Round.16 アメリカグランプリ
29.Sep.2002 : インディアナポリス・モーター・スピードウェー
◇予選グリッド
予選、ポールはフェラーリ・シューマッハー兄、2位は同バリチェロと、今期4度目のフェラーリの独占となりました。3位には今期自身最高位のマクラーレン・クルサードが入り、4位はウィリアムズ・モントヤ、5位は同シューマッハー弟と続きます。
以下マクラーレン・ライコネン、BARホンダ・ビルヌーブ、ルノー・トゥルーリ、ジョーダン・フィジケラ、ザウバー・ハイドフェルドのトップ10となります。なおジョーダン・佐藤は15位からのスタートとなり、また、前戦イタリアGPのアクシデントで予選10位降番のペナルティーを受けたザウバー・マッサは欠場し、アロウズから離脱したフレンツェンが代役として出場する事となりました。
◇決勝
スタートではウィリアムズ・モントヤがやや出遅れ、同シューマッハー弟と順位を交替します。また8位ルノー・トゥルーリが6位と、2つ順位を上げることに成功します。
2周目、1コーナーでなんとモントヤとシューマッハー弟が接触、両者ともコースオフという醜態を見せます。大きく順位を落としながらもモントヤは周回に復帰しますが、シューマッハー弟はリアウイングを失いピットへ。ウイング交換に2周近くを費やし、最下位までドロップとなります。これで楽になったのが1-2のフェラーリ。3位クルサードとのタイム差を、毎周確実に広げていきます。
一方、中団は大混戦の様相を呈してきます。抜きどころの多いインディアナポリス、1コーナーで、ストレートで、数々のオーバーテイクが見られます。6周目、1コーナーの飛び込みでジョーダン・佐藤がザウバー・フレンツェンをパス、しかし勢い余った佐藤は続く2コーナーでコースオフ、フレンツェンに抜き返されてしまいます。しかし佐藤の巧いリカバリーがあり、3-4コーナーで再びフレンツェンの前に出ます。14周、15周、16周と、メインストレート中程でオーバーテイクが相次ぎます。BARホンダ・ビルヌーブがマクラーレン・ライコネンを、BARホンダ・パニスがトヨタ・サロを、モントヤがライコネンを、それぞれオーバーテイクしていきます。しかしオーバーテイクも序盤のみ、レース中盤・後半には、各マシンの位置関係が固まってきて、周回遅れをパスする意外、オーバーテイクシーンは見られなくなります。
ところで、今レースはリタイヤが少ないレースでもありました。29周目、ジャガー・デ・ラ・ロサがエンジントラブルからリタイヤ第一号となります。その後、40周目、ミナルディー・ウエーバーがピットイン、そのままガレージへ直行しリタイヤ、次いで48周目、同ユーンがエンジンブローからリタイヤとなります。そして51周目、バックストレートでライコネンのエンジンがブロー、この4台のリタイヤのみでレースは終盤を迎えます。
そして最終ラップ、最終コーナーを立ち上がったフェラーリの2台はサーキット一杯に広がりゴール。僅差で1位となったのは、68周に渡りラップリーダーをつとめたシューマッハーではなく、バリチェロでした。
1ストップで走りきったクルサード、モントヤ、トゥルーリが3位、4位、5位と並び、以下6位ビルヌーブ、7位ジョーダン・フィジケラ、8位ルノー・バトン、9位ザウバー・ハイドフェルド、10位ジャガー・アーバインの結果となります。佐藤は11位完走の結果でした。
◇感想
またフェラーリの粗相です。3位以下を大きく引き離したシューマッハーとバリチェロは、ラスト10周は完全なクルージング。そして最終ラップ、最終コーナーからのドラッグレース。表彰台上にせり上がってくるF2002を見ながら、何とも虚しい気分にさせられました。ライバル不在のレースが、こうも面白くないとは・・・。鈴鹿もこれじゃ嫌だなぁ、ほんとに。