Round.10 フランスグランプリ
06.Jul.2003 : マニ・クールサーキット
◇予選グリッド
今年のフランスGPは、ミナルディー・フェルスタッペンの暫定ポールで幕を開けます。雨→ドライという天候に助けられたとは言え、ミナルディーにとってはチーム開闢以来の快挙となります。
一方、天候に恵まれた土曜予選では、ウィリアムズ・シューマッハー弟がポールを獲得し、2位には同モントヤがつける盤石の体勢。3位はフェラーリ・シューマッハー兄、4、5位はマクラーレン・ライコネンとクルサード、6、7位はルノー・トゥルーリ、アロンソ、8位フェラーリ・バリチェロ、9位ジャガー・ウエーバー、10位トヨタ・パニスとなります。
金曜日サーキットを湧かせたフェルスタッペンは19位、ドライコンディションでは、これが精一杯でした。
◇決勝
スタートでは、ウィリアムズ・シューマッハー弟、モントヤ、マクラーレン・ライコネンの加速が良く、逆にフェラーリ・シューマッハー兄は伸びません。かろうじてマクラーレン・クルサードはブロックしたものの、順位を一つ落としてしまいます。そして最終コーナー、8位フェラーリ・バリチェロが単独スピン、事もあろうに最下位までドロップしてしまいます。
これ以外の大きな順位変動はなく、シューマッハー弟、モントヤ、ライコネン、シューマッハー兄、クルサード、ルノー・トゥルーリ、同アロンソ、ジャガー・ウィルソンのオーダーで、周回は進みます。
15周目、上位勢では一番に、クルサードがピットへ入ります。これを皮切りに、16周目ライコネンとトゥルーリ、17周目モントヤ、シューマッハー兄、アロンソ、18周目シューマッハー弟と、20周目バリチェロと、ピット作業を行います。ここでクルサードがシューマッハー兄を逆転、4位に浮上しています。
レースはウィリアムズの1-2、独走で進んでいきます。淡々と周回をこなし31周目、今度はライコネンが先陣を切ってピットに入ります。以下32周目クルサード、34周目モントヤ、トゥルーリ、35周目シューマッハー弟、シューマッハー兄、アロンソと、ピットに収まります。ここでもオーダーの変動はなく、レースは後半戦に突入します。
40周過ぎまで、BAR・バトンのガス欠以外リタイヤがなかったフランスGPですが、事もあろうに母国グランプリを戦うルノーに牙を剥きます。44周目、アロンソとジョーダンフィジケラがエンジンブローで止まると、翌45周目、トゥルーリもエンジンブローでリタイヤとなります。そして48周目、3回目のピットインを行ったクルサードにも悲劇が訪れます。まず給油リグが入らないトラブルで時間をロスし、給油装置を取り替えての給油の後、こともあろうに今度はリグが抜けないトラブル。加えてロリーポップを早く下ろしてしまったメカニックのミスもあり、給油マンを引きずり倒す始末。幸い怪我人は出なかったものの、クルサードはみすみす表彰台を逃してしまいます。
しかしサーキットの悪意もここまでで、終始安定した速さで他を圧倒したシューマッハー弟が2連勝を飾り、2位にはモントヤが入り、ウィリアムズの完勝でレースは幕を閉じます。3位には、クルサードの給油ミスに助けられたシューマッハー兄が、4位にはライコネンが入ります。以下5位クルサード、6位ウエーバー、7位バリチェロ、8位トヨタ・パニス、9位BAR・ビルヌーブ、10位ジャガー・ピッツォニアの結果でした。
◇感想
ウィリアムズの1-2で、選手権が判らなくなってきました。ドライーバーズタイトルでは、相変わらずシューマッハー兄が一歩抜きん出ているのですが(2位ライコネンとの差8ポイント)、コンストラクターは、フェラーリ103ポイントに対し、ウィリアムズ100ポイント。マクラーレンも85ポイントで僅差と言えましょう。
予想外のウィリアムズの復活に、フェラーリの不振。MP4-18の投入時期如何によっては、マクラーレンにもチャンスはあります。混沌としてきた後半戦は、目が離せない展開になりそうです。
一方、資産仮押さえとか、給油装置トラブルによるガス欠リタイヤのバトンなど、BARは何をやっているのだか。