Round.9 ヨーロッパグランプリ
29.Jun.2003 : ニュルブルクリンク
◇予選グリッド
予選トップは、自身初ポールのマクラーレン・ライコネン。2位はフェラーリ・シューマッハー兄。目下ポイント1-2が、フロントローを占める結果となります。3-4位はウィリアムズ・シューマッハー弟、モントヤがつけ、フェラーリ・バリチェロは5位に終わります。以下6位BAR・バトン、7位トヨタ・パニス、8位ルノー・アロンソ、9位マクラーレン・クルサード、10位トヨタ・ダ・マッタの順になります。
◇決勝
スタートではポールのマクラーレン・ライコネン、3位ウィリアムズ・シューマッハー弟、5位フェラーリ・バリチェロが好スタートを決めます。一方ダスティーな偶数列側は、2位フェラーリ・シューマッハー兄、4位ウィリアムズ・モントヤと、いずれも順位を落としてしまいます。この結果、オープニングラップは、ライコネン、シューマッハー弟、シューマッハー兄、バリチェロ、モントヤ、ルノー・トゥルーリ、同アロンソ、トヨタ・パニス、マクラーレン・クルサード、トヨタ・ダ・マッタの順位となります。
レースはライコネンが逃げ、シューマッハー弟以下が集団になるという展開となります。こうして16周目、まずトップのライコネンがピットイン、それを見たシューマッハー兄も同時にピットに入ります。翌17周目バリチェロ、トゥルーリがピットイン、18周目にはモントヤとアロンソ、クルサードが相次いでピットインします。一方暫定トップとなったシューマッハー弟は、トップグループではもっとも遅い21周目にピットに入ります。これでライコネン、シューマッハー弟、シューマッハー兄、バリチェロ、モントヤ、アロンソ、トゥルーリ、クルサード、ダ・マッタのオーダーに戻ります。しかし26周目、トップを快走中のライコネンのマシンから、おびただしい白煙が上がりスローダウン、そのままリタイヤとなります。
こうしてトップに立ったシューマッハー弟がレースをリードし続け、2回目の給油時期を迎えます。まずは37周目シューマッハー兄、38周目バリチェロと、フェラーリ勢が先に動きます。対するウィリアムズは、40周目モントヤ、41周目シューマッハー弟をピットに入れます。この結果、シューマッハー弟、シューマッハー兄、モントヤ、バリチェロと、3-4位のオーダーが入れ替わります。そして44周目、ヘアピンのインでシューマッハー兄に、モントヤがアウトから並びます。鼻先を奪ったモントヤが、先にコーナーに進入するところで両者のラインが交錯します。そして軽い接触の結果、シューマッハー兄がハーフスピン、グラベルにタイヤを落としストップしてしまいます。幸いマーシャルに後押ししてもらいレースには復帰できたものの、5位までドロップしてしまいます。
こうしてシューマッハー弟が今期初勝利をあげ、2位にはモントヤが入り、ウィリアムズの1-2でレースは終了します。3位はバリチェロ、4位アロンソ、5位シューマッハー兄、6位ジャガー・ウエーバー、7位BAR・バトンが入ります。8位には、ピットスタートながらザウバー・ハイドフェルドが入りました。
◇感想
開幕当初、駄作とまで言われたウィリアムズFW25ですが、ここのところシャシーのバランスが非常に良くなっているのが判ります。相変わらずパワーNo1のBMWエンジン、高グリップを誇るミシュランタイヤ、これらのパッケージングも素晴らしく、堂々、フェラーリF2003-GAと渡り合っています。
昨年後半から盛り返したジャガーR3といい、1年経って見違えたマクラーレンMP4/18Dといい、絶え間ない開発が、速さを生むのだと改めて実感している次第です。
それを返せば、BARが遅いのは、まだまだ開発が足りないからとは言えまいか? がんばれホンダ。せめてビルヌーブを完走させてはくれないか!!