Round.2 マレーシアグランプリ
23.Mar.2003 : セパン・インターナショナル・サーキット
◇予選グリッド
セパンの予選は、レギュレーション変更の結果が色濃く出た結果となります。ポールポジションはルノー・アロンソ。初ポール最年少記録を破る快挙です。そして2位は、僚友トゥルーリ。ルノーのフロントロー独占は、まさに20年ぶりの快挙となります。ただし軽いタンクで予選に望んだだけに、決勝でどのような結果になるか、非常に興味深いところです。以下3位フェラーリ・シューマッハー兄、4位マクラーレン・クルサード、5位フェラーリ・バリチェロ、6位ザウバー・ハイドフェルド、7位マクラーレン・ライコネン、8位ウィリアムズ・モントヤ、9位BAR・バトン、10位トヨタ・パニスの予選結果となります。今回はウィリアムズが低調で、8位モントヤはともかく、シューマッハー弟はまさかの17位と、厳しい結果に終わります。
◇決勝
トヨタ・ダ・マッタがピットスタートとなり、またフォーメーションラップにて、BAR・ビルヌーブにマシントラブルが発生し、結局ビルヌーブはリタイヤとなります。
スタートでは、ジョーダン・フィジケラが動けず、そのままリタイヤとなり、また1コーナーではルノー・トゥルーリにフェラーリ・シューマッハー兄が接触するアクシデントが発生、トゥルーリはスピンし大きく順位を落とし、シューマッハー兄は3周目にフロントウイングの交換を余儀なくされます。またトゥルーリのスピンにより渋滞した後方では、ウィリアムズ・モントヤとジャガー・ピッツォニアが接触、モントヤはリアウイングを、ピッツォニアはフロントウイングを失い、緊急ピットインとなります。なおこのアクシデントの原因を作ったとして、シューマッハー兄は11周にドライブスルーペナルティを受けます。
波乱のオープニングラップを制したのは、ポールシッダーのルノー・アロンソ、次いでマクラーレン・クルサード、以下ザウバー・ハイドフェルド、マクラーレン・ライコネン、BAR・バトン、フェラーリ・バリチェロ、トヨタ・パニス、ミナルディー・ウィルソン、ウィリアムズ・シューマッハー弟、ジャガー・ウエーバーのオーダーとなります。2周目、ライコネンがハイドフェルドを、1コーナー飛び込みでアウトから豪快にパスし3位へ、またクルサードがスローダウン、リタイヤとなり2位まで順位を上げます。そのごしばらくこのオーダーが続きますが、11周目、バリチェロが1コーナーでハイドフェルドのインをとり3位に順位を上げます。13周目、トヨタ・パニスがピットイン、コース復帰直後にスローダウン、リタイヤとなります。同周、4位ハイドフェルドもピットインしますが、リスタートでエンストし、順位を下げています。このトラブルはザウバーの構造的なものか、18周にピットインしたフレンツェンもエンストをしてしまいます。
14周目、トップのアロンソがピットイン、3位で周回に復帰します。その5周後の19周目、ライコネンがピットイン、アロンソの前2位で周回に復帰し、22周目バリチェロがピットインします。この結果、ライコネン、アロンソ、バリチェロ、シューマッハー弟、バトン、トゥルーリ、ハイドフェルド、シューマッハー兄、ダ・マッタ、ウエーバーのオーダーとなります。
その後44周まで1回目、2回目のピットインが続きます。代表的なところを挙げると、27周、44周シューマッハー兄、34周バトン、ハイドフェルド、35周アロンソ、36周トゥルーリ、38周バリチェロ、シューマッハー弟、40周ライコネンとなります。
44周を終えて、ライコネン、バリチェロ、アロンソ、シューマッハー弟、バトン、トゥルーリ、シューマッハー兄、ハイドフェルドのオーダーとなります。その後タイヤタレが激しくなったバトンが、トゥルーリ、シューマッハー兄にパスされた以外は順位の変動はなく、結局トップのライコネンは、2位バリチェロに30秒以上の差をつける独走で、自身F1初勝利を挙げます。3位には初表彰台のアロンソが入り、以下4位シューマッハー弟、5位トゥルーリ、6位シューマッハー兄、7位バトン、8位ハイドフェルド、9位フレンツェン、10位ジョーダン・ファーマンの結果となります。
◇感想
ライコネンが初優勝、今回のレースはこれに尽きます。アロンソの3位表彰台も見事でした。しかし、7位スタートのライコネンが優勝、17位スタートのシューマッハー弟が4位入賞など、今年のレースは予選結果が決勝結果に必ずしも反映されないと言う、ちょっと不思議なレース展開になっています。
一方、予選は目一杯軽めのタンクでアタックし上位グリッドを獲得しつつ、決勝は早めのピットストップながら3位5位にダブル入賞したルノーの戦略が光ったレースとも言えます。レース戦略は、まだまだ各チーム試行錯誤の段階ですが、ルノーが一つの回答を見つけだしたのかもしれません。