Round.3 バーレーングランプリ
04.Apr.2004 : バーレーン・インターナショナル・サーキット


◇予選グリッド

 今期初開催のサーキット、バーレーンは、F1史上初の中東開催。埃のようにきめ細かく、そして硬い砂が舞うこの地で、堂々ポールを獲得したのはフェラーリ・シューマッハー兄。これで開幕3連続ポール、しかも2位には僚友バリチェロが詰める完璧な予選。3位にはウィリアムズ・モントヤがつけ、4位は同シューマッハー弟と、こちらはセカンドローを独占します。5位にはなんとBAR・佐藤が入り、それにバトンが続くという、こちらもサードローを独占する結果となります。以下7位ルノー・トゥルーリ、8位トヨタ・パニス、9位同ダ・マッタ、10位マクラーレン・クルサードとなります。
 なおルノー・アロンソは最終コーナーでオーバーランのミスで17位、マクラーレン・ライコネンは予選を走行せず最後尾スタートとなりました。
◇決勝

 フォーメーションラップ直前、こともあろうに砂漠に小雨が降ります。もっともこの雨も、路面を湿らせたのみですぐに上がり、レースはドライコンディションとなります。
 スタートは若干後方で混乱のあったものの、各車順当に第一コーナーに侵入していきます。オープニングラップを終えての順位は、フェラーリ・シューマッハー兄、同バリチェロ、ウィリアムズ・モントヤ、BAR・佐藤、ウィリアムズ・シューマッハー弟、ルノー・トゥルーリ、BAR・バトン、トヨタ・パニスとなります。
 2周目、フロントを傷めたルノー・アロンソがピットインする一方、ジャガー・クリエンとマクラーレン・ライコネンが、抜きつ抜かれつの14位争い。本来このような後方にいるべきマクラーレンではありませんが、予選・決勝ともぱっとせず、7周目、ライコネンのエンジンから出火、早くもレースを終えることとなります。
 その直前、4位を争っていた佐藤とシューマッハー弟が接触、佐藤はなんとかコースに留まったものの、シューマッハー弟はコースオフ、その後フロントウイング交換のためピットに入り、コースに復帰したときには17位まで順位を落としてしまいます。
 9周目、早くもシューマッハー兄がピットイン、10周目、バリチェロが続いてピット作業を行います。また同時に、モントヤ、トゥルーリもピット作業を行います。上位陣のピット作業は11周目佐藤、12周目バトンとBAR勢のピット作業で終了となります。この時点でのオーダーは、シューマッハー兄、バリチェロ、モントヤ、トゥルーリ、佐藤、バトン、クルサード、ジャガー・ウエーバーとなります。16周目、最終コーナー前で5位佐藤がオーバーラン、縁石に乗り上げた際にフロントを壊し、18周目にピットに入りノーズ交換となります。こうして周回に復帰したときには、14位まで順位を落としてしまいます。
 上位陣2回目のピットストップは23周目、クルサードのピットインから始まります。以後24周目シューマッハー兄、25周目トゥルーリ、26周目モントヤとバトン、アロンソ、27周目バリチェロとピット作業を行います。こうしてシューマッハー兄、バリチェロ、モントヤ、トゥルーリ、バトン、クルサード、佐藤、ウエーバー、アロンソのオーダーとなります。
 30周目、アロンソがウエーバーをパス、8位入賞圏内まで戻ってきます。32周目、今度は佐藤が1〜2コーナーでクルサードに仕掛けます。7周目にシューマッハー弟と接触したそのコーナーで、今度は見事なオーバーテイクを見せます。
 37周目、その佐藤が上位陣のトップを切ってピットに入ります。38周目トゥルーリ、クルサード、ウエーバーがピットに入ります。続く39周目モントヤ、40周目バトンとアロンソ、41周目シューマッハー兄、43周目バリチェロとピット作業を行います。上位陣で最後のピット作業を行ったのは、45周目、やや変則3ストップとなったシューマッハー弟でした。こうしてシューマッハー兄、バリチェロ、モントヤ、バトン、トゥルーリ、佐藤、アロンソ、クルサード、シューマッハー弟、ウエーバーのオーダーとなります。
 48周目、モントヤにトラブルが発生し、バトンが3位に上がります。モントヤの不調はこの後も続き、49周目にトゥルーリ、52周目に佐藤とアロンソと立て続けに抜かれ、最後は13位まで順位を落としてしまいます。また50周目、クルサードがマシントラブルから緊急ピットイン、何の手だても行えないままリスタートとなりますが、ピットレーンエンドでマシンを止める事となります。
 このレースの最後を飾るのは、佐藤とアロンソの5位争いでした。50周を過ぎた辺りから、佐藤とアロンソのタイム差が1秒を切り、インフィールドで迫るルノーを、ストレートで引き離すBARという戦いが見られます。このバトルはファイナルラップまでもつれ込み、佐藤が見事アロンソを抑えきりチェッカーとなります。
 こうして初開催のバーレーンは、シューマッハー兄、バリチェロのフェラーリが1-2を決め、3位には2戦連続となるバトン、以下4位トゥルーリ、5位佐藤、6位アロンソ、7位シューマッハー弟、8位ウエーバー、9位トヨタ・パニス、10位同ダ・マッタのオーダーで幕を閉じます。


◇感想

 やや危なっかしいレースでしたが、佐藤が5位入賞。レース巧者のクルサードを抜き去り、最後尾からの追い上げで迫ってきたアロンソを抑えきった、見事なレースでした。シューマッハー弟の接触ではちょっと頑張りすぎたか?とも思わせましたが、スチュワートの判定は佐藤おとがめなしに、シューマッハー弟にイエローカード。佐藤に非がないことが判明しました。
 バトンと佐藤。このままこのポジションを保つことができれば、優勝の文字も見えてきそうな、そんな勢いがります。

 最後に。マクラーレンよぅ、余りにも不甲斐なくないかい??


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