Round.7 オーストリアグランプリ
26.May.2002 : モナコ市街地コース


◇予選グリッド

 60回目を迎える、唯一のクラシカルコース・モナコ。その記念すべきグランプリでポールを獲得したのは、ウィリアムズ・モントヤ。2位は、去年のポールシッダー、マクラーレン・クルサードでした。3位はフェラーリ・シューマッハー兄、4位はウィリアムズ・シューマッハー弟と、セカンドローはシューマッハー兄弟が占めます。以下、5位フェラーリ・バリチェロ、6位マクラーレン・ライコネン、7位ルノー・トゥルーリ、8位同バトン、9位トヨタ・サロ、10位同マクニッシュとなります。今期好調を続けていたザウバーは、マッサ13位、ハイドフェルド17位と、下位に沈みます。
 なおジョーダン・佐藤は16位からのスタートとなります。


◇決勝

 スタートでは、2位マクラーレン・クルサードが好ダッシュを決め、ウィリアムズ・モントヤの前に出ます。またルノー・トゥルーリは7位から5位へ、アロウズ・フレンツェンは12位から10位へ、ジョーダン・佐藤が16位から12位へ、それぞれジャンプアップします。一方BARホンダ・ビルヌーブはスタートできずピットへ。1週遅れで周回に復帰しますが、結局リタイヤとなってしまいます。
 オープニングラップを終えての順位は、クルサード、モントヤ、フェラーリ・シューマッハー兄、ウィリアムズ・シューマッハー弟、トゥルーリ、マクラーレン・ライコネン、フェラーリ・バリチェロ、トヨタ・サロ、同マクニッシュとなります。
 クルサード先導で、数珠繋がりでレースが進む中、ルノー・バトンがジャンプスタートでピットスルーのペナルティーを受けます。これで順位を大きく落としたバトンは、中盤に差し掛かる26周目、BARホンダ・パニスと接触し、リタイヤしてしまいます。
 さて、クルサードが先導してペースが上がらない上位陣、1位クルサードから4位シューマッハー弟までのタイム差が、僅か1.5秒(10周目)〜2.7秒(19周目)という大接近戦になります。しかし安定した周回を重ねているのは上位のみ、下位では次々とトラブルが発生し始めます。15周目マクニッシュが1コーナーガードレールにクラッシュ、24周目には、トンネル内で僚友フィジケラに道を譲った佐藤がコントロールを失いスピン、27周目にはアロウズ・ベルノルディーがザウバー・マッサを、ホームストレートでパスした直後、1コーナーの飛び込みで抜かしたマッサに追突されリタイヤ。追突したマッサも、ノーズ交換周回に復帰するものの、レース終盤に1コーナーのガードレールに激突し、レースを終えることとなります。
 中位陣の混乱はまだ続きます。レース中盤の40周目、トンネル出口、シケインへのブレーキングで、バリチェロがライコネンに追突、ライコネンはピットへ戻るもののリタイヤ、バリチェロは追突のペナルティーで10秒のピットストップを受けます。中位の混乱は2位を走るモントヤに飛び火します。ペースが落ちたモントヤを、チームメイトのシューマッハー弟がパスした直後、そのモントヤがさらにスローダウン、そのままリタイヤとなります。
 周回は若干戻って45周、3位シューマッハー兄がピット作業を行います。4位で周回に復帰したシューマッハー兄でしたが、モントヤの脱落により3位に浮上、51周目のシューマッハー弟のピットインにて、2位まで順位を上げます。52周目、トップのクルサードがピットイン、6.9秒の短時間でコースに戻したピットクルーのおかげで、シューマッハー兄のまえ、1位で周回に復帰する事ができます。
 レース終盤、1位クルサードと2位シューマッハー兄、4位トゥルーリと5位フィジケラ、6位フレンツェンと7位バリチェロの差が、それぞれ1秒、0.4秒、0.3秒と接近します。しかし各位その順位を譲ることなくチェッカーとなります。
 結果、クルサードが今期初優勝を決め、2位シューマッハー兄、3位シューマッハー弟の表彰台となります。以下4位トゥルーリ、5位フィジケラ、6位フレンツェン、7位バリチェロ、8位ザウバー・ハイドフェルド、9位ジャガー・アーバイン、10位同・デ・ラ・ロサの順位となりました。


◇感想

 クルサードってこんなに上手かったか?そう唸らせるレース運びでした。抜きどころが全くないモナコ、そんな中、レース開始から20周以上に渡り、ミスすることなくレースを進め、シューマッハー兄のペースが速いと見るや、ルーチンのピットストップを(おそらく)早める決断。結局マージンを使い切る前にピットストップした作戦がはまり、最後までシューマッハー兄を前に出すことはありませんでした。序盤、終盤の1秒を切るバトルも見応え十分でしたし、今期のベストレースの一だと思いました。


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