Round.15 イタリアグランプリ
16.Sep.2001 :アウトードロモ・ナツィオレーナ・ディ・モンツァ


◇予選グリッド

 アメリカで発生した史上最悪のテロ事件により、一時開催が危ぶまれたF1グランプリでしたが、予定通りに開催されることとなりました。フェラーリはマシンからスポンサーロゴを外し、ノーズを黒く塗ることで、またジャガーはカウル上面を黒く塗ることで、そしてジョーダンはカウルに星条旗を描くことで、それぞれ弔意を示しました。
 予選は、ポールがウィリアムズ・モントヤ、2位がフェラーリ・バリチェロとなります。3位は同シューマッハー兄、4位はウィリアムズ・シューマッハー弟となります。以下5位ジョーダン・トゥルーリ、6位マクラーレン・クルサード、7位同ハッキネン、8位ザウバー・ハイドフェルド、9位同ライコネン、10位ジャガー・デ・ラ・ロサとなります。

◇決勝

 8位ザウバー・ハイドフェルド、14位ベネトン・フィジケラがピットスタートとなった意外、トラブルなくスタートが切られます。グッドイヤー・シケインの入り口で、ジョーダン・トゥルーリにベネトンバトンが接触、バトンはフロントウイングを失いピットへ、トゥルーリはそのままレースを終えてしまいます。上位に目を転じると、スタートでウィリアムズ・シューマッハー弟が、フェラーリ・シューマッハー兄をパスしますが、カーブ・グランデでシューマッハー兄が弟に並び、そして抜き去ります。この結果、ウィリアムズ・モントヤ、フェラーリ・バリチェロ、シューマッハー兄、シューマッハー弟、マクラーレン・クルサード、ジャガー・デ・ラ・ロサ、同アーバイン、アロウズ・フェルスタッペン、ザウバー・ライコネン、ジョーダン・アレジのオーダーでオープニングラップを終了します。
 レースは序盤からサバイバルの様相を呈してきます。まず5周目バトンが、そして7周目クルサードが、それぞれエンジントラブルで戦列を去ります。またアーバインもトラブルからリタイヤ。その中、9周目にバリチェロがモントヤを、レズモでオーバーテイク、トップに躍り出ます。トップに立ったバリチェロは、快調に周回を重ね、モントヤとのタイム差を広げにかかります。また3位シューマッハー兄もモントヤにプレッシャーを与え、隙あればパスする構えを崩しません。しかしある程度の周回をこなせば、逆に特性が安定するというミシュランタイヤの特性を生かし、モントヤは2位をキープします。ここで動いたのはフェラーリ尾。18周目にシューマッハー兄を19周目にバリチェロをピットインさせます。しかしバリチェロのピット作業で給油器のトラブルがあり、ここで16秒もの制止時間を強いられてしまいます。この結果、モントヤ、シューマッハー弟、バリチェロ、シューマッハー兄、ジョーダン・アレジ、ライコネン、デ・ラ・ロサ、BARホンダ・ビルヌーブの順位となります。
 28周目、モントヤがピットイン、3位で周回に復帰します。また35周目、シューマッハー弟もピットイン、4位で周回に復帰します。ここまでの順位は、バリチェロ、モントヤ、シューマッハー兄、シューマッハー弟、デ・ラ・ロサ、ビルヌーブ、ライコネン、アレジ。
 36周目、デ・ラ・ロサがピットインし順位変わらず5位で復帰、39、40周と、シューマッハー兄、バリチェロが2回目のピット作業を行います。この結果、モントヤ、シューマッハー弟、バリチェロ、シューマッハー兄のオーダーとなります。46周目、ストレートエンドの飛び込みでバリチェロがシューマッハー弟のインを差しパス、直後グッドイヤーシケインでシューマッハー弟が再び抜き返すという場面が生じます。しかし、シューマッハー弟は続くシケインをショートカット。順位変動に関わるコーナーのショートカットはペナルティーの対象になるため、ここでバリチェロに先を譲ります。
 上記2位争いを最後の山場として、53周のレースは終了します。モントヤが初優勝を飾り、2位はバリチェロ、3位シューマッハー弟という上位でした。以下4位シューマッハー兄、5位デ・ラ・ロサ、6位ビルヌーブ、7位ライコネン、8位アレジ、9位BARホンダ・パニス、10位フィジケラとなりました。


◇感想

 アメリカで生じたテロの影響で、シャンパンファイトのない表彰台となりましたが、モントヤが初優勝を飾りました。一方でハッキネンが来期の休養を宣言し、マクラーレンのシートにはライコネンが。世代交代を感じさせるグランプリとなりました。


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