Round.4 サンマリノグランプリ
14.Apr.2002 : アウトードロモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ
◇予選グリッド
ポールは今期2度目となるフェラーリ・シューマッハー兄、2位にはチームメイト・バリチェロが入り、開幕戦に次ぐフェラーリのフロンロー独占となります。セカンドローはウィリアムズ。3位シューマッハー弟、4位モントヤとなります。サードローはマクラーレン。5位にはライコネン、6位にはクルサードとなり、グリッドには赤・青・銀の帯が並ぶこととなります。
以下7位ザウバー・ハイドフェルド、8位ルノー・トゥルーリ、9位同バトン、10位BARホンダ・ビルヌーブと並びます。ジョーダン・佐藤は、自己最高の14位からのスタートでしたが、トヨタ勢はサロ16位、マクニッシュ17位と、下位に沈みます。
なおミナルディー・ユーンは、ポールタイムの107%をクリアできず、今期初の予選落ちとなります。
◇決勝
コンディションはドライながら、小雨がぱらつく中のスタートとなりました。トヨタ・マクニッシュが、スタート直後にリタイヤするハプニング以外は大きな混乱も無く、各車第1コーナーをクリアしてきます。レースは、スタートでフェラーリ・バリチェロをパスしたウィリアムズ・シューマッハー弟が、ポールのフェラーリ・シューマッハー兄を追う展開となります。しかしいつもの伸びを欠くシューマッハー弟は、シューマッハー兄との差を詰めることができません。逆に8周目で6秒、9周目で7秒、10周目で8秒と、水を空けられていきます。一方3位にドロップしたバリチェロは、シューマッハー弟との差を、じりじりと詰めていきます。生彩を欠くウィリアムズ勢、4位モントヤまでも、バリチェロから離され始めます。10周を終えて、シューマッハー兄、シューマッハー弟、バリチェロ、モントヤ、マクラーレン・ライコネン、同クルサード、ルノー・トゥルーリ、同バトン、ザウバー・ハイドフェルド、同マッサのオーダーとなります。
16周目、他のチームに先駆けて、ザウバーがピット作業を開始します。まずはハイドフェルド、翌17周目にマッサを入れますが、ここでハイドフェルドに給油ホースが繋がらないトラブルが発生、結局給油ができなかったハイドフェルドは、20周目、再度のピット作業を必要としました。しかもこの際、ピットレーンでスピード違反をしてしまい、ピットスルーのペナルティーを受け、大きく順位を下げてしまいます。同周、ジョーダン・フィジケラがスローダウン、グリーンに車を乗せそのままリタイヤとなります。佐藤も5周を過ぎたあたりでギアのトラブルからリタイヤしており、レース中盤に差し掛かったところで、ジョーダン勢は全滅となってしまいます。
23周目、トゥルーリのピット作業を皮切りに、上位陣のピット作業が始まります。24周目バトン、28周目BARホンダ・パニス、29周目ビルヌーブ、30周目ライコネン、31周目シューマッハー兄、弟、32周目バリチェロ、モントヤと、次々にピット作業を終えます。なおこのピット作業にて、バリチェロがシューマッハー弟をかわし、2位へポジションを上げています。
1回目のピット作業の後、レースは淡々と進み、45周目を過ぎた辺りから、上位陣の2回目のピット作業が始まります。45周目、ライコネンがピットイン、しかしこれはトラブルによる物で、そのままガレージへ入りリタイヤとなります。同じくBARホンダ・パニスもガレージに車を入れ、リタイヤとなります。46周目、シューマッハー兄が2回目のピット作業を行い、1位で周回に復帰します。同周シューマッハー弟もピット作業を行います。47周目バリチェロ、48周目モントヤ、ビルヌーブとピット作業を行います。ピット作業が落ち着いた53周目、オーダーは、シューマッハー兄、バリチェロ、シューマッハー弟、モントヤ、バトン、クルサード、ビルヌーブ、トゥルーリとなります。
59周目、9位ザウバー・マッサが、リバッツァで8位トゥルーリのインを取り、芝にタイヤを落としながらも強引にオーバーテイク、これが最後の見せ場となりました。こうして62周のレースは、1位シューマッハー兄、2位バリチェロ、3位シューマッハー弟、4位モントヤ、5位バトン、6位クルサード、7位ビルヌーブ、8位マッサ、9位トゥルーリ、10位ハイドフェルドの順位で終了しました。
◇感想
F2002効果なのか、あるいはミシュランタイヤの特性か。今期初のフェラーリ1-2で終えたレースは、ウィリアムズ不調を思わせるレースでした。予選でも決勝でもフェラーリの後塵を介したというレースは、ハプニングの開幕戦を除けば初めてですし。しかし、3-4を取ってもなお不調と思わせる辺りに、今年のウィリアムズの強さが隠れているように思えます。次はスペイン。暑くなれば強くなるウィリアムズとミシュランタイヤの逆襲を期待しています。