Round.11 イギリスグランプリ
11.Jul.2004 : シルバーストーン・サーキット


◇予選グリッド

 モナコではルノー・トゥルーリ、ヨーロッパではフェラーリ・シューマッハー兄、カナダではフェラーリ・バリチェロ、アメリカではウィリアムズ・シューマッハー弟、フランスではルノー・アロンソ。サンマリノのBAR・バトンを含め、ヨーロッパラウンドに入ってから、ほぼ毎戦ポールシッダーが変わる今年の予選。イギリスではマクラーレン・ライコネンが、今期初ポールをしとめます。以下2位フェラーリ・バリチェロ、3位BAR・バトン、4位フェラーリ・シューマッハー兄、5位ルノー・トゥルーリ、6位マクラーレン・クルサード、7位ウィリアム・モントヤ、8位BAR・佐藤、9位ジャガー・ウエーバー、10位ザウバー・マッサとなります。
 なおルノー・アロンソはエンジン交換のため6位から16位へ順位降格、トヨタ・パニスはマッサの進路妨害のため、12位のタイムが抹消となり、17位スタートとなります。

◇決勝

 スタートではマクラーレン・ライコネンが抜群のダッシュを見せます。しかし上位各車は順位をキープし1コーナーをパスしていきます。順位に変動があったのはコースの丁度中間のハンガーストレート。ここでBAR・佐藤がウィリアムズ・モントヤのスリップに入り、ストウコーナーで前に出ます。しかしながら翌周、ハンガーストレート手前のチャペルでオーバーラン、再びモントヤに先行を許します。この時点での順位は、ライコネン、フェラーリ・バリチェロ、BAR・バトン、フェラーリ・シューマッハー兄、ルノー・トゥルーリ、マクラーレン・クルサード、モントヤ、佐藤となります。
 順調に周回を重ねるライコネンは、2位バリチェロとの差を、初めの数周で4秒以上に広げてしまいます。その後はミシュランタイヤの特性もあり、差は3秒後半で推移します。そのバリチェロは9周目に、ライコネンは11周目に、1回目のピット作業を行います。またバトンも14周目にピットへ向かいます。こうして前方がクリアになったシューマッハー兄はファステストを連発します。またライコネンが佐藤の後ろで周回に復帰し、2周にわたりタイムロスした幸運もあり、15周目にシューマッハー兄がピットから出てきたときには、ライコネンの直前でコースに復帰することができます。
 その後、シューマッハー兄とライコネンのタイム差は、約1秒強で推移します。しかしながら28周目、ライコネンが2回目のピットストップを行い、追撃は中断。またバリチェロも同時にピットへ入ります。このピットで、バリチェロがバトンを逆転、オーダーはシューマッハー兄、モントヤ、クルサード、ライコネン、バリチェロ、バトンとなります。なおモントヤは29周目、クルサードは30周目にピット作業を行い、それぞれ8位、10位で周回に復帰します。
 37周目、シューマッハー兄がピットに入ります。やや長めの9秒後半の給油を行いますが、トップで周回に復帰します。この結果、シューマッハー兄、ライコネン、バリチェロは、ほとんど数珠つなぎで周回することになります。
 しかしながら40周目、1コーナー・ブリッジからプライオリにかけて、トゥルーリがスピンしながらコースアウト、グラベルで激しく宙を舞い、地面にたたきつけられます。トゥルーリに怪我はなかったものの、ここでセフティーカーが入ることとなります。ここでライコネン、バリチェロ、バトン、フィジケラ、モントヤ、クルサード等がピット作業を行います。45周目のレース再開時点でのオーダーは、シューマッハー兄、ライコネン、バリチェロ、バトン、モントヤ、ザウバー・フィジケラ、クルサード、ウエーバー。その後ライコネンとバリチェロのタイム差が縮まりますがオーバーテイクには至らず、結局この順位でチェッカーとなります。



◇感想

 マクラーレン復活を印象付けるレースでした。前戦はクルサードの予選3位、今戦はライコネンのポール。レースでも十分な速さを披露し、シューマッハー兄に次ぐ2位をゲット。1回目のピットストップの後、佐藤の後ろでタイムロスをしたのが痛かったですが、名門復活に、今後のレースが面白くなることを期待しております。
 なんとしてでも、次戦ドイツでのコンストラクターズタイトル決定を阻止して下さい。
 それと、最近影が薄かったフィジケラが、すばらしいレースを見せてくれました。初日エンジン交換、予選ノータイムで最後尾スタートとなりながら、本戦では6位フィニッシュ!! トゥルーリ事故のセフティーカーがなければ、バトンの前、4位でチェッカーを受けていた可能性が高く、今後の表彰台に期待大なのです!!


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