Round.10 フランスグランプリ
03.Jul.2001 : サーキット・デ・マニ・クール
◇予選グリッド
予選トップは、ウィリアムズ・シューマッハー弟。自身初のポールポジションとなります。2位は僅差でフェラーリ・シューマッハー兄がつけ、今期4度目の兄弟フロントロー対決となります。3位はマクラーレン・クルサード、4位同ハッキネンとならび、復調をうかがわせます。以下、5位ジョーダン・トゥルーリ、6位ウィリアムズ・モントヤ、7位ジョーダン・フレンツェン、8位フェラーリ・バリチェロ、9位ザウバー・ハイドフェルド、10位BARホンダ・ビルヌーブの順位となります。ホームグランプリであるBARホンダ・パニスは11位、プロスト・アレジは19位からのスタートとなります。
◇決勝
レースは、今や定番となったマクラーレンのトラブルで幕を開けます。フォーメーションラップの直前、4位ハッキネンにトラブルが発生します。スタート不能と判断したマクラーレンのメカニックは、マシンを一度ピットに戻しますが、結局スタートできず、ハッキネンは0周リタイヤとなります。
スタートではポールのウィリアムズ・シューマッハー弟が好スタートを決め、2位にフェラーリ・シューマッハー兄が続きます。フェラーリ・バリチェロも好スタートを決め、8位から6位に順位を上げます。さらにジョーダン・トゥルーリをパスし、結局5位でコントロールラインを通過します。オープニングラップを終わっての順位は、1位シューマッハー弟、2位シューマッハー兄、3位マクラーレン・クルサード、4位ウィリアムズ・モントヤ、5位バリチェロ、6位トゥルーリ、7位ジョーダン・フレンツェン、8位BARホンダ・ビルヌーブ、9位ザウバー・ライコネン、10位同・ハイドフェルドとなります。
レース序盤は、リードするシューマッハー弟を シューマッハー兄とクルサードが追いかける展開となります。しかしファステストラップを更新しつつ快走するシューマッハー弟に、後続との差はじわりじわりと開きます。
19周目、ベネトン・バトンのピット作業皮切りに、各車1回目のピット作業が始まります。21周目にはバリチェロ、23周目にはトップのシューマッハー弟、次いで24周目、暫定トップのシューマッハー兄、26周目、暫定トップのクルサードと、次々とピット作業を行います。27周目を終わっての暫定順位は、1位モントヤ、2位シューマッハー兄、3位シューマッハー弟、以下クルサード、バリチェロ、ジャガー・アーバインの順になります。そのモントヤも、30周目にはピット作業となり、バリチェロの後ろ、5位で周回に戻ります。
ピット作業も落ち着いた30周目、ピットレーン出口でのスピード違反から、3位クルサードに10秒ストップのペナルティーが課せられます。これでクルサードは、モントヤの後ろ、5位まで順位を落とします。
37周目、3位バリチェロが2回目のピットストップを行い、4位で周回に復帰します。44周目、タイヤ交換後ペースの上がらない2位シューマッハー弟が2回目のピットイン、5位で周回に復帰します。次いで45周目、1位シューマッハー兄が2回目のピットイン、2位で周回に復帰します。これで暫定順位は、モントヤ、シューマッハー兄、バリチェロ、クルサード、シューマッハー弟、トゥルーリとなります。50周目、1位モントヤが2回目のピット作業を行い、4位で周回に復帰、51周目3位クルサードがピットイン、5位で周回に戻ります。52周目エンジントラブルでモントヤがリタイヤ、54周目2位バリチェロが3回目のピットイン、3位で周回に復帰します。バリチェロのピット作業を最後に、上位のピット作業は完了し、この時点での順位は、1位シューマッハー兄、2位シューマッハー弟、3位バリチェロ、4位クルサード、5位トゥルーリ、6位ハイドフェルド、7位ライコネン、8位フレンツェン、9位BARホンダ・パニス、10位ベネトン・フィジケラとなります。
レース終盤は3位争い、バリチェロとクルサードのバトルが焦点となります。3セット目のタイヤのバランスが悪く、ペースが上がらないバリチェロに対し、クルサードは一気に差を詰め、58周辺りからは、その差が1秒を切るまで接近します。10周以上この接近戦が続いた69周目、ついにアデレードヘアピンへの飛び込みで、クルサードがバリチェロを捕らえ横に並びます。しかし懸命の加速で逃げるバリチェロをパスするには至りません。
こうして優勝シューマッハー兄、2位シューマッハー弟、3位バリチェロ、4位クルサード、5位トゥルーリ、6位ハイドフェルド、7位ライコネン、8位フレンツェン、9位パニス、10位プロスト・ブルティーという結果になりました。
◇感想
久しぶりに各チームの戦略が楽しめたレースとなりました。タイヤのチョイスからピットストップ回数の選択と、これほどバラエティーに富んだ戦略も、最近では久しぶりのような気がします。なにせ1回〜3回のピット作業のおかげで、20周目〜60周近くの周回まで、何処かのチームがピット作業を行っている程でしたので。それでも優勝はシューマッハー兄。ピット作業も完璧にこなし、50勝目を上げました。これでプロストの持つ51勝まであと1つ。偉大な記録が破られる日が近づいてきています。
最後に、マクラーレンよう〜(涙)。