Round.16 アメリカグランプリ
30.Sep.2001 :インディアナポリス・モータースピードウェー


◇予選グリッド

 同時多発テロ後、アメリカ国内で開催される初めての国際イベントとなったF1アメリカGP。一時は開催も危ぶまれましたが、無事に全11チーム22台が参加することができました。
 注目の予選、トップは今年のチャンピオン、フェラーリ・シューマッハー兄。ついでマクラーレン・ハッキネンとなります。以下、3位ウィリアムズ・シューマッハー弟、4位ウィリアムズ・モントヤ。5位フェラーリ・バリチェロ、6位ザウバー・ハイドフェルド、7位マクラーレン・クルサード、8位ジョーダン・トゥルーリ、9位ジョーダン、アレジ、10位ベネトン・バトンとなります。散々だったのは、BARホンダ・ビルヌーブ。18位スタートは今期ワーストでした。
 なお、決勝朝のウォームアップ走行で、ハッキネンが信号を無視してコースインしたため、ペナルティーとして予選最速タイムを抹消され、その結果、4位スタート(3位シューマッハー弟と4位モントヤは順位繰り上がり)となりました。


◇決勝

 スタートでは、ウィリアムズ・シューマッハー弟が順位を3つ下げ、逆にフェラーリ・バリチェロが2つ順位を上げることに成功しました。中位ではザウバー・ハイドフェルド、同ライコネン、ジョーダン・トゥルーリが並んで第一コーナーに侵入、ここで接触によりライコネンのフロントウイングが脱落、ノーズ交換を行いますが、4周目スローダウン、リタイヤとなります。
 オープニングラップを制したのは、フェラーリ・シューマッハー兄、ついでウィリアムズ・モントヤ、バリチェロ、シューマッハー弟、マクラーレン・ハッキネン、同クルサード、ハイドフェルド、トゥルーリの順でコントロールラインを通過します。
 3周目、バリチェロがモントヤをパス、そして5周目、シューマッハー兄が譲る形で、バリチェロがトップに立ちます。この結果、バリチェロ、シューマッハー兄、モントヤ、シューマッハー弟、ハッキネン、クルサード、ハイドフェルド、ベネトン・バトン、トゥルーリ、ベネトン・フィジケラの順位となります。後方では、今GPが200戦目のジョーダン・アレジが、12周目にフィジケラを、翌13周目にはバトンを相次いでパス、ベテラン健在を示します。
 23周目、シューマッハー弟がピットイン。ここで左リアタイヤの取り付けに手間取り、12.5秒もかかってピットを後にします。27周目、トップのバリチェロがピットイン。8.6秒でピットから送り出し、5位で周回に復帰します。この時点でのオーダーは、シューマッハー兄、モントヤ、ハッキネン、クルサード、バリチェロ、トゥルーリ、アレジ、シューマッハー弟、ハイドフェルド、バトンとなります。30周過ぎから、シューマッハー兄とモントヤのタイム差がみるみる縮まり、特にストレートエンドではテールtoノーズ状態となります。インフィールドで突き放す事を繰り返すも、34周目周目、ついにモントヤがシューマッハー兄のスリップに入り込み、ストレートエンドでこれをかわします。トップに立ったモントヤは、36周目、ピット作業を行い5位で周回に復帰します。しかし、ウィリアムズの輝きは、今日はここまででした。37周目、シューマッハー弟の単独スピンに続き、39周目モントヤまでがスローダウン、2台ともリタイヤとなってしまいます。
 40周目、トップのシューマッハー兄がピットイン、11.4秒の作業時間で4位で周回に復帰します。この時点の順位は、ハッキネン、クルサード、バリチェロ、シューマッハー兄、フィジケラ、ハイドフェルド、ジャガー・アーバイン、プロスト・フレンツェン。43周目、クルサードがピットイン、10.2秒、4位で周回に復帰します。そして44周目、トップのハッキネンがピットイン、9.6秒という文句なしのタイムで、シューマッハーの前の2位で周回に復帰します。50周目、バリチェロが2回目のピット作業を行います。タイムは8.2秒でしたが、ハッキネンの後ろ、2位で周回に復帰します。これで、ハッキネン、バリチェロ、シューマッハー兄、クルサード、アーバイン、トゥルーリ、ハイドフェルド、アレジ、アロウズ・デ・ラ・ロサ、フィジケラのオーダーとなります。
 残り周回も少なくなった67周目辺りから、2位バリチェロに異変が生じます。うっすらと白煙を引いて走るようになるのです、白煙の量は周回を重ねる毎に増えていき、ペースも目に見えて落ちてきます。69周目にはシューマッハー兄に、71周目にはクルサード、トゥルーリに相次いでパスされ、この時点で5位まで順位を落とします。それでも走り続けますが、72周目、ついにエンジンがストップ、惜しいポイントを失います。
 結局、ハッキネンが今期2勝目を上げ、2位にはシューマッハー兄、3位にはクルサードが入りました。以下4位トゥルーリ、5位アーバイン、6位ハイドフェルド、7位アレジ、8位フィジケラ、9位バトン、10位フレンツェンとなりました。
 なおレース後の車検にて、トゥルーリがスキッドブロックの厚み違反により失格となり、4位アーバイン、5位ハイドフェルド、6位アレジまでが入賞となりました。



◇感想

 久しぶりのハッキネンの優勝。休養宣言しても、レースに対する彼の気持ちに、偽りはないようです。戦意喪失によりリタイヤした(日本GP)、元ワールドチャンピオンのようなことがなくて、実はほっとしています(ああ、デイモン、キミのそんな姿は見たくなかった)。
 残りは日本GPのみですが、クルサードとバリチェロのドライバーズ2位争い(ポイント差7点)、そして、ザウバー、BARホンダ、ジョーダンの4〜6位争い(ポイント差5点)等、まだまだ熱い戦いが残っております。


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