Round.12 ドイツグランプリ
29.Jul.2001 : ホッケンハイムリンク
◇予選グリッド
高速コースに強いと言われた、ウィリアムズ+BMW+ミシュランのパッケージのポテンシャルが、遺憾なく発揮された予選となりました。フロントローは、ウィリアムズが独占。モントヤが初ポールを飾り、シューマッハー弟が2位につけます。そして1秒近く離されて、3位にマクラーレン・ハッキネン、次いでフェラーリ・シューマッハー兄となります。以下5位マクラーレン・クルサード、6位フェラーリ・バリチェロ、7位ザウバー・ハイドフェルド、8位同じくライコネン、9位ジャガー・デ・ラ・ロサ、10位ジョーダン・トゥルーリの上位となります。
◇決勝
スタートでは、ミナルディーの2台が、トラブルでピットスタートとなり、グリッド上から20台がスタートを切ります。しかしスタート直後、4位フェラーリ・シューマッハー兄にギアトラブルが発生し、全く加速できない状況になります。各車シューマッハー兄をかわして行きますが、プロスト・ブルティーが避けきれず接触、宙高く跳ね飛ばされてしまいます。そして後続のアロウズ・ベルナルディーに接触、ベルナルディーはタイヤをマシン後部に乗せながら、何とか走行を続ける事ができました。
この事故により、セフティーカーが導入されます。が、あまりに広範囲に破片が飛び散り危険と判断されたため、レースは赤旗中断となります。これにより、シューマッハー兄、ブルティーは、スペアカーにてレースに復帰できることとなります。
2度目のスタートでは、第一コーナーでザウバー・ハイドフェルドにジャガーデ・ラ・ロサが追突、両者リタイヤとなってしまいます。一方上位では、シューマッハー兄がマクラーレン・ハッキネンを、フェラーリ・バリチェロがマクラーレン・クルサードをそれぞれストレートでパスし、順位を一つ上げることに成功します。オープニングラップの順位は、1位ウィリアムズ・モントヤ、2位同シューマッハー弟、3位シューマッハー兄、4位ハッキネン、5位バリチェロ、6位クルサード、7位ザウバー・ライコネン、8位ジャガー・アーバイン、9位ジョーダン・トゥルーリ、10位BARホンダ・ビルヌーブとなります。
2周目、バリチェロが、今度はハッキネンをパスし、4位に上がります。そして7周目、ペースの上がらないシューマッハー兄を半ば譲られる形でパスし、3位に上がります。10周目、BARホンダ・パニスがトゥルーリをパスし、9位に上がります。直後、今度はトゥルーリがパス仕返しますが、ここはコントロールを失いハーフスピン、順位を大きく落としてしまいます。
トラブルはまだまだ続きます。14周目、4位ハッキネンが左サイドポンツーン下から水を吹き出しながらスローダウン、恐らくラジエターのトラブルでリタイヤとなります。そして18周目、ライコネンとアーバインが同時ピットインとなりますが、ライコネンはそのままリタイヤとなってしまいます。
17周目に1回目のピットインを行い、3位から5位に順位を落としていたバリチェロですが、21周目、再びクルサードをパスし、4位に順位を上げます。
23周目、トップのモントヤがピット作業をしますが、給油機のトラブルで燃料補給に手間取り、何と30秒以上も足止めを喰らいます。しかも周回に復帰してから3周の26周目、エンジントラブルでリタイヤとなってしまいます。上位に襲いかかるトラブルは、これだけではありませんでした。24周に1回目のピット作業を終えたシューマッハー兄でしたが、周回復帰まもなくスローダウン、28周目にはクルサードがファンネルから煙を吐き、そのままリタイヤとなります。そして32周目、2回目のピットインとなったバリチェロに、給油リグが入らないトラブルが発生し、コース復帰までに19秒もの時間を要してしまいます。35周には7位走行中のトゥルーリがスローダウン、リタイヤとなります。
一通りのピット作業が終わった42周目、順位は1位シューマッハー弟、2位バリチェロ、3位BARホンダ・ビルヌーブ、4位ベネトン・フィジケラ、5位同バトン、6位プロスト・アレジの順となります。そして流石の荒れレースも、以降はトラブル無くフィニッシュとなりました。
◇感想
シューマッハー兄とクルサード。タイトルを争う2人がリタイヤするという波乱のレース、制したのは今期3勝目のシューマッハー弟でした。今レースを見る限り、やはりウィリアムズは速いです。今年は信頼性の面でまだまだですが、来年は打倒フェラーリ&シューマッハー兄の第一候補となることでしょう。え?何故来年の話かって?それはですね、次戦ハンガリーで、シューマッハー兄が優勝してしまうと、クルサードの順位に関係なく、今期のタイトルが決まってしまうのですよ。早すぎるタイトル決定ですが・・・。