Round.8 カナダグランプリ
13.Jun.2004 : ジル・ビルヌーブ・サーキット
◇予選グリッド
予選トップは、このところ不振やチーム内での不和が取り沙汰されていたウィリアムズ・シューマッハー弟。昨年の第10戦フランスGP以来のポールとなります。2位は好調を維持するBAR・バトン。以下3位ルノー・トゥルーリ、4位ウィリアムズ・モントヤ、5位ルノー・アロンソ、6位フェラーリ・シューマッハー兄、7位同バリチェロ、8位マクラーレン・ライコネン、9位同クルサード、10位ジャガー・クリエンの結果となります。
なおBAR・佐藤は、最終シケインで痛恨のミス。180度スピンを喫し、予選17位に終わります。
またジョーダンからは、パンターノに代わり、グロックがF1デビュー、16位で予選を終えます。
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◇決勝
順調にスタートが切られた矢先、第2コーナーで混乱が生じます。まずルノー・トゥルーリがスローダウン。スピードを落としたままコーナーを直進する形でピットロード出口でマシンを止めます。その横では、ジャガー・クリエンに追突されたマクラーレン・クルサードがスピンするアクシデント。接触を避けるために大幅に車速を落としたマシンの渋滞の中に、ピットスタートのBAR・佐藤が巻き込まれます。しかしながらこの混乱によるリタイヤはなく、レースはそのまま続行となります。
オープニングラップはウィリアムズ・シューマッハー弟、BAR・バトン、ルノー・アロンソ、ウィリアムズ・モントヤ、フェラーリ・シューマッハー兄、マクラーレン・ライコネン、フェラーリ・バリチェロ、トヨタ・ダ・マッタ、同パニス、ジョーダン・ハイドフェルドとなります。
6周目、ヘアピンでバリチェロがライコネンに並びます。ここはライコネンが抑えましたが、続くストレートでバリチェロが前に出ます。9周目、ジャガー・ウエーバーがピットイン、ガレージにマシンを入れ、リタイヤとなります。
11周目、先陣を切ってクルサードがピットイン。翌12周目、ライコネンも給油を行います。次いで13周目バトン、モントヤ、15周目シューマッハー弟、17周目アロンソ、18周目バリチェロ、19周目シューマッハー兄と給油を行います。この時点でのオーダーは、シューマッハー弟、バトン、シューマッハー兄、モントヤ、バリチェロ、アロンソ、ザウバー・マッサ、ライコネン。アロンソは給油リグが入らないトラブルで順位を落とし、ライコネンはピットアウト時の白線カットで、この後スルーペナルティーを受けます。
27周目、シューマッハー兄にモントヤが仕掛けます。ここでは抜くまでには至りませんでしたが、0.1秒差で後を追います。しかし30周目、モントヤがピットに入り、両者のバトルは中断となります。翌31周目、バトンがピットイン、モントヤの前でレースに復帰します。そして33周目、トップのシューマッハー弟がピットイン、バリチェロの後ろ3位で周回に復帰します。その後バリチェロがシューマッハー兄との差を詰め、3位シューマッハー弟も約4秒後方と、最後のピット作業まで勝負はもつれ込む様相となります。
44周目、バリチェロがピットイン。それと前後して、2コーナーでアロンソがスローダウン、直進してグリーンにマシンを止めます。47周目シューマッハー兄、48周目シューマッハー弟とピット作業を終えます。ここでシューマッハー弟はバリチェロの前に出ることに成功します。49周目、バトンとモントヤが同時にピットイン、順位はそのままで周回に復帰していきます。この直後、佐藤のマシンから白煙があがりリタイヤとなります。10位まで順位を上げていた矢先のアクシデントでした。
60周目、ライコネンが突如スロー走行となりピットへ。ステアリングを交換し周回に復帰していきます。これでライコネンは順位を一つ落とし7位へ後退となります。
そして64周目、12位を走行中のマッサが、ヘアピンで左リアサスペンションが破断、タイヤバリアに突き刺さります。この事故で、マシンのノーズ部分は完全に潰れてしまいますが、マッサ自身は無事でした。
この事故を最後に、レースは終幕を迎え、優勝シューマッハー兄、2位シューマッハー弟、3位バリチェロ、4位バトン、5位モントヤ、6位フィジケラ、7位ライコネン、8位ダ・マッタ、9位クルサード、10位パニスのチェッカーとなります。
その後ブレーキダクトサイズのレギュレーション違反のため、ウィリアムズとトヨタが失格となり、順位は、1位シューマッハー兄、2位バリチェロ、3位バトン、4位フィジケラ、5位ライコネン、6位クルサード、7位ジョーダン・グロック、8位同ハイドフェルドの順位に訂正されました。
◇感想
ウィリアムズとトヨタの失格劇は、タイヤのキャンパー角(取り付け角度)により、ブレーキダクトの一部が、規定(12cm×32cm以内)よりもはみ出してしまうというもの。そのはみ出し量は、ウィリアムズで30mm、トヨタで3mmだとか。これで今期最高位を失ったシューマッハー弟は、さぞ残念でしょうね。
残念と言えば佐藤。8戦して5回のエンジンブローは、なんか昨年のビルヌーブを見ているようで切ないですなぁ。