Round.3 ブラジルグランプリ
06.Mar.2003 : アウトードロモ・ホセ・カルロス・パーチェ
◇予選グリッド
予選、ポールは母国初優勝の期待がかかるフェラーリ・バリチェロがとります。2位はマクラーレン・クルサード。しかしながら3位には、なんとジャガー・ウエーバーが来ます。予選1日目のトップがブラフでないことを証明します。以下4位マクラーレン・ライコネン、5位ルノー・トゥルーリ、6位ウィリアムズ・シューマッハー弟、7位フェラーリ・シューマッハー、8位ジョーダン・フィジケラ、9位ウィリアムズ・モントヤ、10位ルノー・アロンソの結果となります。
◇決勝
雨は止んだものの、路面がヘビーウエット状態のサーキットコンディション。そのためスタートは15分遅れで、しかもセフティーカー先導で行われます。セフティーカーの先導は8周におよび、ローリングスタートとなった9周目、1コーナー飛び込みでマクラーレン・クルサードがフェラーリ・バリチェロをかわしてトップに立ちます。バリチェロは、ややドライよりのブリヂストン・インターミディエイトタイヤの特性もあり、翌周にはマクラーレン・ライコネン、ウィリアムズ・モントヤ、フェラーリ・シューマッハー兄にもかわされ、6位までドロップしてしまいます。
11周目、今度はクルサードのペースが乱れ、ライコネン、モントヤに抜かれてしまいます。しかしここはベテランの妙を見せ、14周にはモントヤをパスし、2位のポジションを奪い返します。15周目、レコードラインから水がはけ、ブリヂストンタイヤの反撃が始まります。この時点で5位のシューマッハー兄は、ジャガー・ウエーバー、モントヤとパスし3位へ。しかしながら18周目、メインストレートでジョーダン・ファーマンの左フロントのサスが破断するトラブルが発生します。これによりマシンコントロールを失ったファーマンは、1コーナーの減速に入っていたトヨタ・パニスに追突してしまいます。幸い両者とも怪我なく済みましたが、一歩間違うと大惨事になっていた事故でした。
このファーマンの事故により、再度セフティーカーが入ります。このタイミングで、トップのライコネンを除く、ほとんど全てのマシンがピットに入ります。23周目、リスタートとなりますが、ここから目を疑うクラッシュが続発します。まずは25周目、ミナルディー・ウィルソン、モントヤ、ジャガー・ピッツォニアが、26周にはシューマッハー兄が、3コーナーでスピン、クラッシュを演じます。このため三度セフティーカーが入ります。リスタートの翌周31周目、今度はミナルディー・フェルスタッペンとBAR・バトンが全く同じ3コーナーでスピンオフ。このレース4回目のセフティーカーとなります。
37周目、4度目のリスタート。この時点でのオーダーは、クルサード、バリチェロ、ウィリアムズ・シューマッハー弟、ルノー・アロンソ、ライコネン、ジョーダン・フィジケラ、ルノー・トゥルーリ、ザウバー・フレンツェンとなります。
45周目、1コーナーINでふらついたクルサードを、バリチェロがパス、8周目以来のトップに立ちます。しかし翌46周目、事もあろうにバリチェロがスローダウン、燃圧低下でリタイヤとなります。これでトップに返り咲いたクルサード。52周目にピットに入り、4位で周回に復帰します。54周目、ライコネンが一瞬コントロールを失った隙に、フィジケラがこれをパス、トップに立ちます。55周目、最終コーナーでウエーバーがクラッシュ、激しく破片をまき散らし、コース上で止まります。そして後続のアロンソがウエーバーのタイヤにヒット、激しくスピンを起こしながら左壁にヒット、はじき飛ばされ右壁にたたきつけられます。これにより赤旗中断、そして53周時点をもってレース成立となります。
こうして波乱の幕切れのブラジルグランプリは、ライコネンの2連勝で幕を閉じます。2位には初優勝が目前で消失したフィジケラ、3位にはアロンソが入ります。しかしながらクラッシュにて脚を痛めたアロンソは、表彰台に立つことなく病院へ運ばれます。以下4位クルサード、5位フレンツェン、6位ビルヌーブ、7位ウエーバー、8位トゥルーリ、9位シューマッハー弟、10位トヨタ・ダ・マッタの結果となります。
◇感想
フィジケラ惜しかった! コース上でライコネンを抜き去り、よしこれから!と思った矢先の赤旗。ホント不運です。しかしながら、絶妙のタイミングで勝利を奪ったライコネン。アロンソのクラッシュが1周早ければクルサードが、1周遅ければフィジケラが、それぞれウイナーだったのですから。
そう言えば先輩ハッキネンも、1勝を挙げてから優勝常連になりました。となると今年のチャンプはあるいは・・・そう思わせるツキの呼び込みでした。
しかし、雨でコースオフとは、96年のモナコ以来じゃないですか!>シューマッハー兄