Round.11 フランスグランプリ
21.Jul.2002 : マニクール・サーキット
◇予選グリッド
ポールポジションは、これで5戦連続となるウィリアムズ・モントヤ。そろそろ今期初優勝が欲しい頃でしょう。2位はフェラーリ・シューマッハー兄。3位は同バリチェロ。4位には、自己最高順位となるマクラーレン・ライコネン、5位にはちょっと元気がないウィリアムズ・シューマッハー弟。以下6位マクラーレン・クルサード、7位ルノー・バトン、8位同トゥルーリ、9位ジャガー・アーバイン、10位ザウバー・ハイドフェルドとなります。
ジョーダン・佐藤は14位からのスタートとなります。なおジョーダン・フィジケラは、フリー走行でクラッシュしたため、レース欠場となりました。
◇決勝
フォーメーションラップで、3番手フェラーリ・バリチェロのフロントがジャッキアップされたままのトラブル。元々車体にもトラブルがあったようで、そのままピットへ戻りリタイヤとなります。
スタートでは大きな混乱もなく、各車第1コーナーを抜けていきます。ただ一例の例外は、BARホンダ・パニスとジョーダン・佐藤。進入口で接触した両者は、パニスがピットへ戻りリタイヤ、佐藤も最下位に順位を落とすという結果になります。オープニングラップは、ウィリアムズ・モントヤ、フェラーリ・シューマッハー兄、マクラーレン・ライコネン、ウィリアムズ・シューマッハー弟、マクラーレン・クルサード、ルノー・バトン、ザウバー・マッサ、ルノー・トゥルーリ、ジャガー・アーバイン、ザウバー・ハイドフェルドのオーダーとなります。
序盤、レースをリードするのはモントヤとなりますが、2位シューマッハー兄、3位ライコネンがぴったりとその後に続きます。3周目にはアデレードヘアピン進入で、モントヤとシューマッハー兄が並びかけ、そのインをライコネンが突くという、見応えある応酬がなされます。結局ここでは順位変動は起きませんでしたが、これから1回目のピット作業まで、3台固まりの状況が続きます。
8周目、ジャンプスタートでマッサがピットスルーペナルティーを受けます、翌々周、今度はピット出口の白線を横切ったとの違反で、再びピットスルーペナルティーを受けてしまいます。これで16位最下位までドロップとなります。
24周目、トップのモントヤがピットイン、4位で周回に復帰します。これでトップに立ったシューマッハー兄は、一気にペースを上げ2位ライコネンを引き離しにかかります。そして27周目にピット作業を行い、モントヤの前、3位で周回に復帰します。翌28周目、今度はライコネンがピット作業を行い、3位で周回に復帰、この時点でのオーダーは、シューマッハー兄、モントヤ、ライコネン、シューマッハー弟、クルサード、バトン、トゥルーリ、アーバイン、ハイドフェルド、BARホンダ・ビルヌーブとなります。
35周目、トップ・シューマッハー兄に、ピット出口の白線を横切ったとのことでピットスルー・ペナルティーが課せられます。これで順位は、モントヤ、ライコネン、シューマッハー兄となります。
43周目、トップのモントヤが、2回目のピット作業を行います。しかし、給油リグが入らないトラブルが起こり、11.6秒でピットアウト、4位で周回に復帰となります。45周目、シューマッハー弟がピット作業を行いますが、ピット出口で、今レース3人目となる白線横切りの違反を犯してしまいます。
48周目シューマッハー兄、49周目ライコネンとピット作業を行います。結果、僅差でライコネンがシューマッハー兄の前に出ることに成功し、54周目、クルサードがピット作業のため周回を離れたことにより、自身初のラップリーダーを経験します。そのクルサードは、4人目のピット出口の違反となりますが、ペナルティーにより順位を落とすことなく3位で周回を続けることができます。
レース終盤、1位ライコネンと2位シューマッハー兄の差が縮まり、タイム差がほとんどなくなります。しかしシューマッハー兄に付け入る隙を与えず、周回をこなしてきます。そして残り5周目、初優勝が見えてきたまさにその時、アデレードヘアピンでまさかのオーバーラン、シューマッハー兄に抜かれてしまいます。結局我慢して2位をキープしていたシューマッハー兄が望外の勝利を収め、自身61回目の優勝と共に、5回目のワールドチャンピオンを決めました。2位は23周にわたりラップリーダーを勤めたライコネン、3位はクルサードと、マクラーレン勢が続きました。以下4位モントヤ、5位シューマッハー弟、6位バトン、7位ハイドフェルド、8位ミナルディー・ウエーバー、9位ジャガー・デ・ラ・ロサ、10位ミナルディー・ユーンの結果となりました。
◇感想
ライコネン惜しかった。初優勝までもう一歩だったのに。しかし、初優勝というのは、なかなか手に届かないものなのでしょう。アレジ、シューマッハー弟、フィジケラ、ハッキネン。名だたるドライバーだって、後一歩を何度も経験しています。
しかしながら、この経験でライコネンは強くなる、そう思わせた見事な走りでした。特にピットアウトラップ、シューマッハーを抑えた走りは見事でした。
そして、あえてシューマッハー・チャンプの話題は振らないで終わったりして(笑)。