Round.12 ドイツグランプリ
25.Jul.2004 : ホッケンハイムリンク


◇予選グリッド

 予選ポールは、第5戦スペイングランプリ以来、今期5回目となるフェラーリ・シューマッハー兄が取ります。2位にはウィリアムズ・モントヤ、3位にはBAR・バトンが入ります。しかしバトンは、金曜日にエンジンを載せ換えているため、10グリッドダウンが決定しています。
 以下4位マクラーレン・ライコネン、5位同クルサード、6位ルノー・アロンソ、7位同トゥルーリ、8位フェラーリ・バリチェロ、9位BAR・佐藤、10位トヨタ・パニスとなります。


◇決勝

 スタート直前、レッドシグナルが3つ点等した時点で、トヨタ・パニスのエンジンがストール。これによりスタートディレイとなります。この原因を作ったパニスは、ピットからのスタートとなります。
 取り直しの2回目スタート。ここでは2番手ウィリアムズ・モントヤがスタートを失敗、一気に7位まで順位を落とします。逆にロケットスタートを決めたのは、ルノー・アロンソ。モントヤと入れ替わるように、5位から2位へジャンプアップします。オープニングラップを終了した時点での順位は、フェラーリ・シューマッハー兄、アロンソ、マクラーレン・ライコネン、ルノー・トゥルーリ、マクラーレン・クルサード、ジャガー・ウエーバー、モントヤ、ウィリアムズ・ピッツォニア、BAR・佐藤、ジャガー・クリエン。なおフェラーリ・バリチェロは、ヘアピン進入でクルサードに追突、フロントウイングを失いピットに入ります。
 2周目、ヘアピンでのブレーキング勝負で、ライコネンがアロンソを下し2位へ。また3周目にはモントヤが、同じくヘアピンでウエーバーを抜きます。ウエーバーも、すかさずクロスラインで順位を戻しますが、シケイン手間でモントヤが前を奪います。
 9周目、先頭を切って、アロンソがピットイン、10周目にはシューマッハー兄、トゥルーリ、クルサードが、11周目にはライコネン、モントヤが、13周目にはバトンがピット作業を行います。
 1回目のピット作業が落ち着いた14周目、ライコネンにトラブルが発生します。メインストレートを走行中のライコネンのリアウイングが突然破断、ライコネンはスピンしながら1コーナー奥のウォールに激突。幸いライコネンに怪我はありませんでしたが、ここでリタイヤとなります。
 2位ライコネンがリタイヤし、トップのシューマッハー兄の独走の展開となった中盤、注目を浴びたのは佐藤でした。16周目ピッツォニア、18周目ザウバー・マッサと抜き去り9位まで順位を回復した佐藤は、19周目、ザウバー・フィジケラのピットインにより8位へ。そして21周目、ヘアピンの入り口でウエーバーをかわし7位、25周目、パラボリカからヘアピンの進入でトゥルーリをかわし6位と、次々と順位を上げていきます。
 27周目、モントヤと佐藤がピットインにより、2回目のピット作業が始まります。28周目、シューマッハー兄、クルサード、トゥルーリ、ピッツォニア、29周目アロンソ、ウエーバーと、上位陣のピット作業が行われます。
 31周目、モントヤとの差を詰めていた佐藤がコースオフ、その間ウエーバーに抜かれ、8位に順位を落とします。34周目、トップ勢では最後まで引っ張ったバトンがピットイン、アロンソの後ろ3位で周回に復帰します。そのアロンソとバトンのバトルは、ここから延々と続くことになります。まず35周目、ヘアピン進入で並びかけます。続く立ち上がりでも仕掛けますが、ここはアロンソが抑えます。翌周、ヘアピン出口からシケイン入り口でバトンがアロンソの前に出ますが、シケインの出口でアロンソが抑えきり、順位は変わらず。その後、アロンソとバトンの差が広がり、バトルは小休止へ。しかし50周目、バトンが3回目のピットからコースに復帰した時から、再びバトル再開となります。そして51周目、一気にタイム差を詰めてパス。これで2位に順位を上げます。
 60周目、HANSのトラブルでドライビングに集中できない佐藤を、ピッツォニアがパス。これで佐藤は8位にドロップします。そのころバトンにもトラブルが発生しています。ヘルメットのベルトが緩み、ストレートで首を圧迫するというのです。ストレートに入るたびに、ヘルメットを手で抑えながらの走行が続きます。最終ラップ、佐藤を追っていたバリチェロが、タイヤバーストにより12位までドロップ、開幕戦からの連続入賞が途切れてしまいます。
 こうして66周のレースは、シューマッハー兄の優勝、2位バトン、3位アロンソ、4位クルサード、5位モントヤ、6位ウエーバー、7位ピッツォニア、8位佐藤、9位フィジケラ、10位クリエンの結果で終幕となります。



◇感想

 バトンの快走! ドイツGPはこれにつきますね。13位から怒涛のオーバーテイク。他チームよりもロングランで引っ張るピット戦略もあたり、今期2回目の2位を獲得しました。これでエンジン載せ換えによるグリッド降格がなければ、あるいは・・・そう思わせる見事なレースでした。

 さて、ここにきて、ストーブリーグ(最近はプールリーグと言うらしい)があわただしくなってきました。モントヤがマクラーレンに移るのは、昨シーズン末に発表されていましたが、その僚友たるシューマッハー弟も、来期は移籍することが決定しました。行き先はトヨタ。実のところ、私はシューマッハー弟の実力を評価していないので、あまりうれしくない移籍ではありますが・・・(笑)。そしてその後釜には、ウエーバーが決まりました。またルノーは、トゥルーリに代えてフィジケラを走らせることとなりました。そのトゥルーリは、トヨタ行きが濃厚とのこと。
 来期のラインナップはどうなるのか(特にウィリアムズとトヨタ)、これから2、3戦が楽しみです。


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