Round.13 ハンガリーグランプリ
24.Aug.2003 : ハンガロリンク


◇予選グリッド

 予選ポールは、自身2回目となるルノー・アロンソ、次いで、ウィリアムズ・シューマッハー弟。シューマッハー弟は、前戦ドイツGPスタートでの多重クラッシュの原因として、5万ドルの罰金を科せられましたが、辛くも10グリッド降格の裁定を免れました。以下3位ジャガー・ウエーバー、4位ウィリアムズ・モントヤ、5位フェラーリ・バリチェロ、6位ルノー・トゥルーリ、7位マクラーレン・ライコネン、8位フェラーリ・シューマッハー兄、9位マクラーレン・クルサード、10位トヨタ・パニスの予選結果でした。
 なおジョーダン・ファーマンは、フリー走行でリアウイング脱落によりクラッシュ、レース欠場となります。その結果、オーストリア人のバウムガルトナーが代役としてグランプリ初出走を果たします(予選19位)。


◇決勝

 スタートでは、トヨタ・ダ・マッタが動き出せず、ピットから再スタートとなります。それ以外のトラブルはなく、各車1コーナーを通過しますが、2コーナーでウィリアムズ・シューマッハー弟が単独スピン、一挙に最後尾まで順位を落としてしまいます。さらにこれを避けようとして各車が入り乱れ、順位は大きくシャッフルされてしまいます。結果オープニングラップは、ルノー・アロンソ、ジャガー・ウエーバー、フェラーリ・バリチェロ、マクラーレン・ライコネン、ルノー・トゥルーリ、マクラーレン・クルサード、フェラーリ・シューマッハー兄、ウィリアムズ・モントヤ、ザウバー・ハイドフェルド、BAR・ビルヌーブのオーダーとなります。
 レースはアロンソが逃げ、3位以下が2位ウエーバーにつっかえるという展開になります。早くウエーバーをパスして、アロンソを追いたいバリチェロは、3周目のシケイン飛び込みでブレーキング勝負に出ますが、止まりきれずにシケインをショートカットしてしまいます。シケインショートカットで前車を抜いた場合、ペナルティーが課せられます。従って順位を戻すためアクセルをゆるめた瞬間、ウエーバーだけでなく、ライコネン、トゥルーリにも先行されるというミスを犯してしまいます。こうしてバリチェロは5位まで順位を落としてしまいます。
 レースは予想外のウエーバーの踏ん張りにより、1回目のピットストップまで大きな動きがありません。こうして13周目アロンソ、次いでウエーバーがピットに入り、ようやくライコネン以下2位集団が、自分のペースで走れるようになります。
 15周目、そのライコネンもピットイン、後続のトゥルーリも続きます。そして16周目バリチェロとモントヤ、17周目シューマッハー兄とシューマッハー弟、18周目クルサードと、上位陣のピット作業が続きます。
 1回目のピットストップによる順位変動が収まった20周目、1コーナーのブレーキング中に、いきなりバリチェロの左リアサスペンションが破断、バリチェロはそのままタイヤバリアへ直進しクラッシュしてしまいます。かなり激しい衝突にも関わらず、バリチェロは無傷でしたが、これで2戦連続のリタイヤに終わってしまいます。
 30周目、シューマッハー弟が、1コーナーの飛び込みで兄をパス、こうして一時18位まで落とした順位を4位まで戻すことに成功します。同周、アロンソが2回目のピットイン、2位ライコネンの前で周回に復帰します。そのライコネンも33周目にピットインを行い、35周目シューマッハー弟、36周目モントヤ、39周目シューマッハー兄とピット作業が続きます。しかしながらシューマッハー弟はピットでトゥルーリをかわしますが、兄の方はピットでもたつきトゥルーリの後ろでの復帰となります。
 44周目、上位で唯一の2ストップ作戦を敢行したクルサードがピットインし、その5周後、アロンソが3回目のピットストップを行います。50周目ウエーバーとシューマッハー兄、51周目ライコネンとモントヤ、52周目トゥルーリ、53周目シューマッハー弟 とピット作業を行い、その結果順位はアロンソ、ライコネン、モントヤ、シューマッハー弟、クルサード、ウエーバー、トゥルーリ、シューマッハー兄、ハイドフェルド、BARバトンとなります。
 62周目、モントヤが単独スピンを喫しますが、順位には影響なし。結局これが最後のハプニングとなり、アロンソが初優勝を飾ります。2位はライコネン、3位はモントヤとなり、以下4位シューマッハー弟、5位クルサード、6位ウエーバー、7位トゥルーリ、8位シューマッハー兄、9位ハイドフェルド、10位バトンとなります。
 そしてこの結果、ドライバーズポイントは1位シューマッハー、2位ライコネン、3位モントヤと、それぞれ1ポイントずつの差と大接近する事となります。


◇感想

 アロンソの初優勝で幕を閉じたハンガリー。最年少優勝記録、スペイン人の初優勝、ルノー復帰後初勝利(1983年アラン・プロスト以来20年ぶり)、前身のベネトン時代から6年ぶり(ゲルハルト・ベルガー)、ルノーエンジンとしても6年ぶり(ジャック・ビルヌーブ)の記録詰めの快挙となります。
 そして年間8人のウィナーが出たのは83年以来。クルサード、ライコネン、フィジケラ、シューマッハー兄、モントヤ、シューマッハー弟、バリチェロ、そしてアロンソ。今年の選手権は、これだけでも面白い!
 あとはトゥルーリの初優勝を残すのみですね。


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