナルティーストップが無ければ、レースの結果は少し違ったものになったかも知れません。
 一方のマクラーレン。どうにかクルサードが3位表彰台を確保しましたが、明らかにスピードが足りていません。ハッキネンも同じように乗っていないので、かなり重症のように思えます。チャンピオンシップ争いから脱落しないためにも、次戦フランスGPでの活躍を期待しています。


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