Round.6 モナコグランプリ
23.May.2004 : サーキット・デ・モナコ
◇予選グリッド
伝統のモナコ。F1屈指のドライバーズサーキットでポールを獲得したのは、以外にもこれが初ポールとなるルノー・トゥルーリ。2位には好調BAR・バトンがつけます。3位はルノー・アロンソ。今年は予選で失敗が続く苦しい展開でしたが、ようやく本来いるべき場所に戻ってきたと言う感じでしょうか。フェラーリ・シューマッハー兄は4位に沈み苦しいグリッドとなります。5位には復調の兆しが見え始めたマクラーレン・ライコネンが入り、以下6位フェラーリ・バリチェロ、7位BAR・佐藤、8位マクラーレン・クルサード、9位ウィリアムズ・モントヤ、10位ザウバー・フィジケラとなります。
◇決勝
トヨタ・パニスのエンストでスタートディレイとなたモナコ・グランプリ。決勝は1周減の77周で争われることとなります。
2回目のスタートでは、BAR・佐藤が素晴らしいダッシュを見せ、なんとフェラーリ・シューマッハー兄のタイヤに軽く接触しながらも前を奪います。こうして1コーナー飛び込みでは、ルノー・トゥルーリ、同アロンソ、BAR・バトン、同佐藤、マクラーレン・ライコネン、フェラーリ・シューマッハー兄、同バリチェロ、マクラーレン・クルサードと続きます。
素晴らしいスタートを決めた佐藤ですが、2周目になると、時折エンジンから白煙を引くようになり、3周目、タバココーナーでついにエンジンがブローしてしまいます。このとばっちりを受けたのがクルサード。視界を失い減速したところを、ザウバー・フィジケラに追突され、両者リタイヤとなります。この事故でフィジケラのマシンは宙を舞い、腹を見せて着地。幸いフィジケラに怪我はありませんでしたが、車の処理のため、セフティーカーが入ります。
セフティーカーが抜けた7周目、この時点でのオーダーは、トゥルーリ、アロンソ、バトン、ライコネン、シューマッハー兄、モントヤ、バリチェロ、ジャガー・ウェーバー。しばらくこのオーダーでの周回が続きます。
13周目、上位陣のトップを切って、モントヤがピットイン。しばし間を空けて、18周目バトン、19周目ライコネン、20周目バリチェロ、24周目トゥルーリ、25周目アロンソ、そして26周目、最後にシューマッハー兄がピットに収まります。
28周目、久々に上位争いをしていたライコネンが、ピットイン。ガレージに車を入れてリタイヤとなります。
この後しばらくレースは小康状態となります。その小康状態が破れたのは42周目、2位走行中のアロンソが、トンネル内でウィリアムズ・シューマッハー弟をパスしようとした際、マシンのコントロールを失い壁に激突したのです。大破したマシンは惰性でトンネルから出てきましたが、動く状態ではなくリタイヤ。この事故処理のため、再びセフティーカーが入ることとなります。
セフティーカーが抜ける直前の45周目、こともあろうにトップのシューマッハー兄と2位モントヤがトンネル内で接触、バランスを失ったシューマッハー兄はガードレールに激突。サスペンションが破断し、左フロントタイヤを引き吊りながらも、なんとかピットへたどり着くもここでリタイヤとなります。
この事故よりレースが再開されたのは47周目となります。この時点でのオーダーは、トゥルーリ、バトン、バリチェロ、モントヤ、トヨタ・ダ・マッタ、ザウバー・マッサ、ジョーダン・ハイドフェルド、シューマッハー弟となります。
レース終盤、ダ・マッタが青旗無視によるピットスルーペナルティーを受け、5位から6位へ後退。また73周目、シューマッハー弟がピットイン、車をガレージに入れリタイヤとなります。
その頃、トップのトゥルーリと2位バトンの差は1秒を切るところまで接近します。毎週0.1秒ずつタイムを詰めるバトンでしたが、トゥルーリは見事追撃を抑えきり、自身初優勝をモナコで飾りました。優勝トゥルーリ、2位バトン、3位バリチェロ、4位モントヤ、5位マッサ、6位ダ・マッタ、7位ハイドフェルド、8位トヨタ・パニス、9位ミナルディー・ゾイトバウムガルトナー、10位シューマッハー弟、完走10台のサバイバルレースは、こうして幕を閉じました。
◇感想
トゥルーリ初優勝!! しかもポールtoウィンの完全制覇。素晴らしい才能を持ちながら、後一歩で栄冠を逃してきた苦労人が、ようやくここで優勝を果たしました。バトンも終盤の追い上げが見事でした。しかしながら抜きどころのないモナコでは、テールtoノーズまでは行っても、オーバーテイクはほぼ不可能。予選順位が全てでした。