Round.10 イギリスグランプリ
07.Jul.2002 : シルバーストーン・サーキット
◇予選グリッド
ポールポジションは、4戦連続となるウィリアムズ・モントヤ。好位置を決勝の結果に結びつけたいところです。2位は前戦ヨーロッパGP優勝で、勢いに乗っているフェラーリ・バリチェロ。シューマッハー兄を3位に抑える結果となりました。以下4位ウィリアムズ・シューマッハー弟、5位マクラーレン・ライコネン、6位同クルサード、7位ルノー・トゥルーリ、8位トヨタ・サロ、9位BARホンダ・ビルヌーブ、10位ザウバー・ハイドフェルドとなります。
ジョーダン・佐藤は自身最高位タイの14番手からのスタートとなります。なおミナルディー・ユーンは、107%ルールにより予選不通過でした。
◇決勝
フォーメーションラップで、2番手フェラーリ・バリチェロがスタートできず、最下位スタートとなってしまいます。
そしてスタート。14番手のトヨタ・マクニッシュがスタートできずリタイヤとなった以外大きなトラブルもなく、各車1コーナーを回っていきます。オープニングラップを終えて、ウィリアムズ・モントヤ、フェラーリ・シューマッハー兄、ウィリアムズ・シューマッハー弟、マクラーレン・ライコネン、同クルサード、ルノー・トゥルーリ、ルノー・バトン、トヨタ・サロ、BARホンダ・ビルヌーブ、ザウバー・ハイドフェルトのオーダーとなります。
レース序盤は、バリチェロの猛追が見所となりました。まずオープニングラップで14位まで順位を上げ、2周目にはジャガー・アーバインをパスして13位へ、5周目にはハイドフェルドをかわしてトップ10内に返り咲きます。6周目にはビルヌーブ、サロと相次いでパスして8位へ。加えて、このあたりから、雨が路面を濡らし始めます。次第に強くなる雨足に、13周目、トップのモントヤ、シューマッハー兄がピットイン、モントヤはレインタイヤを、シューマッハー兄はインターミディエイトタイヤをチョイスしてピットを後にします。同周、シューマッハー弟とバリチェロもピットイン、両者とも、チームメイトと同じタイヤを装着してコースに復帰します。15周目、ドライタイヤで我慢していたクルサードがピットイン、レインに履き替えて周回に戻ります。
17周目、シューマッハー兄がモントヤを難なくかわし、トップへ。バリチェロも3位まで順位を上げていきます。そして、19周目、モントヤまでもかわし、フェラーリ1-2体勢を築きます。
21周目、雨とブリヂストンタイヤを武器に、7位まで順位を上げてきていたアロウズ・フレンツェンがエンジンブロー、リタイヤとなります。24周目、雨が小降りになったのを見て、マクラーレン・クルサードがピットイン、ドライタイヤに履き替えるギャンブルに出ます。明らかにレインよりもペースを戻したクルサードを見て、ライコネン、トゥルーリ、バトン等のミシュランユーザーが次々とタイヤを履き替えますが、30周目近く、再び雨足が強まり、レインタイヤへの履き替えを余儀なくされます。
32周目、4位走行のシューマッハー弟がピットインしますが、給油機の故障で給油できず、タイヤを履き替えただけでコースに戻されます。33周目、シューマッハー兄とバリチェロがピットイン、両者ともインターミディエイトを履いて周回に復帰します。38周目、クルサードがピットインしますが、またまた給油機のトラブル、翌39周目にピットインしたライコネンは、そのとばっちりを受け、こちらも給油できず仕舞い。タイヤチョイスと言い、マクラーレン受難のレースです。
40周目、バリチェロとモントヤがピットイン、両者ドライタイヤに履き替えてコースに戻ります。翌41周目、モントヤがバリチェロをパスして2位へ復帰します。43周目、シューマッハー兄がタイヤをドライに変えます。コースがドライコンディションに戻り、給油作業もほぼ完了した43周目、オーダーは、シューマッハー兄、モントヤ、バリチェロ、ビルヌーブ、BARホンダ・パニス、ハイドフェルド、ジョーダン・フィジケラ、シューマッハー弟、ザウバー・マッサ、ライコネンとなります。
レース終盤の46周目、バリチェロがモントヤをストレートエンドでとらえ、2位へ復帰します。その直後、10位ライコネンのエンジンがブロー、残り14周を残してリタイヤとなります。トラブルは、まだ続きます。51周目、今度は10位に順位を上げていたジョーダン・佐藤のエンジンがブロー、ラスト3周の57周目、バトンがガレージインでリタイヤ(完走扱い)となります。
こうして、ドライ−レイン−ドライとコースコンディションがめまぐるしく変わったレースは、シューマッハー兄の通算60回目の優勝で幕を閉じました。2位は最後尾からの追い上げが見事だったバリチェロ、3位は何とか表彰台を確保したモントヤ、4位、5位は今期初のポイントとなったBAR勢、ビルヌーブとパニスがダブル入賞を果たしました。以下6位ハイドフェルド、7位フィジケラ、8位シューマッハー弟、9位マッサ、10位クルサードの結果となりました。
◇感想
雨ならブリヂストン。そんなレースでした。ここ最近、トップのフェラーリ以外、入賞から遠ざかっていた他のブリヂストンユーザーでしたが、今レースは1,2,4,5,6位を占め、久しぶりの快勝でした。
しかしこの勝利で、次のフランスでタイトルが確定する可能性も・・・。強すぎるぞ、シューマッハー。