Round.3 ブラジルグランプリ
30.Mar.2002 : ホセ・カルロス・パーチェ・サーキット
◇予選グリッド
ポールポジションはウィリアムズ・モントヤ。1〜3戦まで、毎戦ポールシッダーが異なるという、近年まれにみる混戦模様が見て取れます。2位には、今戦から新シャシーF2002を投入したフェラーリ・シューマッハー兄がつけます。以下3位ウィリアムズ・シューマッハー弟、4位マクラーレン・クルサード、5位同ライコネン、6位復調著しいルノー・トゥルーリ、7位同バトンと続きます。旧シャシーF2001で信頼性重視のフェラーリ・バリチェロは8位に沈みました。
注目の日本勢では、トヨタ・サロが10位と予選トップ10入りを決めます。ジョーダン・佐藤はペナルティーにより予選1番タイムの抹消を受け、19位からの追い上げです。
◇決勝
特に混乱もなく切られたスタートでしたが、1コーナーから2コーナーへの切り返しで、トップのウィリアムズ・モントヤがラインを乱してしまい、そこをフェラーリ・シューマッハー兄に突かれて順位交替となります。これが伏線となったのか、4コーナー手前でモントヤがシューマッハー兄に追突、モントヤはフロントウイングを失いピットへ。最後尾まで順位を落とします。結果、オープニングラップを制したのはシューマッハー兄。以下ウィリアムズ・シューマッハー弟、ルノー・トゥルーリ、同バトン、マクラーレン・クルサード、フェラーリ・バリチェロ、マクラーレン・ライコネン、ザウバー・ハイドフェルドのオーダーとなります。
序盤、レースを盛り上げたのは母国グランプリを戦うバリチェロでした。オープニングラップでライコネンをかわした後、2周目にはクルサード、3周目にはバトン、トゥルーリとパス、6周目には2位走行のシューマッハー弟までもパスします。その後も1位シューマッハー兄とのギャップをみるみる狭めるバリチェロは、13周目、半ば譲られる形でシューマッハー兄をパスし、トップに躍り出ます。しかし悲しいほど地元での運がないバリチェロ、信頼性重視でF2001を選んだにも関わらず、14周目スローダウン、8年連続となるブラジルGPリタイヤでレースを終えます。
20周過ぎになると、2ストップ作戦を採用したチームの、1回目のピット作業が始まります。25周目にはBARホンダ・ビルヌーブ、27周目にはジョーダン・佐藤と給油を済ませますが、フェラーリ、ウィリアムズ、マクラーレン、ルノー等のトップ勢は動かず。どうやら1ストップ作戦のようです。
トップ勢で一番始めに動いたのはシューマッハー兄、39周目にピット作業を終えます。次いで43周目モントヤが、翌44周目シューマッハー弟がピット作業を行います。また45周目バトン、46周目クルサード、47周目ライコネンとピットレーンが騒がしくなります。
各チームのピット作業が完了した52周目、この時点でのオーダーは、シューマッハー兄、シューマッハー弟、クルサード、ライコネン、トゥルーリ、バトン、モントヤ、ハイドフェルドとなります。
レース終盤になると、過酷なサーキットコンディションに、悲鳴を上げるマシンが続出します。残り10周で、トゥルーリがエンジンブローし、残り7周で、ハイドフェルドがトラブルからガレージイン、そのままリタイヤとなります。また残り4周で、ライコネンがリアサスペンショントラブルからコースオフ、リタイヤとなります。この時点でのオーダーは、シューマッハー兄、シューマッハー弟、クルサード、バトン、モントヤ、サロ、ジャガー・アーバイン、同デ・ラ・ロサとなります。
一時は0.5秒を切る接近戦になった1位シューマッハー兄と2位シューマッハー弟でしたが、結局兄が付け入る隙を与えず、そのままゴール、71周に渡る接戦に終止符を打ちました。なお佐藤は9位完走を果たしました。
◇感想
F2002投入で、フェラーリが別次元の速さを見せつけるのか?と思わせたブラジルでしたが、蓋を開けてみるとポールはモントヤ。99年のフェラーリとマクラーレン、がっぷり4つに組んでいた頃を思い起こさせるような、そんな予選結果でした。しかし、初登場でも素性の良さを示したF2002。今後どのように進化していくのか、空恐ろしい気分です。
そしてトヨタが今期2度目の入賞を果たしてくれました。周回遅れの棚ボタ6位とはいえ、ジャガーやホンダ勢を抑えての入賞ですから、それは素晴らしいことです。でもですねぇ、あと一回入賞しないと、ミナルディーより上に行けないのですよね(笑)。