Round.5 スペイングランプリ
28.Apr.2002 : サーキット・デ・カアルニア


◇予選グリッド

 予選では、ポールにフェラーリ・シューマッハー兄が、2位にバリチェロがつけ、フェラーリがフロントローを独占しました。3、4位はウィリアムズ・シューマッハー弟とモントヤが入り、5位にはマクラーレン・ライコネンと、前戦サンマリノと全く同じ予選ポジションとなります。以下6位ルノー・バトン、7位マクラーレン・クルサード、8位ザウバー・ハイドフェルド、9位ルノー・トゥルーリ、10位アロウズ・フレンツェンとなりました。
 一方の日本勢ですが、ホンダ勢の最高がジョーダン・フィジケラの12位、トヨタの最高もサロの17位と、なかなか厳しい結果となりました。またジョーダン佐藤は予選18位に沈みました。
 なおジャガー・アーバインは燃料規定違反で最後尾スタートとなり、ミナルディーの2台は、リアウイング脱落の事故を受け、本戦を棄権しました。


◇決勝

 フォーメーションラップで、なんと2位フェラーリ・バリチェロがトラブルでストップ、グリッド上の19台によりレースが始まりました。好スタートを決めたフェラーリ・シューマッハー兄がそのまま後続を抑えきり、オープニングラップを制します。次いでウィリアムズ・シューマッハー弟とモントヤ、マクラーレン・ライコネン、ルノー・バトン、マクラーレン・クルサード、ルノー・トゥルーリ、ザウバー・ハイドフェルド、同マッサ、アロウズ・フレンツェンと続きます。
 レース序盤から、シューマッハー兄の独走の様相を呈してきたレースは、一方でサバイバルレースの半面を見せ始めます。まず4周目、トヨタ・サロがパンクチャーで緊急ピット、その直後、4位走行中のライコネンは、リアウイングが突如脱落するトラブルでリタイヤを余儀なくされます。また6周目にはジョーダン・フィジケラがピットイン、そのままガレージインしてレースを終えます。そして12周、10位を走行していた佐藤がスピンオフ、グラベルにはまりリタイヤしてしまいます。
 さてトップに目を移すと、他のマシンのトラブルなど意に介さないような、シューマッハー兄の独走が続きます。毎週1秒近く、2位シューマッハー弟を引き離す走りで、20周を越える辺りには、20秒近いマージンを稼ぐことに成功します。
 24周目、5位走行のトゥルーリ、12位走行のBARホンダ・ビルヌーブ、13位走行のトヨタ・マクニッシュが相次いでピットイン、1回目のピット作業の口火が切られます。翌25周、2位走行のシューマッハー弟、バトンが、26周にはモントヤ、27周にはシューマッハー兄と、トラブルなく給油とタイヤ交換を済ませます。ここまでの順位は、1位にシューマッハー兄、2位にピット作業をまだ行っていないクルサード、3位シューマッハー弟、以下モントヤ、バトン、トゥルーリ、ハイドフェルド、マッサと続きます。
 29周目、クルサードがようやくピットに入ったことにより、2位に順位を戻したシューマッハー弟でしたが、コースオフによりマシンを傷めてしまい、ノーズ交換のために緊急ピット。30秒近い時間を費やしてしまい、トップ争いから脱落します。その後もノーズ交換のためピットインしたシューマッハー弟は、順位を回復する事ないまま、最終ラップにエンジントラブルからストップしてしまいます(完走扱い)。
 34周目、3位争いのバトンとクルサードの順位が入れ替わります。ストレートでバトンのスリップストリームについたクルサードが、ストレートエンドでバトンをパスしそのまま1コーナーに飛び込みます。3位に上がったクルサードの前を走るのはモントヤ。そのモントヤに、2回目のピット作業でトラブルが発生してしまいます。46周目、2回目のピット作業にて、給油口が抜けないトラブルが発生、給油マンを引きずってスタートを切ってしまいます。その上、制止のために前に出たピットクルーが左フロントタイヤに巻き込まれ転倒、メディカルセンターへ搬送される事態となってしまいます。それでも十分なマージンがあったため、モントヤは3位に復帰、翌47周目のクルサードのピットストップにより、2位に復帰します。
 47周目から49周目にかけて、このレースの白眉ともいうべき、素晴らしいバトルが見られます。6位争いのバトンとマッサが、3周に渡りテールトゥーノーズ状態になり、抜きつ抜かれつの戦いを演じます。ここはバトンが抑えきりますが、53周を過ぎた辺りからバトンにトラブルが発生し順位を下げはじめ、63周目、ついに止まってしまいます(完走扱い)。同様のトラブルは4位走行のトゥルーリにも発生し、完走こそできたものの、入賞圏外の10位でフィニッシュとなります。
 こうしてチェッカーを受けた車が10台というサバイバルレースは、1位シューマッハー兄、2位モントヤ、3位クルサード、4位ハイドフェルド、5位マッサ、6位フレンツェン、7位ビルヌーブ、8位マクニッシュ、9位サロ、10位トゥルーリの順位で終了しました。


◇感想

 不運バリチェロ。このレース、シューマッハー兄に勝つ見込みのある選手は、彼しかしなかった訳ですから、バリチェロだけでなく、レース観戦者にも不運なリタイヤでした。しかしまぁ、ウィリアムズFW23ですら突き放してしまったフェラーリF2002、チャンピオンシップが面白くなるためには、96年ウィリアムズのヒル&ビルヌーブのように、チームメイト同士の接戦を期待するしかないのでしょうか。
 あ〜、フレンツェンポイント獲得ですね。おめでとうございます。これでノーポイントは、日本製のエンジンを積んだ2チーム4台のみ。つうか、フィジケラをきちんとレーススピードで完走させて!!>ジョーダンおじさま


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