Round.1 オーストラリアグランプリ
03.Mar.2002 : アルバートパーク サーキット
◇予選グリッド
開幕戦のフロントローは、フェラーリが独占。ポール・バリチェロ、2位シューマッハー兄と、昨年のシャシーでありながら、他を寄せ付けない速さを見せつけました。3位はウィリアムズ・シューマッハー弟、4位はマクラーレン・クルサードと、フェラーリを追う立場の両チームが並びました。5位は、先輩クルサードに劣らぬ見事な走りを見せたマクラーレン・ライコネン。以下6位ウィリアムズ・モントヤ、7位ルノー・トゥルーリ、8位ジョーダン・フィジケラ、9位ザウバー・マッサ、10位同じくハイドフェルドと続きます。注目のトヨタは、サロが14位、マクニッシュが16位と、中段やや後方となりますが、見事第一関門の予選突破を果たしました。ジョーダン・佐藤は、予選トラブルでノータイムでしたが、特別に出走が認められ、22番からスタートとなりました。
◇決勝
スタートでは、アロウズの2台、フレンツェンとベルナルディーがそろって動けず。フレンツェンはピット赤信号無視で失格に、ベルナルディーはTカーにを乗り換えたことで、こちらも失格になってしまいます。
ウィリアムズ・シューマッハー弟が好スタートを決め、フェラーリ・シューマッハー兄をパスし2位に上がります。その後加速が乗ったシューマッハー弟は、1位バリチェロに詰め寄ります。が、バリチェロの再三のブロックに、シューマッハー弟は前に出られず、最後はバリチェロに追突してしまいます。これでバリチェロ、シューマッハー弟はリタイヤとなりますが、1、2位のクラッシュは、後続にも大きな影響を与えます。このクラッシュに、ジョーダン・フィジケラ、ザウバー・マッサ、ハイドフェルド、ルノー・バトン、BAR・パニス、トヨタ・マクニッシュの6台が巻き込まれ、あっという間に10台が姿を消す結果となりました。
その後5周目まで、事故処理のためにセフティーカーが導入されます。
リスタート時の順位は、マクラーレン・クルサード、ルノー・トゥルーリ、ウィリアムズ・モントヤ、シューマッハー兄、ジャガー・アーバイン、同デ・ラ・ロサ、ジョーダン・佐藤、ミナルディー・ウエーバー、同ユーン、BAR・ビルヌーブとなります。直後、モントヤがスローダウンし、シューマッハー兄が先行します。モントヤのトラブルは一瞬だけだったようで、その後はペースを戻します。9周目、2位を走行していたトゥルーリがスピン、ウォールにヒットしてレースを終えます。この処理のため、再びセフティーカーが入ります。11周目、セフティーカーのランプが消え、再スタート間近のその時、今度は1位のクルサードがコースオフ、順位を大きく下げてしまいます。2回目のリスタート直後、モントヤがシューマッハー兄をパス、1位に上がります。このときの順位は、モントヤ、シューマッハー兄、アーバイン、マクラーレン・ライコネン、クルサード、デ・ラ・ロサ、ウエーバー、ユーンとなります。モントヤに首位を奪われたシューマッハー兄でしたが、直後からテールtoノーズ状態になり、抜く隙をうかがいます。そしてついに17周目、モントヤをパスし1位に上がります。
レース周回が進み25周目、一時は5位を走行した佐藤でしたが、電気系トラブルのためガレージイン、そのままリタイヤとなります。この頃から各車をトラブルが襲います。7位ビルヌーブ、6位クルーサードと、相次いでリタイヤ、この時点でコース上には8台を残すのみとなります。
37周目モントヤ、38周目シューマッハー兄、ライコネン、アーバインらが1回目の、そして最後のピットストップを行います。がピット作業前後で大きな順位の変動はなく、シューマッハー兄、モントヤ、ライコネン、アーバイン、ウエーバー、サロ、ユーン、デ・ラ・ロサの順で周回する事となります。
終盤5位ウエーバーと6位サロの間隔が1秒を切るまでになり、白熱したバトルとなります。しかし57周目、抜きあぐねたサロがハーフスピン。順位は落としませんでしたが、ウエーバーは安全圏へと逃げてしまいます。
結局、40周目以降順位が変わることなくファイナルラップを迎え、1位シューマッハー兄、2位モントヤ、3位ライコネン、4位アーバイン、5位地元ドライバーのウエーバー、6位サロ、7位ユーン、8位デ・ラ・ロサの順でチェッカーとなりました。
◇感想
今年も大きなトラブルで幕を開けたオーストラリアGP。レーシングトラブルに済ますには、あまりに大きな事故でした。吹っ飛ばされたシューマッハー弟も、ぶつけられたバリチェロも、怪我がなかったことが幸いでした。
レースに目を戻すと、シューマッハー兄の速さが際だっていました。2001年シャシーで、ここまで速いとは! 今年のF1は、非常に面白くない展開になる予感すらしました(笑)
地元ドライバーのウエーバーが入賞し、ミナルディーに3シーズンぶりの得点を持ち帰ったほか、早くもトヨタがポイントを獲得。なかなか興味深い結果でした。佐藤琢磨は予選・本戦とトラブル続きで、良い結果とはなりませんでしたが、フリー走行では速さの片鱗を見せていました。次戦マレーシアに期待です。