Round.14 イタリアグランプリ
14.Sep.2003 : アウトードロモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ


◇予選グリッド

 予選ポールは、8戦ぶりとなるフェラーリ・シューマッハー兄。2位はウィリアムズ・モントヤと、チャンピオンシップ1-2位の両名の直接対決となります。3位にはフェラーリ・バリチェロがつけ、シューマッハー兄の支援として、絶好の位置につけます。4位はマクラーレン・ライコネンがつけ、5位にはウィリアムズ・ジェネが入ります。ジェネはモンツァ合同テストでクラッシュし、体調の不調を訴えたシューマッハー弟の代役です。以下6位ルノー・トゥルーリ、7位BAR・バトン、8位マクラーレン・クルサード、9位トヨタ・パニス、10位BAR・ビルヌーブのオーダーとなります。


◇決勝

 フォーメーションラップにて、ジョーダン・フィジケラがスタートできないトラブル。なんとかスタートはできるものの、一度ピットに戻り、そこからのスタートとなります。
 スタートではフェラーリ・シューマッハー兄、ウィリアムズ・モントヤ、ルノー・トゥルーリがダッシュを決めます。カーブグランデに入ったのは、シューマッハー兄、モントヤ、トゥルーリの順でしたが、ロッジア−レズモにかけて、シューマッハー兄とモントヤの、息も詰まるサイド・バイ・サイドの接戦が演じられます。ここで辛くもトップを守ったシューマッハー兄が、オープニングラップを制します。こうしてオープニングラップを終えた順位は、シューマッハー兄、モントヤ、フェラーリ・バリチェロ、マクラーレン・ライコネン、同クルサード、トヨタ・パニス、ウィリアムズ・ジェネ、BARビルヌーブとなります。なお一時3位までポジションアップしたトゥルーリでしたが、レズモ付近で急にスローダウン、結局リタイヤに終わっています。
 4周目、パラボリカの入り口で、トヨタ・ダ・マッタの左リアタイヤがバースト、マシンはスピンしながらコースオフ。ダ・マッタはその場でリタイヤとなります。
 11周目、クルサードとパニスが、相次いでピットイン、1回目の給油とタイヤ交換を行います。ここから1回目のピット作業が始まり、13周目ライコネンとジェネ、14周目バリチェロ、15周目シューマッハー兄、16周目モントヤと、次々にピット作業を終えていきます。こうして1回目のピット作業が終わった23周目、シューマッハー兄、モントヤ、バリチェロ、ライコネン、クルサード、ジェネ、パニス、ビルヌーブのオーダーとなります。
 23周目、9位走行中のBARバトンがスローダウン、24周目にピットインして、そのままリタイヤとなります。
 31周目、バリチェロが2回目となるピット作業を行い、翌32周モントヤ、次いでクルサードがピットインします。33周目、ここでモントヤとの差を広げておきたいシューマッハー兄でしたが、バックマーカーのザウバー・ハイドフェルドを抜くのに手間取ってしまいます。そして34周目、シューマッハー兄がピットから出てきたとき、僅差でウィリアムズが前に出ます。しかしこれは、未だピット作業を終えていないジェネであり、シューマッハー兄はモントヤの前で周回に復帰することができたのです。
 こうして2回目のピット作業が終了した39周目のオーダーは、シューマッハー兄、モントヤ、バリチェロ、ライコネン、クルサード、ジェネ、ビルヌーブ、ザウバー・フレンツェンとなります。
 45周目、クルサードがスローダウンし程なくストップしてしまいます。そして50周目、7位フレンツェンがストップしてしまいます。しかしこれが最後のトラブルとなり、レースは6戦ぶりとなるシューマッハー兄の優勝で幕を閉じました。2位にはモントヤ、3位にはバリチェロ、4位にはライコネンがつけ、ポイント争いは1-3位まで7ポイント差と、まだまだ予断を許さない状況となります。以下の順位は、5位ジェネ、6位ビルヌーブ、7位ジャガー・ウエーバー、8位ルノー・アロンソ、9位ザウバー・ハイドフェルド、10位ジョーダン・フィジケラとなります。


◇感想

 ここぞと言うところでキッカリ勝ってくるフェラーリ。不調とか言われても、抑えどころを知っているというか、流石はチャンピオンチームです。一方のウィリアムズも速さは十分。特にオープニングラップと、1回目のピットストップ後のモントヤは凄みがありました。一方のマクラーレンは、昨年型シャシーの限界か、トップを奪い取るほどのパフォーマンスに欠けていました。
 事実上、シューマッハー兄とモントヤの一騎打ちの様相を呈してきた2003年F1。残すはインディアナポリスと鈴鹿の2戦。次戦で優勝した方が有利ですが、リタイヤは許されない緊張のレースが続きます。


[ Back ]