Round.13 ハンガリーグランプリ
15.Aug.2004 : ハンガロリンク
◇予選グリッド
予選ポールは、フェラーリ・シューマッハー兄。2位には同バリチェロがつけ、コンストラクターズタイトル獲得へ、万全の状態で望むこととなります。セカンドローはBARが独占します。まず今期4回目のトップ3入りの佐藤、ついでウィリアムズへの移籍問題で渦中の人となったバトンが続きます。以下、5位ルノー・アロンソ、6位ウィリアムズ・ピッツォニア、7位同モントヤ、8位ザウバー・フィジケラ、9位ルノー・トゥルーリ、10位マクラーレン・ライコネンとなります。
なおトヨタは、ダ・マッタに代わり、サードドライバーのゾンタをエントリーしています。
◇決勝
スタートは、ルノー・アロンソ、トゥルーリが見事なダッシュを決め、1コーナーインではそれぞれ3位、6位まで順位をアップします。一方予選3位スタートの佐藤は、1コーナーでレコードラインを外してアロンソをブロックします。しかしそれが裏目に出てしまいます。ダスティーなラインをとったため、タイヤがグリップを失い、2コーナーを回ったところで8位までドロップしてしまったのです。こうしてオープニングラップは、フェラーリ・シューマッハー兄、同バリチェロ、アロンソ、ウィリアムズ・モントヤ、BAR・バトン、トゥルーリ、マクラーレン・ライコネン、佐藤となります。
序盤はトップのシューマッハー兄が逃げ、バリチェロが3秒程度で追う展開。しかしながら3位以下は大きく引き離され、10周目にはシューマッハー兄とアロンソのタイム差は、10秒もの大差が付くこととなります。
10周目、ルノー・アロンソのピットインを皮切りに、各チーム1回目のピット作業が始まります。ここでバリチェロの給油機にリークのトラブルが発生します。しかし漏れ出したガソリンの量は微小で、レースには大過ないことが判明します。14周目、ライコネンがスローダウン。ピットには戻ってくることができましたが、ガレージに車を入れてリタイヤとなります。
ピット作業がひと段落した20周目、オーダーはシューマッハー兄、バリチェロ、アロンソ、モントヤ、バトン、トゥルーリ、佐藤、ピッツォニアとなります。シューマッハー兄とバリチェロの差は4秒、アロンソは、さらに15秒以上後方となります。28周目、佐藤のピットインにより、トップ勢の2回目のピット作業が始まります。このピット作業で、佐藤がトゥルーリを逆転し、6位へ上がります。トゥルーリはピッツォニアにも先行され、8位へドロップ。そして43周目、ハイドロリックトラブルによりリタイヤとなります。これでシューマッハー兄、バリチェロ、アロンソ、モントヤ、バトン、佐藤、ピッツォニア、ザウバー・フィジケラのオーダーに変わります。
46周目、ジャガー・ウエーバーがピットイン。最後のピット作業が始まります。しかしながら、ここで順位の変動はなく、シューマッハー兄、バリチェロ、アロンソ、モントヤ、バトン、佐藤、ピッツォニア、ザウバー・フィジケラのオーダーのまま、レースは続きます。途中佐藤とピッツォニアのバトルがありましたが、ピッツォニアのコースオフによりバトルは終了となります。終盤8位フィジケラと9位マクラーレン・クルサードのタイム差がほとんどなくなりますが、オーバーテイクがほぼ不可能なコースレイアウトに阻まれ、結局順位変動はないまま、チェッカーを迎えます。
優勝シューマッハー兄、2位バリチェロ、3位アロンソ、4位モントヤ、5位バトン、6位佐藤、7位ピッツォニア、8位フィジケラの順位でレースは幕を閉じ、フェラーリが6年連続のコンストラクターズタイトルを手中に収めました。そしてもう一つ、バトンが5位に終わったことから、シューマッハー兄のライバルはバリチェロのみとなり、シューマッハー兄の5年連続ドライバーズタイトルも、ほぼ確定となりました。
◇感想
レースは退屈極まりない展開でした。シューマッハー兄のペースに(かろうじて)付いていけるのは、バリチェロのみ。そしてバリチェロは、決してシューマッハー兄を抜きません。これではレースは序盤から決まったようなもの。結局6位以下を周回遅れに、3位に30秒以上の大差をつけて、シューマッハー兄が優勝。これでコンストラクターズが決定し、またドライバーズタイトルも当確です。なにせ逆転の可能性があるのは、僚友バリチェロだけなのですから。最短の場合、次戦ベルギーGPでタイトルが決定します。
こうなると、最大の関心ごとは来期のラインナップ。渦中はBARバトン。果たしてウィリアムズへの移籍はなるのか。そしてバトンの後釜には誰が来るのか。ビルヌーブの復帰が囁かれていますが・・・。